ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

フェイク・ドキュメントという作品スタイル

2007-03-11 | 映画
あの「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」でおなじみのフェイク・ドキュメントという手法であるが、まあ、「ノロイ」などは成功例なんだろうなと、今回改めて納得した次第である。

女呪霊(じょじゅれい)」

冒頭製作会社のBBSへの書き込みから、製作スタッフに送られてきた携帯動画に、何か奇妙なものが映っているとわかる。それは某民放局のドキュメンタリー番組に関係があるらしい。そして、製作スタッフはそのお蔵入りになって遂に放映されることのなかった「番組」のマスターテープを入手した。

裏ビデオにまつわり、その製作・出演・販売という立場で「裏社会」に生きる若者を描き出すのが番組の主旨だったはずが、一本の裏ビデオにありえない映像が収められていたため、そこから番組の内容が曲がっていってしまうのだ。

ラブホテルの一室。張り型(ディルド)を持つ女子高生。天井の鏡に、ベッドサイドに、中空に姿をあらわす女の幽霊!

霊能者によれば、大変呪わしく、製作者にも事情を聞かねばならないという。

ヤクザ者に脅されながら、遂に同じシリーズの裏ビデオの監督を見つけ出す。

「ディルドの女子高生」は撮影の三日後に電車に飛び込み、バラバラになって死んだという。スタッフはその監督に無理やりそのビデオを見せ、映りこんでいる霊がシリーズ1本目の女優に似ているが、と問い詰め、その行方を知りたいという。剣呑な雰囲気に変わった監督はスタッフを追い払いながらも、やはりその女も死んだと認める……。

とんでもないフェイクである。

あんなものが「心霊映像」であるわけがない。

そして、この作品の下敷きになっているのはあの「2Chオカルト板」で有名な「心霊AV」なのではないか? この作品の「心霊映像」中での「ベッドサイドの霊」の雰囲気があれにそっくりだし。

いやいや。実につまらないものを見てしまった。正直な感想です。

竜(ドラクル)騎士団のブラド大公は、いかにして血の呪いを解き放たれたか。

2007-03-09 | 映画
ドラキュラ」Bram Stoker's Dracula

フランシス・フォード・コッポラの傑作であるが、四つの要素を指摘すれば作品の輪郭は明白になるだろう。

第一の要素。
プロローグにおいてドラキュラ伯爵(ゲイリー・オールドマン)の「実像」といわれる「ブラド(串刺し=ツペシュ)公」の「聖十字架の騎士」として、トルコ軍に対して無慈悲なほど勇猛で、残酷な姿を紹介しつつ、エリザベータ(ウイノナ・ライダー)という妃の自殺を契機に神を怨み、生命の源である血を啜る魔物に変わるという「虚構(フィクション)」の場面を挟んで、後のミナ(ウイノナ・ライダー二役)との因縁を提示する。

第二の要素。
ジョナサン・ハーカー(キアヌ・リーヴス)のトランシルバニア訪問からドラキュラのロンドン来訪までの場面。
これらの場面は根本的にF・W・ムルナウ版「ノスフェラトゥ」に則しているといえる。指の、爪の長い魔人としてのドラキュラであり、禿頭ではないが、老けた顔に奇妙な形に結った白髪の怪人としてのドラキュラである。かの表現主義の映像を推し進めたかのような演出である。手前のドラキュラと背後のその影の動きが違うなど、結構「そそる」場面がある。ただ、「ノスフェラトウ」では省かれた三人の魔女の場面が描かれていたり、ドラキュラの棺など(引越しの荷物)を運ぶデメテル号の「難」もかなり象徴的に描かれている。

第三の要素。
原作の人物を遺漏なく登場させている点。
「ノスフェラトウ」ではルーシー・ウェステンラとその夫、それ+(プラス)ヴァン・ヘルシングという具合に省略されていた人物を原作どおりに復して、原作の見せ場を遺憾なく盛り込んだ点。アーサー・ホルムウッドとキンシー・モリスとジャック・セワードのルーシー・ウェステンラを巡る恋の鞘当と、ドラキュラの襲撃、ヴァン・ヘルシング(アンソニー・ホプキンス)の登場、輸血治療などである。

そして、第四の要素。
オリジナルな展開としてその吸血鬼討伐部隊がトランシルバニアのドラキュラ城まで魔人を追ってくるところ。ラストのミナによる「伯爵の慈悲死」は「ノスフェラトゥ」における「貞女の自己犠牲」とは意味あいがかなり違う。

序盤近くに示されたバートン版「千一夜」のエロティシズムに対し、過剰なほど憧れと嫌悪を示すルーシーとミナの描写において、閉ざされた性と狭苦しいモラルの提示が効果的である。終盤、神の祝福のもとにジョナサンの妻となりながら、闇のくちづけのせいばかりでなく、ドラキュラへの愛を語る(=神の前の誓いを破る不貞な)ミナの前で、遂にジョナサンは(仕方なくか、もはや力なくか)その幕引きをミナに託すわけだ。これはどの作品とも決定的に違っており、プロローグから予想されるものともおそらく異なる要素であろう。

よく錬られたシナリオ、よく計算された演出の作品である。

未見の方は必見。忘れた方は必再見。

ミスター・ビッグの大雑把な英雄(ヒロイック)魔界譚(ファンタジー)

2007-03-07 | 映画
ミスター巨人軍(ジャイアンツ)は長嶋茂雄。

ミスター・声(ヴォイス)はフランク・シナトラ。

では、ミスター巨大化(ビッグ)は?

