ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

麻生政権の末期症状

2009-02-18 08:37:50 | 社会
もはや誰の目にも明らかなほど麻生政権が末期症状を呈している。

このブログの読者はお分かりと思うが私はマスコミに比べると麻生総理を高く評価してきた。発言にブレはあるもののやる気と実行力はあると思っているからである。しかし、その私でも「こりゃもうダメだ」と思うようなことが最近立て続けに起こった。

ひとつは「自分は郵政民営化には反対だった」という発言である。郵政民営化は何年も議論されてきたが、その時期に総務大臣も務めていた人である。反対だったらなぜその時反対だと言わなかったのか。このブレは総理大臣としての信用をなくすほど大きな問題だと思う。

おそらく麻生氏自身は郵政民営化に強い思い入れがなく本心では「自分としてはどちらでもよい」と思っていたのでその時々で都合の良い発言をするのだろう。彼の発言でブレないのは消費税問題でこれには彼自身の思い入れがあるのだろう。しかし、それではトップの器ではない。

マスコミは小泉元首相が麻生総理を批判したとか言って騒いでいるが、「郵政民営化いのち」でやってきた小泉元首相としては当然の発言である。それで政局流動化とか言って騒ぎたてるのは自分に物差しを持っていないからだと思う。

もうひとつは、辞任した中川財務大臣の「酩酊記者会見」である。酒を飲むことが良くないのではない。誰が見ても「酔っ払いのおじさん」としか見えない状態で記者会見を行うのや良くないのである。

映像を見ると少なくとも3人は会見に臨んでいる。他にスタッフも大勢いたはずである。本人が酩酊状態だったらどうして周囲は「大臣の体調が悪い」などと言って会見を延期しなかったのだろう。海外のメディアは大臣の資質を問題にするよりも「スタッフに人材がいないな」と思ったことだろう。

この問題に対する麻生総理の扱いも不適切である。辞任させないで職に留まらせることは構わない。しかし、醜態をさらしたことに対して叱責すべきである。減給措置を取っても構わないと思う。閣僚が組織として機能していない感じがする。これが政権末期症状の根拠である。

マスコミの報道はここでも稚拙である。どれだけ酒を飲んだのか、ばかりに目線が行っている。そのほうが面白いからだろう。酩酊状態で臨んだがゆえに受け答えがどうおかしかったのか、その結果、本来国民に伝えるべきことが伝わらなかったのではないか、というのがジャーナリズムとして検証すべきことだと思うが「のぞき見趣味マスコミ」に期待してもしょせん無理かもしれないと思う。

写真はイタリア、ナポリの近くのソレントの街並みである。港町なのだが、街自体は絶壁の上にある。港から町に上がる道は細く、海上からの敵の侵入に備えていたことが伺える