娘が入院した。
いや、娘を入院させるしかなかった。
病気のせいなのか、それとももともとの性格なのか…。
いろいろ、いろいろ、いろいろありすぎて、
とりあえず距離をおかないと、ヤバイことになりかねないな、と。
人生とは苦難の連続が当たり前なのかもしれない。
「普通に暮らすこと」それが当たり前だと思っていたし、「平穏無事」であることが当然だと思い込んでいた。
アダムとイブが禁断の果実を食べてしまったせいなのか、それとも神様が人々に試練を与えているのか。
「人生は良いこと半分、悪いこと半分。」と美輪明宏さんは言っていたけど、どん底のように思えてもそれは悪いことが先に訪れただけで、実はこれから先に良いことが舞い込んでくるのかもしれないと自分に言い聞かせてきた。
様々な難問や難局が何度も訪れてもかろうじて玉砕せずに生きてこられたのはネットサーフィンをして「ココヤク」という薬剤師専用サイトをみつけ、「ブログ」で心の垢を吐いたり、たくさんの方々に読んでいただいたり、励ましていただけたおかげかもしれない。
言葉とは不思議なもので、人を勇気づけたり、励ましたり、元気にしたり、喜ばせたりする力がある。
しかし、使い方を間違えると、人を傷つけ、窮地に追い込み、最悪死に至らしめたりもする。
言葉とは発した人の真意が伝わるもの、と思われているけれど、残念ながら受け取る側の気持ち次第でどのようにでも変化してしまったりもする。
「猜疑心」
大学時代に、患者心理学でこの言葉を聞いたときになんじゃらホイと思ったけれど、
人は心が疲れているときに「猜疑心」を抱きやすい。
何度も何度も他人から裏切られたり、騙されたりすると疑り深くなるのは自然の流れだ。
「猜疑心」
他人に抱くのなら、その人と会わなければもめ事を回避できるかもしれない。
何事もなかったかのように普通に振る舞って、心の中で「くそーっ。コノヤロウっ。」と叫んでいれば表向きは丸く収まる。
でも、
家族に対して「猜疑心」を抱いてしまったら…。
娘が「恋人ができたの。結婚するの。」と言うから、「統合失調症の恋愛癖なのでは?」と疑いながらも母としての気持ちが勝ってしまって…。
その気になっちゃって…
めちゃくちゃ喜んだんだ。
でも、
ある日auの請求書を見て、度肝を抜かれた。
auおまとめ決済の金額が高額過ぎたんだ。
忙し過ぎて請求書チェックとか家計管理とかおろそかになっていた隙をつかれた。
「何に使ったの?」
しらじらしく娘に聞くと、
「楽曲買ったり足りないデータを買ったのかな。」と。
データは使い放題のプランだからゲームをしたり動画を見たりしても足りなくなることはない。
「家のネットの調子が悪いからかも。」
Wi-Fiに繋がらなければ確かにデータ容量が足らなくなるかもしれないけれど…。
ここのところ娘はヘッドセットをつけて手にスマホかタブレットを持ち、忙しそうだった。
誰かとスカイプで話したり、夜中に盛り上がったりもしていた。
ある日、急に笑わなくなった。
「彼氏と喧嘩したの。浮気された。」と。
ある程度はなぐさめたり、アドバイスしたんだけど忙しくてテキトーに聞き流してしまった。
母の施設でコロナが流行り、PCR検査で陽性との連絡があって、「ラゲブリオ」を使うからなんたらかんたらとの主治医からの電話がきたり、
3回目のワクチンをどうするか問題とか、
仕事のこととか、
町内会のゴタゴタとか、
民生委員に関するゴタゴタとか、
旦那の引退問題とか、
息子のこととか、
目の精密検査のこととか、
いろいろ山積み状態。
家の中もジャングル状態。
娘の部屋から出てくる見てはいけないものの数々…。
auおまとめ決済は氷山の一角で、様々な形でお金を使い込まれていたんだ。
「ソーシャルゲーム」の恐ろしさを身をもって知るハメになった。
「青天」て知ってる?
