昨日は銀座でのレッスンの帰り、近頃皆さんのブログでえらく評判のミュージカル映画「レ・ミゼラブル」を見る事にした。水曜日でレディースデイだったし。
フランスの歴史を描いた映画なのに、しゃべってるのが英語・・・という不思議さはさて置き、死ぬ直前の人が大声で歌う不思議さもさて置き、優れたスタッフと俳優による戦略的力作です。
特撮やCGを使っているのだろう。スケールの大きさも圧巻。
満席とはいかないが、かなり人気の映画らしい。
そもそも原作はヴィクトル・ユーゴーだから政治的映画でもある。
フランス革命を通過しているフランスは同時にバリケードの国でもあると思う。
確か1968年の5月革命の時にも車を横倒しにしてから築いたバリケートで、学生たちが闘ったのではないかと思う。
バリケートを作るのに、近所の家の窓から家具を落としたりするんだ・・ということが、この作品で分かった。
民衆の貧しさ、不潔さ・・の描写は「乞食オペラ」を思い出させるが、この作品は徹底的に犠牲的「愛」を描いている。
だいたいどんな経過があろうと、パン1個盗んだくらいで19年も投獄されることの異常さに加えて、それをしつこく追い詰めるジャベール警部のS的要素。開き直るどころか、生涯罪の意識が消えないジャン・バルジャンのM的要素。
「法」と「正義」を天秤に掛ける時代の異常さ。「法」=「正義」ではないらしい。
そういう歴史を踏んで人間は学んで来たのだわと思わせる。
泣きどころはたくさんあるのだが、まずは社会から排除された罪人ジャンバルジャンを受け入れ、盗んだ礼拝道具は彼へのギフトだと警察に弁明し、それ以上に一番値の張りそうな銀食器まで与える神父の信仰深き行動には泣かされる。
こんなことができるか。世界のクリスチャン。
わたくしにはできないと思います。
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