ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

大臣の責任の取り方はあれで良いのか

2009-02-20 09:11:15 | 社会

昨日に続いて中川大臣の「酔っ払い記者会見」の話であるが、今回は異なった視点からである。

結局、中川氏は大臣を辞任したのだが、私は大臣を辞めるほどの話か、と疑問に思う。会社の重役だって二日酔いで会議に参加することもあるだろう。それで叱られることはあっても退職させられることはまずないと思う。叱られても改まらずに何度も繰り返した時に退職となるのが普通だろう。

昨日も書いたように、私は「辞めさせる」ではなく「叱責する」が妥当な措置であると思う。しかし、総理、自民党、野党、マスコミを含めて皆が「辞めさせる」か「お咎めなし」かの選択肢しか議論されなかったように感じている。

野党は本来ならば国政を正しく運営するためのお目付け役のはずである。その野党が「ここで大臣を変えることがより国民のためになる」と考えて行動したとはとても思えない。

今の大臣はただ官僚機構の上に乗っかって「よきにはからえ」と言っておれば済むような状態ではない。官僚から上がってきた提案をきちんと吟味して場合によっては別の動き方をさせることが必要なことは野党も主張している通りである。そのためには大臣をころころ変えるべきではなく、一度任命したら任期期間内はできるだけ継続させるべきである。

それにもかかわらず野党が大臣の辞任を要求して審議拒否するなどは、国民のためを思ってではなく政府を困らせて自分が権力を奪取しようとしているとしか思えない。

マスコミがまた問題である。こういう問題があるとすぐに「辞めるのか」と聞きまわって他の考え方を引き出そうとしない。野党の動きは国民のためにはならないけれど野党自身のためにはなる。人間は自分のためになることを最優先しがちな動物なのでそれをチェックするのがジャーナリズムのはずである。

昨年から何度も書いているが、マスコミの質の低さがこの国の政治をゆがめていると思う