以前息子に聞かれたことがあった。
ガチャガチャは中身がなくなれば終わりだけど、
ソーシャルゲームのアイテムを手に入れるためのガチャは現実の世界ではなく仮想空間の物なので、カプセルは無限に入っていて、膨大な数の中から当たりを引くというよりは、ランダム抽選みたいなもので、引いても引いても当たらないことの方が多い。
天井は青い空(無限)、すなわち青天と呼ばれるらしい。
「スーパーのコンピューターくじ、当たりってあるのかしら?」そう思ったことありませんか?
スーパーのくじならおまけみたいなものだから金銭的な損害は出ないけれど、
いや、くじを引くために目的のもの以外も買っちゃってるか。
親切(?)なガチャはある程度の金額をつぎ込めば「当たり」が出る仕組みになっているらしく大金をつぎ込む人もいるらしい。
若い人だけがのめり込むかと思ったら、男の人が釣りゲームで年齢関係なくハマってしまったり、女の人が育成ゲームで年齢関係なくハマってしまったりもするらしい。
ギャンブルというと悪いイメージがあるけれど、
「射幸心」を煽るものは世の中にたくさん存在する。
話はもとに戻って
娘は彼氏の心を自分の方に向けたくて、よりよいアイテムを手に入れるために課金を繰り返したと心療内科の主治医の前で語った。
でも、
「彼氏」と思い込んでいたのは、ただのゲーム仲間で、
「浮気」というよりも、恋愛関係など存在していなかったらしく、
何がなんだかワケワカラナイ。
高額の使い込みと、ネットでやってはいけないことをやってしまったという事実を突きつけられて、
これ以上使い込まれないために入院させたものの、主治医の前ではおりこうさんみたいで。
短期間に主治医が代わり、新しい先生が体調崩されて、代診の先生になり、そのまま一年が経過し、まともに相談できない状態が続いていた。運がなかったのかな。
表面上は病状は安定していて、彼氏もできて、結婚するという流れで…。
青天の霹靂とはまさにこの事かっ。
いや、まてよ、言われてみればおかしな時は多々あった。
が、しかし…。
仕事でたまたま娘が飲んでいるエビリファイという薬の副作用を調べることになり、念のため最新情報をググってみたんだ。
とんでもない事が書いてあった。
病的賭博や暴食などの衝動制御障害が現れることがある。
と。
フギョギョっ。
副作用だったの?
真相は明日の三者面談(主治医と本人と身元引受人)で明かされるのかそれとも娘の話を鵜呑みにして、病気とは関係ないと言われるのか。
結果が怖すぎて眠れない。
水曜日は仕事はお休みだったんだけど、他店舗応援を頼まれて出勤。家で悶々とせずに済んで助かった。
薬剤師なんだけど、白衣を脱げばただの人。
家族の事となると冷静さを失う。
何故はじめに副作用を疑わなかったのか。副作用ならば入院させるときにあんなにもめずに済んだのに。
主治医が決まり、やっと話を聞いてもらえるのはありがたい。でもどれだけ現状を理解してもらえるのかはわからない。
病院にいけば病気は治ると思っていたけど、
訴えが主治医にうまく伝わらないと適切な治療どころか別の病院に行くように、と言われることもある。
患者の立場や患者家族の立場からみると、ドクターは雲の上の人であり、疑問を感じたとしても口に出すことはタブーとされているような気がしてしまう。
何が本当で何が間違えているのか。
原因は?
対処法は?
知りたいことはたくさんある。
なんでこうなったのかとか、
どうすればこうならないのかとか。
お医者様に聞けないのなら看護師さんに、と思うけれど、とても忙しそうだ。
会計の時に聞いてみようか、と思うけれど、事務の人に聞いてもわからないよね、とあきらめる。
誰か教えてくれ❗
薬をもらいに来た人が唐突に質問してくる気持ちがわかる気がした。
知りたいのだ。ただ単に知りたいのだ。
ゆうこはできるだけ質問には答えたいと思うけれど、ゆうこの質問には誰が答えてくれるのだ?
