ウィトラのつぶやき

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ピンとこない政府税調の議論

2011-10-01 09:51:52 | 社会

政府の税制調査会で復興増税の議論が進んでいる。報道される内容を見る限り私にはどうもピンとこない。

野党は増税額を値切るのにエネルギーを注いでいるようだが、そもそも復興債を増税で賄うという考え方に疑問を感じている。今回の災害は予測に無かったものであり、このような死体からの回復に使うのは、税制をいじるのではなく国債で賄うべきだと思う。このブログにコメントをいただいている花のヤンさんが良く言うように、政府が国債を発行して日銀がそれを買う、つまり円の価値を薄めるようなやり方をして復興費用を捻出するのが本筋だと思う。

増税自体に私は反対ではない。現在、政府・地方自治体の借金総額は1000兆円に膨れ上がっており、政府の毎年の予算で税収は人件費と借金の利子で飛んでしまい、ほとんどの政府の活動は国債によって賄われているという状態である。ここに大震災の20兆円が上乗せされたからと言って、「将来につけを残す」、という問題ではないだろう。本質は通常予算のほうにある。通常予算が今の状態を続ければ破綻するのは明らかである。これに対して20年、30年後の状態を考えて増税を考えるのは本筋だろう。復興のための費用をどうやって捻出するか、という議論は本筋からずれていると思う。

私は税金には2種類あると思っている。一つは政府が活動する資金を捻出するために徴収する税金である。これが国家の根幹を成し、どういう税体系になっているかがその国の基本ビジョンを現しているとも言えるだろう。

もう一つは、禁止はしないまでも、民間の活動を抑えたいというものに対する税金である。たばこ税などはそれに当たるだろうし、それまで禁止していたことを許可するときに段階的に税率を下げていったりする。私は投機に対してこの種の税金を検討すべきだと考えている。

いずれにせよ政治家の動きは、与党は「取れるところから取る」、野党は「値切って成果にする」という動きに見えて物足らなく感じている。、


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