ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

激烈に忙しい日々の合間、「猟奇的な彼女」を再見。

2006-10-10 | 映画
可笑しくてやがて悲しき……。

くすぐったいほどの可笑しさを味わううちに、

「彼女」の抱える悲しみに気付いていく。

冒頭に振られている伏線が忘れたころの、ラストのラストで見事に結実する。

スピルバーグだったか、リメイク権を獲得しているはずだが、「イルマーレ」のように、微妙なハリウッド・テイストになるのだろうか、と想像しつつ、見た。

「僕の彼女を紹介します」との連続鑑賞を、そのうち試みようか?

レビューはそのときまでお預けとしたい。

PDA、これでトドメだ! Genio e830wを買ったぞ!

2006-10-07 | Weblog
この夏購入したe740wが突然、無線LANユニットを認識しなくなり、購入店ソフマップの中古ワランティにて修理を依頼、「買値同額」までは面倒を見てくれるその制度を1万円弱越える見積もりに、ポイントによる変換を申し込んでいた。

ポイントに、更に1万6千円を足して、買っちゃいました、e830w!

CPUがIntel PXA272 プロセッサ 520MHz 

内臓メモリ 128 MB(SDRAM) 、 64MB(Flash ROM)

無線LAN(IEEE802.11b準拠), Bluetooth(ver 1.2準拠)

機能はPDAとしてはトップランクだ。

まあ、最新で販売されているPDAといえば、もはやDELLのAximか、SHARP(というかウィルコムの)W-ZERO3くらい。そしてちょっと前の機種ではこのe830w以外では同ランクのHpのヤツとPocket Looxのヤツくらいしかなかったのだ。

箱未開封の実質新品!

嬉しいな。

10月はわたしの誕生月なのだが、この季節はブラッドベリの季節だなぁ。

2006-10-04 | 映画
秋である。

レイ・ブラッドベリの秋である。

何がなし、物悲しいような、胸を締め付けられるような季節なのである。

少年時代との決別、子ども時代という甘やかなものへの限りない愛惜……。

そう、思うと「何かが道をやってくる」が読みたくなり、また、見たくもなる。

そう、このディズニー印の映画は日本DVD未発売なのだ。

レビューは先送り!

おーい。DVD出してくれよ~。

CW(コミックス・ウェーブ)フィルム作品集というDVDのうち、

2006-10-03 | アニメ
「惑星大怪獣ネガドン」と「はなれ砦のヨナ」を見た。

コミックス・ウェーブってなんだ?

……で、ネット検索しましたよ。

http://www.comixwave.com/index.html

Contents+Mix Wave さまざまなコンテンツ(Contents)を新しい市場に多角的に融合(Mix)することで新しい市場に大きな波(Wave)を起こすことをイメージ。

結局、なんだ、といえば有名漫画家も、途上イラストレーターも、ここで契約してプロデュースしているということね。

そして、このDVDはその契約映像作家三者(粟津順、竹内謙吾、YAMATOWORKS)の作品集というわけだ。

実際には、ネット上の特撮ファンに話題だった「惑星大怪獣ネガドン」を見るために借りたのだったが、とりあえず「はなれ砦のヨナ」も思った以上に面白かったな。

まだ「カクレンボ」は見ていないが、これは、キッズステーションかどこかで放映されたのを一部見ていて、ただならぬ作品とわかっているから、日を改めて見てみましょう。

CGアニメ、時間と技術が許せば少人数で最大の効果を上げられ映像表現の手段であるということは間違いがないね。

「惑星大怪獣ネガドン」:昭和百年(2025年)という、単純計算ではまだやってこない近未来。しかし、円谷カラー、東映カラーな、真っ青な宇宙に、レトロなロケット宇宙船が飛び交うわりに、CGで描きこまれた爆発は、その模倣する昭和特撮を簡単に凌駕していてアンバランスな「惑星大怪獣ネガドン」。怪獣映画50周年作品と称しているので、もちろん「ゴジラ」(昭和29年。1954年)に捧げられた作品と理解すればよい。ロボットのドリル、命を賭した科学者……感動した。感動したとも。しかし、世間様の絶賛は得られないだろうな。こんな作品、マニア以外「何が凄いか」が理解できないじゃないか!

「はなれ砦のヨナ」:RPGゲームのインサート・ムービーだよね、悪く言えば。しかし、面白かったよ。それは「ヨナ」がかの「ダーククリスタル」マペットのフィアナちゃんばりに愛らしいからでしょう。意図的に「短編」としてまとめたらしいので、この「世界観」もすべては提示し切れなかったのであるが、まあ、コンピュータRPGゲームばりにはしっかり設定されていそうだ。これこそこの発展系の長編が見たいと思った。

さて、あと一本は……いつ見ようかな?

