発売中の「遊穂山おろし純米」(火入)は平成十九年酒造年度のものです。
っていうと、平成20年の3月頃に搾られたお酒で、
火入れをして1年間タンクで貯蔵、
加水して、火入れをして、瓶に詰めて2年間の瓶貯蔵、
つまり3年熟成酒でございます。
熟成に伴い、瓶の中ではお米や麹の成分に由来するオリが発生します。
3年も熟成していくと、“ゆらゆら”と浮遊しております。
写真ではちょっとわかり難いです。
このオリは熟成すれば自然とそして必然と発生する
(発生しないような造りの日本酒は熟成しても・・・)、
呑んでも全く害の無い物であります。
が、除去をする方法もあります。
しかしながら除去(“おり下げ”と言いますが)をするということは、
オリ下げ剤を使用して炭素を用いたろ過をしたり、
非常に細かい特別なろ過機を通したりするんですね。
つまり“オリ下げ”をすることで、長い熟成期間によって培われてきた
日本酒の旨みを取り去ってしまうんですせっかくのお酒が・・・。
という事で、味わいを最重要視します「遊穂」ではオリ下げを行っておりません。
だからオリが浮遊しております。
“オリの浮遊は美味しさの目印ですよ”
ちなみに燗酒にするとこのオリは消えます。(温度が下がるとまた出て来ますけど・・・)
さらにちなみに、私はこの「遊穂山おろし純米」が好きな遊穂のお酒の中の上位にありますので、
お酒の会のアイテムにほぼ毎回含めます。
熟成によるお酒の色にまずお客様は反応されます。
好き嫌いがはっきり分かれるお酒かな?と私は勝手に思っているけれど、
総じてお客様の反応が一番良いのもこの「山おろし純米」なんですよ。ほんとーに。
「テレビ観ながらチーズをアテにこれを呑んでると、
だらだら・・・だら・・・だら・・・呑めちゃうんですよ。」
って申し上げると
「ワカル!そうだよね」って仰ってくださるお客様が多くって、か・な・り・蔵元冥利に尽きる感じです。
常温が私は好きですけど、
燗にするなら熱めにして、燗冷ましがお奨めです。
紫外線や光さえ気を使って頂ければ、開栓したって冷蔵庫に入れなくて大丈夫。
管理も楽な優等生です。
お料理に幅広くあうし、原酒ではないから体も楽だし・・・
アミノ酸たっぷりのアミノ酸飲料でもあったりして・・・。
火入熟成の日本酒の魅力をもっと知ってぇ~
あしからず・・・
~番外編~
もう4月の事ですけど、よこちんTが自作プリンをお土産にくれました。
バニラビーンズがいっぱいやぁ~(高いんだよねぇ、これ)
ひっくり返した感じ。ロックンロールdayo~
これはモロゾフに勝るとも勝るプリン、
星3つ。
このお互いのギャップをどのように埋めていくかが、
今後の日本酒復権の鍵になるかもなあ~・・・
なーんて、昨晩55の火入れと生酒を飲み比べながら、
ふと思いました(笑)。
生酒も良かったけど、55の火入れ、素直に美味しかったですよ。
去年の呑み切りの時は21BYがいいなあーと思ってましたが、
現在の20BY、ぐぐーん!といい子に成長してきましたね。
初めて55の火入れを飲んだ時のことを、ふと思い出した
6月1日の夜だったのでした。
家では現在、純米・純吟55・山おろしをとっかえひっかえ、毎晩“ひとり酒”で楽しんでます。本当に“ひとり”だけど楽しいです。
「あえて私達は生を止めました・・・“火入れ酒オンリー宣言”!」
を出すのはいかがでしょうか(笑)でも日本人って、生が好きですもんね。
お酒はもちろん、お刺身といい、噂のユッケ(苦笑)といい。例の焼肉屋さん、結構頻繁に行っていた知り合いが
多く、必ずユッケを食べてたそうな。
もちろん子供も・・・(怖)
生よりも火を通すことで、より美味しくなることのほうが多いんですけどね。
“ひとり”そんなに強調しなくてもちゃんと分かってます(笑)
そうそう、金沢の某ホテルにスポットですけど、遊穂の純米を
置いていただいたので、今度飲みに行きます?
でも純米生の22号がそろそろ終るので、今日は23号生を持って帰って試飲します。「ひとり」で。