「あなたたちに言われたくない」とは何事か !!

鳩山首相の自民党の谷垣総裁に対する国会答弁のことである。 マスコミが叩くだろうと思っていたら、マスコミは叩くよりも面白がっているようなので、黙って居れずコメントしておく。

内容は来年度予算が膨れ上がっていることに対する谷垣総裁からの質問に対する回答の中の一節である。選挙期間中鳩山代表はこの言葉を繰り返していたので、それが出てしまったものだろう。

しかし、自民党の総裁と民主党の代表の議論と、国会における野党第一党の代表質問の対する総理大臣の答弁とは全く性格が異なる。谷垣総裁は野党の代表として「国民を代表して」質問しているのであり、鳩山総理は政府の代表として回答しているのである。

「あなたたちに言われたくない」は気に入らない人からの質問には回答しない、ということを言っている。総理大臣としてあるまじき態度である。 「前の政府の予算はもっとひどかったではないか」というのは完全な問題のすり替えである。警察に捕まった泥棒が「警官だって痴漢するようなやつがいるではないか」と言っているのと同質である。前の政府はさておいて総理大臣として現在の政府の方針に対して回答する義務がある。

おそらく鳩山総理は総理大臣としてではなく、民主党の代表として答えてしまったのだろうと推測するしている。以前、私は「政党のトップと総理大臣は分けるべきだ」と書いたが、麻生総理、鳩山総理と、立場の混同がどんどんひどくなっていくように感じる。それを指摘するマスコミ不在の現在、この国の政治は選挙に勝った政党に私物化されるリスクが高くなっているように感じる。

谷垣総裁の代表質問を全部見ていたわけではなく、ニュースで報じられていた部分からこういうことを言っているので私が誤解している部分があるかもしれないが、それならマスコミの報道の仕方が問題だということだと思う。