ラ・ルージュ・エ・ル・ノワール! カレカノの赤。エヴァの黒。

2006-10-02 | アニメ
エヴァが10周年を機に「完結」に向かうとかいう戯言(たわごと)を傍(はた)に、「彼氏彼女の事情」のDVD第1巻を見た。

実はきちんと見るのは初めてだったのである。

面白いねぇ。

これは、ストレートに、登場人物の「心象」と「独白」が作品そのものを支えているではないか!

エヴァでは使徒とかATフィールドとか、もっともらしい記号によりいわば「無効化」されてきた「心象」と「独白」の、妙に際立った微私性が、ここでは迷いなく、遺憾なく機能していて、安心して見ていられるじゃないか。

そういうことでは、わたしは信用しないのである。エヴァはあの25・26話で本当に完結しているのである。

劇場版二十五話二十六話が、その再話そのものである。

だから、「死海文書」だの、「ゼーレ」「魂の座」だの、もっともらしいキイワードを巡る謎に対し、観客が納得するような「真実」など、決してありはしないのだと、そう思うのだ。

エヴァの、後ろ向きな「わたしの心象」に、カレカノの後ろを向いては終われない「わたしたちの心象」を重ねて、あのころの庵野監督の描きたかったことは、ここにおいて一定以上には至っていたのだと、やはり、思うばかりなのである。

「ほえる犬は噛まない」なら、「噛む犬は咆えない」のか?

2006-10-01 | 映画
ほえる犬は噛まない」(ボン・ジュノ監督)を鑑賞した。

殺人の追憶」の、「グエムル~漢江(ハンガン)の怪物~」のボン・ジュノ作品だ。なにがなし、事件が生じることを期待したが、日常のわずかなずれに、人間の悲哀が浮かぶような、それでいて、結局は日常の力強さに安心するような、そんなドラマである。

ペット禁止の集合住宅。大学の文科系非常勤職員(結婚したい職業50の、見事最下位で、もっとも結婚したくない職業の栄誉を得た!)であるユンジュ(イ・ソンジェ)は、身重の妻の尻に敷かれつつ、教授の道が開かれるのを待つ生活。最近は妻のわがままに、彼のイライラも募るばかり。それなのに禁止のはずのペット犬の鳴き声がどこからか響いてくる。これと目星をつけたシーズ犬を浚って殺そうとするが、殺しきれず、地下室に放置してきた。その夜、さえない研究室の同僚たちとの飲み会の後、先輩から耳寄りの情報が! 教授の道を約束されてドイツ留学から帰った男が事故死したため、そのポストがひとつ空いた。しかし、教授会の有力者を買収するには、1500万ウォン(150万円)掛かる。それでも教授への道が開けるなら、そんな金は端(はした)金だろう、と。

集合住宅の管理事務所に勤めるヒョンソ(ベ・ドゥナ)は住民の小学1年生の女の子に頼まれて、行方不明のシーズ犬の捜索願ポスターを貼ってまわる。そのポスターには「声帯切除のため咆えません」とあった。

ポスターを見たユンジュは慌てる。夜の地下室に、閉じ込めた犬を探しに来るが、折もおり、初老の警備員(ピョン・ヒボン)がとんでもないことを始める。鍋を用意し、犬鍋を始めようとするのである。(*食犬の習慣がもともとある韓国では、ただ犬を食べるだけでは異常なこととは言えないようだが。)警備主任もやって来て、さすがに、その場で犬鍋は始められなかったが。(この間、壁に埋められらたボイラーマンなどという怪談が語られたりもする)。

ユンジュはほえる犬が別の犬であったことから、今度はそのミニチュア・ピンシャーを浚う。そして、住宅の屋上から投げ棄てる。その光景を目撃したヒョンナムは、そのとんでもない男を捕らえようと追う。しかし、わずかな差で逃げられてしまった。

ユンジャにとっての皮肉は犬の姿で現われる。妻がトイ・プードルを買ってきたのだ。世話を押し付けられ、辟易としていたユンジャの前から、文字通り煙に巻かれた瞬間に、その妻の愛犬は消えてしまう。ユンジャを呆然とさせたのは妻の次の言葉だ。「いつまでも身重の女を雇っておくほど、会社は甘くない。わたしに支給された1600万ウォンほどの退職金。わたしが自分の贅沢なんていままでしたことある? 40万ウォンで買ったのがあの犬。残りはあなたの大学教授の夢を叶える買収費用のつもりだったの!」

捜索願ポスターを挟んで、ユンジャとヒョンソが出会うが……。

*大事件は、起こらない。しかし、中盤で、「退屈な毎日を逃れて山でも登りたいね」を、実現しているヒョンソと、大学教授の夢を叶えたユンジャの姿で、作品は終わる。*

*ベ・ドゥナって、誰かに似ていると思ったら、どことなく遠藤久美子(エンクミ)に似ているのね。*