ゆきちゃん通信++日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日を
母親(tomi)の目を通してお伝えします。

ゆきちゃん通信 No5 その1

2001年02月10日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

1999年11月25日発行

ゆきちゃん通信No5


その1

※今年もがんばりました!
『ともだちいっぱいコンサート』


11 月21日、若竹の会のコンサートが開催されました。

6ヶ月ほど前から練習をはじめましたが、
去年は平気だった自己紹介が今年はどうしても出来ません。

練習の時には言えるのに、
みんなの前に立ってマイクを握ると、
どうしても逃げ出してしまいます。

みんなに注目される事が耐えられないらしいのです。

由紀子自身もなんとかがんばろうと思っているようなのですが…

どうしてもダメです。
(ため息の連続 ハアー! )

そして、とうとうリハーサル。

文化会館のステージでやはり逃げ出してしまった由紀子を見て、
私は開き直ることにしました。

『もういい! 本番で逃げ出しても追いかけるのはやめよう!
コンサートでいい所をみんなに見てもらうことだけが目標では
ないのだから、練習でがんばってきた事だけでもいい!』 と…・。

危険がないように舞台の袖に
逃げ出した由紀子を確保してくれる人を配置して
本番を迎えました。

やはり、舞台に立ってみんなの顔が見えた途端、
我慢できなくて走り出しましたが、
少し離れた所で名前を言う事が出来ました。

そして、私が代わって紹介し終わると
自分から戻って来て、ちゃんとお辞儀をする事が出来ました。

その後のパフォーマンスや楽器演奏は上手に…とはいきませんが、

動揺する事もなく最後までがんばりました。

本来、音楽に独特のこだわりを見せる由紀子は、
コンサートで使われる音楽のほとんどが苦手で、
練習の始めの頃は耳を押さえて
練習場の隅の階段に座って参加するのが精一杯でした。

練習のたびに何回も泣きました。
でも、由紀子自身が『コンサートに出たい。』
そう思っていたのは確かでした。

『コンサートに出るんでしょ?』
の励ましにきちんと反応して少しずつ乗り越えてきたのです。

これで精一杯でした。

由紀子にとって今回のコンサートは大成功だと思います。

自閉症の子どもにとってコンサートはつらい事ばかりです。

練習中のパニックの連続に
こんなに我慢をさせる事がいい事なのか迷います。

でも、苦手なことだからこそ
由紀子のペースを守りながら経験を積ませていかなければ
いけないのかもしれないとも思いました。

コンサートのたびに、いつもこの迷いが私の中に生まれます。


※見て!見て!
七五三の晴れ姿




早生まれの由紀子は今年が七五三でした。

どうですか?
わいいでしょう?

「親ばか」とか「ちょっとふとり気味」という声が
聞こえてきそうだけど、

「お黙り!わがやの姫君であるぞ!」なのだ。

隣りは、おばあちゃんです。
由紀子は「バァーバ」と呼びます。

=END=
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