ぽかぽか容器

元バレー坊主。

抗菌 除菌 殺菌

2016年11月24日 | 日記
いつ頃からなんでしょうかね?

洗面所や、トイレ、風呂などの水周りに
「抗菌」加工された素材が使用されるようになりました。
(※現在は、水周り以外の家具や小物などでも)

そのうち、石鹸などの洗浄剤が「除菌 殺菌」の効果を謳うようになり、

最近では、もう、家中の除菌を勧めるような、除菌グッズが溢れ返っています。


今では、例えばポンプ式のハンドソープのボトルの、
そのプッシュボタンの所が汚染されていて汚い、とか言われています。

他にもCMで、お友達を招待した女性が、テーブルを水拭きしたら、
その招待された側の友達女性が「まだ水拭き? 雑菌だらけなのに…」
と、あからさまに嫌悪感を顔に表して、テーブルには雑菌がうようよ動くCG。



まあねぇ…


住まいや身の回りを、清潔に保つことは間違ってないと思います。


ただね、こんなこと続けてたら、
遠い将来、もう、防護服なしでは生活できないほど、
人間本来の菌に対する耐性能力が退化してしますような気がするんですけど、
どうなんでしょうか?


幼少の頃、私の母はとてもきれい好きだったので、
見た目には、常にとても清潔に保たれていました。
そう、あくまでも、現代の基準に照らせば「見た目には」です。


掃除が行き届いていたので、目に見える範囲に埃などは落ちていなかったけど、
食事をするお膳は水拭きだったし、水周りは、拭き掃除はされていたけど、
掃除のたびにアルコールで殺菌なんてしていなかったし、
手を洗うのに使用する石鹸だって、特別殺菌作用などありませんでした。


だからって風邪などほとんどひかなかったし、
腹を壊したり、原因不明の体調不良なんてなくて、健康そのものでした。


大昔から、人間は菌と共存して生活してきたんじゃないんですかね?


いや、そりゃ、赤痢だのコレラだの、他にも食中毒を起こすような菌は、
共存できるようなものではなく、細菌という概念のなかった時代には、
高い致死率の、原因不明の流行病として恐れられていたようですが、

このような時代(治療法が確立されていない時代)でも、致死率が100%ではなかったということは、
人間が、本来持っている免疫力で、菌に打ち勝ったということではないでしょうか。

あ、いや、罹患した患者の致死率が100%でなかったかどうかは、
正確なデータに基づいているわけではないですが、
少なくとも、人間が全滅しなかったということは、
罹患した人と、しなかった人がいたということでしょう。


感染力の強い風邪が流行している環境、
例えば、職場などで、複数の人が風邪を引いている状態でも、
その風邪に感染しない人もいます。

インフルエンザが爆発的に流行している環境で、
予防接種をしていなくとも、罹患しない人もいます。


こういうことが、人間本来の免疫力のおかげではないかと思うのですが、
どうなんでしょうか?


手を洗うという行為に対して、専門家の中には、
手の洗い過ぎを警告する方もいます。

いわく、手(に限らず恐らく全身に)には常在菌というものがあり、
人の肌に対して、有益な働きをするらしく、
過剰な手洗いは、それらの常在菌を洗い流してしまって、
言わば、手のバリアを剥がしてしまうような恐れがあるのだそうです。


また、日常生活の環境を、完全な無菌状態にすることは不可能で、
肉眼で見ることが不可能なだけで、
我々が呼吸をするために必要な空気中にだって、
チリや埃、ウイルス、細菌、花粉など、
実に様々なものが浮遊しています。


そんな環境に在って、例えば、前述のテーブル拭きにしたって、
どれほど殺菌力の強い薬剤で拭きあげたとしても、
そのテーブルが置かれている部屋が無菌状態なわけではないから、
どれほどの効果があるのか疑問です。



ただ、現代には、過去には存在しなかった、
恐ろしい感染力を持ったり、薬剤耐性を持つ細菌やウイルスが発見されています。

劇症性が顕著なウイルス性疾患もあり、
だからこそ、抗菌、除菌、殺菌などの取り組みも、今までと同じではいけない、
という事情はあるかと思います。


ですが、日常生活の範疇に於いては、完全な無菌状態が確保できない以上、
部分的に過剰な菌の弊害を訴えて商品を売ろうとする行為は、
商業戦略に過ぎない気がするのですが、

いかがでしょうか?




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