そんな時、まさかのところから答えが。
薬局には様々な人々が訪れる。
ドラッグストアだからなおさらだ。
日常の何気ない会話のなかに答えはあったりする。
世の中がいけないのだ。
競争を煽る教育がいけないのだ。
イライラするからストレスのはけ口を求め、おとなしそうな人(勝てそうな人)相手に攻撃を仕掛けるのだ。
知らず知らずのうちに強い語調で相手を責めたり、面倒なことを押し付けたり…。
いじめられるほうにも原因があるというけれど、
被害妄想と言われるけど、
今までの人生の中で理不尽なことたくさんあったな。
ほら、ブレイン君からのパワハラとか。
考えても解決できないことをなんで考えてしまうのだろう。
「思考停止~っ。」
フランチェンのように思考停止できたらいいのにな。
一日中何かを考えてる。
朝起きたらご飯何にしようかとか、洗濯物を干す順番とか、その日のスケジュールとか、ゴミのこととか。
仕事の時は頭フル稼働だから帰宅すると放心状態に陥るときもある。嫌なことがあるとなおさらだ。
今後娘との関係はどうすればよいのか。
わからな過ぎて怖い。
とりあえず旦那君にお休みをとってもらい一緒に行くことにした。
旦那君も還暦になった。
以前ならば定年退職して年金もらえる年齢になったのに、年金支給年齢が65歳に引き上げられたので引退はお預け状態。
収入があるのはありがたいが60歳で引退と思っていたのが先送りになり、精神的ダメージがあるようだ。
現役生活あとわずかの時に降ってわいた災難なのか、それともゆうこの身から出た錆なのか。
神様が私に与えた試練なのか。
試練、多すぎませんか?
「でも、世の中にはもっと辛い試練を抱えている人もいるのだからがんばりなさい。」
ばばならそう言うんだろうな。
でも、
普通に暮らしている人もたくさんいるじゃん。
何が幸せで何が不幸なのか。
幸せの基準は人それぞれだけど、
何故に解決すべき難問が次々に訪れるのだ?
「放置でええやんか。」と旦那君。
キングオブB型かっ。
「おかん、親父はな、思い付いたことをしゃべってるだけだからまともに聞いたらあかんで。深く考えたら親父じゃねえ。」と息子。
頭ではわかっちゃいるけど、心では理解できないからつい反論したくなる。
「ギャーギャー」(←旦那君まともに聞いてないので全てはこうとしか聞こえていないと思われる。)
「あぁ恒例行事が始まっちまったか。」と息子。
もめたところで何一つ解決しないのに学習能力なさすぎ。
でも、
冷静になって考えてみると、時が解決するってこともあるんだよね。
「誰か助けて❗」
叫んでみたところで誰も助けてくれないけど、
様子が変だと気づいてくれた人が話を聞いてくれたりもした。
話したら少し楽になった。
何があっても時間になれば世は明けて時間になれば日が暮れる。
そして月日は流れていくんだよね。
そして歳を重ね、このあとの人生はどうなることやら。
とりあえず今できることをやる。
気持ちがついていかないときはあきらめる。(仕事はそうはいかないけれど、仲間がいるからなんとか頑張れる。)
が、しかし、人生あきらめきれないことだらけなのよねー。
結局堂々巡りになっちゃった。
私の場合は、遅発性ジスネキアが出て、
効果が見られなかったので、途中で止めました。
精神科のお薬は、副作用が多いことが多いので、困っています。
「薬はリスク」と学生時代に教わりました。
今は副作用のこともお話してから薬を渡す時代になりましたが、娘の薬の副作用については誰も教えてくれず、娘は副作用が出やすい体質であることも今更なようにわかりまして。
今の世の中は強ければいいとか、勝ち組とか、なんていうかとても生きづらいと思うのです。
優しい人とか生真面目な人が心を病んで苦しむのはおかしいと思うのですが、なかなかその事を理解してもらえなくて悶々とします。
優しい人だからこそ心を病むことが多いです。お大事になさってくださいね。