……答えはバート・I・ゴードン監督である。

「戦慄! プルトニウム人間」THE AMAZING COLOSSAL MAN、「巨人獣」WAR OF THE COLOSSAL BEAST、「吸血原子蜘蛛」EARTH VS. THE SPIDER、「巨大生物の島」THE FOODS OF THE GODS……など、とにかく人間でも生き物でも、何でも巨大化するからこその呼び名を持つ監督だ。

で、バート・I・ゴードン作品の中では「巨大化」ネタではない、なんとヒロイック・ファンタジー映画の先駆ともいうべき作品が

魔法の剣」THE MAGIC SWORD である。

むかしむかし、わたしが中学生のころ、よくNET(現テレビ朝日)の洋画劇場でやっておったのだよ。(しかも、日曜のじゃないやつね)。

今日ね、ボリス・カーロフの「フランケンシュタイン」(500円)と一緒に「エンブリヨ」(380円)と「魔法の剣」(380円)を買っちゃいましたよ。

で、見ました! 久しぶり。

うん。作りこみは実に大雑把。展開にもアラがあって、突っ込みどころはあるのです。

それでも魔力を秘めた剣、魔法で集められて時を停止されていた世界有数の6人の騎士(主人公の「弾除け」役で次々に死んでゆく。ゲームの「MOTHER」でいえばバードマンみたいな存在。しかも、ラストであっさり生き返る!)、捕らわれたお姫様、悪の魔術師、それと同じくらい悪い悪の騎士……。

ネタはきちんと押さえられている。

本編80分というサイズもテレビ放映にぴったりで、今回息子と笑いながら見るのには最適だった。

実に懐かしく、楽しめた。蜘蛛の化身の妖怪女もよかったし、主人公ジョージの育ての母の魔女も、ボケ具合が絶妙だった。

レンタル値段でパッケージがついてくると考えれば本当に損のない買い物。

1962年作品だが、今も製作され続けている変なファンタジーよりはよっぽど面白いぞ!

メタ・フィクションな吸血鬼映画!

2007-03-06 | 映画
シャドウ・オブ・ヴァンパイア

脚本のスティーヴン・カッツが10年ほど前に「吸血鬼ノスフェラトゥ」を見て、そのドキュメンタリーばりの演出に惚れたという。それで、「ノスフェラトゥ」の監督のムルナウが本物の吸血鬼と契約していたという「奇想」が浮かんだんだそうな。

フリードリッヒ・ウィルヘルム・ムルナウを演じるのはジョン・マルコヴィッチ。そして吸血鬼オルロック伯爵ことマックス・シュレックを演じたのがウイレアム・デフォー。このふたりがクライマックスでは虚虚実実の駈け引きを展開するから怖ろしい。

それから、本作、オリジナルの再現ぶりも嬉しい。

やはり、オリジナルを見てからこの作品を見るべきだろうな。

本日第115回卒業式

2007-03-05 | Weblog
本日第115回卒業式です。

(何しろ、創立135年を迎える学校なので)。(1872年、「私塾」だったころは卒業式がなかったんだろうね)。

私の今日の役割は「指揮」。

一同 礼!

っていう号令です。

本日は軽く「TRICK新作SPECIAL」を鑑賞!

2007-03-04 | ドラマ
「TRICK新作SPECIAL」

堤幸彦監督の悪ふざけは、いやいや、酷いな。

それでも、「劇場版TRICK2」よりはマシだったように思う。

「金田一少年の事件簿」のオリジナル化が「ケイゾク」だと思う。そのさらにマイナーチェンジが「TRICK」であったはずだが、もう、悪い意味での悪ふざけにオチてしまった感がある。

それでも、この「SPECIAL」ではとても懐かしいモノを見せてもらった。

ウンニャニュペーギュー星人!

感動した。

そう、この「宇宙人」の正体は!

「新生トイレの花子さん」の赤いジャージの少年亡霊! そうお、あの亡霊である。

明日はもう少し時間的な余裕があるかも。

2007-03-03 | Weblog
「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌」

本日鑑賞中の映画は「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌」です。

事件の構造そのものが「オールスター」を構成し得るように、設定できる真犯人となると、結局「あのひと」なのでは?

と、まあ、オチを楽しみに最後まで鑑賞したいと思います。

時間的余裕を見つけてもう少しまっとうなレビューもしたいと思います。

一昨日のレンタルDVD。

2007-03-02 | Weblog
「仮面ライダーカブト」5巻。
これは先ほど見終わった。ドレイクのさよならゴン編とサソード登場編。うーん。あまり面白くない。4話とも井上シナリオね。

「機動新世紀ガンダムⅩ」3・4巻、「桜蘭高校ホスト部」4巻、「NHKにようこそ!」1巻。以上アニメ作品。

「海猿」「県庁の星」日本映画。

見る時間を作らねば。