ウィトラのつぶやき

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携帯電話料金の議論の仕方に感じる問題点

2015-10-29 15:51:57 | 社会

前回書いた携帯電話料金の議論が始まっている。私は、実際に傍聴したわけではないが、この議論の中身よりも報じられている進め方に危惧を感じている。

一つは「携帯電話は料金は本当に高いのか」という検証がなされる感じがないことである。諸外国と比べて高いわけではない、という意見は出ているし、安い料金プランを提示しているMVNOもあるにもかかわらず、「携帯電話料金のどこが高すぎるか」を探ろうとしているように見える。これは総理が「高い」と言って、大臣に「高すぎるから何とかしろ』と指示を出したので、「高くない面もあるかもしれないが高いと感じるところもあるはずでそれを是正しよう」という事務局の思惑があるように感じる。日本は(日本だけでなくアジアは)このように上司の思惑を察知してその方向に話を誘導しようとする人が多い。これはそのような行動がうまい人が出世することが多いからだと思う。結果として実際にそう思っている人が多くは無くてもそのような意見があふれ、中立だった人もそちらに引っ張られる可能性が高い。最近韓国が日本政府が嫌がるようなことばかりをつつく感じを持っている人が多いと思うが、これなども上司の喜ぶ行動をしようという韓国人の同根の動きだと思う。結果としてトップの発言による日本という国のブレは大きくなる。東芝の社員で不正をよしとする人はごく一部だったはずだが、長年にわたって企業としてはおかしな行動が続いたのもこういった社会背景があると思う。安保法案が成立した現在、総理の発言で国際的な緊張が高まる可能性は一般人が考えているよりはるかに高いと私は思っている。私は安倍総理にはあまり心配していないが、その後にはかなりリスクがあると思う。

もう一つは政府(総務省)が民間の料金という分野に直接口出しをしようとしている点である。一般に官僚はこれをやりたがる。料金が政府の影響を受けるとすれば企業は政府と仲良くしなくてはならない。政府に顔のきく人を雇いたがる。片方で天下り禁止を叫んでも反対側では天下りを助長しているようなものである。これを防ぐのは政治家の役割で、政府が関与をするにしてもできるだけ事業に直接的影響のないやり方にするべきだと思う。官僚がそのようなやり方を見つけてくる可能性は低く、政治家が考える必要があると思う。

携帯電話の料金自体は議論の結果おかしな結論になるとは思わないが、もっと大きな問題が典型的に表れていると感じるのは私だけだろうか?