ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

石油業界の情報量と質

2006年03月25日 08時43分29秒 | Weblog
石油業界に永く身をおいた身で、しかも現在、客観的に元売や商社などの石油流通業界と触れ合っている立場では手品の種明かしを見せられているような変な気分です。

システム構築などの仕事に着手する際に「ところで、社長は現在でも石油の流通の商売をしているのですか?」と必ず質問をされます。私が実際の流通から「足を洗った」事が確認された時点でようやくビジネスの本筋の話に入る事ができるのです。

石油ビジネスには、それぞれの立場でなければ知り得ない情報もたくさんあるわけですから難しい。もちろん開発守秘契約もあります。

同じ商品を取り扱ってはいても元売、特約店、販売店、独立系、灯油販売業者、SS専業者、中間流通業者、潤滑油販売業者、海上バンカー、パトロール給油業者など細分化したら業務は非常に多様なのです。最近のリテールSSでは「油外収益」に目が向いていて中古車、板金、車検、洗車などが盛んです。

ガソリン販売最前線の流れはどうも今年あたりから元売による系列販社を駆使しての「セルフSS」展開の拡販戦争が勃発しそうな雰囲気です。ホンダ技研が販売力のないディーラーを「足切り」して集約することでディラーの「底上げ」を行い全体の販売競争力を強化するとの事ですが、石油業界でも同じような事が起こるのでしょうね。

リテール業者の目を「油外収益」確保に向けておくのは理解できます。
しかし、車検でも板金でも中古車でもトヨタをはじめ自動車ディーラーが本格的な取り組みを開始しています。スーパーオートバックスなどでは一部ガソリン併売も開始されるでしょう。TBAの見通しも危うい環境です。タイヤメーカーによる直売店舗が急拡大します。

素人のガソリン屋の技術や知識だけではとても太刀打ちできません。相手は専門職なのですから。やはり利便性や灯油配送などを基軸にした外販ビジネスの可能性が拡大しています。

元売カードの多発により自社の客だか元売の客だかわからない囲い込み戦略に乗せられてしまった結果はこれから隣接に建設される「元売系セルフSS」の露払いをさせられたような状況となるはずです。その時になって初めて気付いても遅いわけですが、すでにその状況が完成されてしまっています。

ホームエネルギーの「灯油」だけが自社で抱える優良顧客であるという事に気付いている賢明な経営者だけが今年の灯油でかなりの成果を上げました。
灯油は今後数年間、最大の販売強化の収益商品となります。
石油ビジネスのリテールに於ける「生命線」となるはずです。

これからの石油ソリューション

2006年03月25日 08時02分47秒 | Weblog
土曜日から日曜日に掛けて部屋に篭り某商社の石油部門からの依頼で基幹システムのフローチャートを製作中です。仕様に関しての打合せはすでに終了していますのであとは現実の業務の流れに沿っての検討です。

石油ソリューションといっても一般的なSSソリューションとは全く異なる仕様と概念です。販売計画の「枠組」、担当者別の流通玉管理、輸出入為替レート対応をはじめとする石油流通業界の「源流部分」の詳細構築です。大手のソフト会社でも専門的過ぎて手が出せない分野の開発作業です。

WEBメールサーバーの活用によるグループウェアとしての営業機動力アップなども含まれています。流通コスト計算や与信限度額管理などの企画を見るとこれからの石油流通業界の方向性が見えてくるようです。

安い業転玉情報を追いかけているだけしか能がないリテール業者に是非ご覧頂きたいと思うような仕様です。

日本の石油業界は運用しているシステムが遅れているといわれます。今後はシステム格差によっておきな企業間格差が出るはずだと痛感しています。