ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

アリババのIT化スーパーマーケット

2019-05-15 11:11:32 | 生活

ここ数日、中国に出張してきた。

その間にアリババの運営するスーパーマーケット「盒馬鮮生」の北京のある店舗に行ってみて、印象的だったので紹介したい。

盒馬鮮生の品ぞろえは日本の食品スーパーマーケットとあまり変わらない。規模も食品スーパーとしてはやや大きい程度であるが日本のスーパーと大きく異なる点が二つある。一つは日本の店舗にあるレジが無いことである。正確に言うとレジはあるのだが無人のレジで、消費者が自分で決済端末にバーコードを読ませ、スマホのQRコードで決済する仕組みになっている。完全なキャッシュレス決済である。入り口にも出口にもゲートは無く、自由に出入りできる。決済端末は店の奥のほうにあるので何も買わず見るだけでも全くストレスは感じない。

万引きをどうやって防止しているかというと、店内にカメラが置いてありそれで監視しているそうである。私のような外国人が万引きしてもトレースできるのかどうか疑問に思うが、国民は全員顔写真が登録されているし、外国人も入国するときに顔写真を取られているので、警察に紹介すれば顔認識で判定できるのかもしれない。

Amazonの無人店舗7、Amazon Goでは入店するときにQRコードを読ませて入店者と人物の紐づけを行い、店内ではどの品物を取ったかをカメラで判定し、出口のケートを通った時点で買物完了と判定してクレジットカードから引き落とすようになっている。Amazon Goの場合にはどの商品を棚から取ったかまでカメラで判定しているのに対してアリババではいくつ取ったかを判定しているだけなので決済端末でバーコードを読ませるだけなのだろう。アリババのほうは店舗に対する導入コストを下げている点で中国らしいと感じたが、万引きを完全に防止することは無理だろうと思う。警察に知らせるということで抑止力は働いているだろう。品物の価格と品質に関しては、品質は良く、価格はやや高めだという。

もう一つの大きな特徴はイートインコーナーである。よく広州のレストランなどで大きな水槽が多数用意されており、その魚を見ながらあれこれと注文しておくと、新鮮な魚を調理した料理が出てくるレストランがあるが、アリババのスーパーにも水槽が多数あり、生きた魚を買うことができる。スーパーなので野菜や肉なども当然ある。それを買って調理コーナーに行くと、「30分後に料理ができる」というようなレシートをもらう。それで店の中を見るなどして時間をつぶして受け取りに行くと新鮮な素材を使った料理を食べることができる。

イートインコーナーはレストランのような上品な場所というよりはフードコートのような庶民的な座席の設計になっているが、新鮮な素材の料理が食べられて良さそうに思う。私が行ったときは午後3時近い時間帯だったが結構混雑していた。

更に、アリババの店舗なのでネットで注文できる。半径3㎞以内なら注文してから30分以内に届けるというサービスを打ち出しており、各売り場からの搬送用レールが走っており注文を受けると店員が袋に入れてレール経由で配送所に送るようになっている。おそらくバイク便で運ぶのだろう。

中国の進歩は早い。日本はどんどん置いて行かれるのではないかと心配になった。


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1 コメント

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置いていかれる感 (UCS-301)
2019-05-16 09:22:47
北京へ出張されたということでお疲れ様でございます。チャイナはかつて(2010年頃)ほど景気がよくなくなったと言われますが、経済規模が巨大であるためまだまだ勢いを感じます。現地での実感は如何だったのでしょうか。北京や上海の物価などはすでに東京より高いと聞き及びます。

私もウィトラ様と同じく、日本はチャイナに大きく置いていかれる感じ(心配というより、すでに置いていかれている)を受けます。これは技術力というよりも資本投下やビジネススキームの面が大きいのではないでしょうか。バーコードなどよりも優れたICタグなどの技術もありますが、(資本と思い切りがないため)事業化に踏み切れないということかと思います。

「移民法(改正出入国管理法)」に代表される、人手不足から安い労働力(外国人)を雇うという考え方は全く逆の方向性ですが、ひとえにデフレの影響といえるのではないでしょうか。不況下ですと目先の利益偏重となり、それゆえに後手後手に回るのも不可避かと考えます。
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