ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

発電より蓄電

2011-06-27 08:34:17 | 経済

菅総理は「再生可能エネルギー特別措置法案」の実現に執念を燃やしている。これは国民のためを思ってというよりも、自身の総理に地位の延命策だ、と多くの人が語っているし、私もそう思う。しかし、この法案自体が良いことなのかどうかというコメントはあまり聞かれない。だから議論は上滑りで深まって行かない。ここに日本の報道の問題があると思う。

私の理解ではこの法案は太陽光エネルギーなどの発電を電力会社の強制的に買わせる法案である。そもそも、なぜ「再生可能エネルギー」と呼ぶのかが分からない。太陽エネルギー立って使えばそれまでである。過去に蓄積されたエネルギーである化石燃料ではない、ということのようだが、化石燃料だろうが太陽光エネルギーだろうが一度使えば再利用の可能性は同じなので命名した人は良く分かっていない人だと思っている。

それはともかく、この法案はドイツなどでは大分前から実施されているもので、太陽光発電などを促進するのは有力な手段である。しかし、震災からの復興とは何の関係もない。10年単位の日本の産業政策として捉えるべきである。再生加納エネルギーはそれはそれで進めればよい。ただし拙速におかしなルールにならないことには注意する必要がある。

現在の日本の問題はむしろ原発を再稼働できないことによる停電対策だろう。停電対策としては私はむしろ蓄電機の設置を充実させることだろうと思っている。今、電気自動車などで大容量の蓄電池の普及が始まりかけている。このような蓄電池があれば停電の時の一時的な電源としては助かるし、暗い時には発電できない太陽光発電よりも安心感は強いだろう。

電気自動車は世の中のトレンドであり産業はこの方向に向かっている。家庭に蓄電池を置く家庭が増えることはこうした電気自動車の普及の助けになるはずである。エネルギー税策を論ずるならこういった比較を論じてほしいものである。