私は布が好きな人間なのでたくさん持っていますが、キッチンクロス類もかなりあります。でも、いくらたくさんあっても汚い物は嫌なのでこまめに洗濯していつもきれいにしています。ところが夫は汚れを見つけるやすぐ眼に付いた手近な布で拭き取るという癖があり、おかげでローラアシュレイのタオルハンカチだろうが、大切なリネンのキッチンクロスだろうが、お構いなしに台布巾代わりに使われてしまいました。そんな事をされたらいくら洗濯しても決して落ちない汚れが付いて大切な布は台無しなります。それが私には涙が出るほど悲しくて悔しくて・・・。以来夫の目に付き易い場所にはいいクロス類は決して出さず、天袋に仕舞ったままで使えませんでした。
そして最近、もう出しても大丈夫だろうか?夫はちゃんと理解してくれただろうか?とビクビクしながら出すべきか出さざるべきかと悩んでいたのはリネンのキッチンクロスのことでした。
かって私の中では「リネンブーム」があって、木綿の何倍もする高価なリネンのキッチンクロスをチビチビ買い集めたり、リネンの布を買って縫ったり、刺繍したりして楽しんでいました。ちょうどその頃単身赴任を終えた夫が家に帰ってきて、週一回の勤務という事もあって単身赴任で身に付けた家事スキルをこのまま忘れてしまっては勿体ないと(私がそう思った)家事を手伝って貰えるようになりました。もちろん助かる部分も多いのですが、この「家事スーパーマン」は後先を考えずにともかく素早く用事を片付けてしまうのです。身近にあればローラアシュレイのハンカチだろうが、素晴らしい風合いのリネンだろうが彼にとっては単なる布きれでしかなく、それでサビだろうが、ガスレンジの汚れだろうが見境なしにガシガシ磨いてくださるのです。(大泣き)
それでも私はムカつく心を必死で抑えて、彼の手伝ってやろうという有難い気持ちを損ねないように、軽く「こういう汚れは洗っても落ちないから・・・」と釘を刺しておいたのですが、そんなやんわりした言い方で覚えている夫ではありません。仕方なくこれまでは大切な物は夫の目が届かない天袋に大切に仕舞い込んでおりました。
でも、食洗機がないこの家では手持ちの小さな木綿の布巾でチマチマと食器を拭いていては埒があきません。それに「家にある物は何でも使え」が最近の私のモットーです。それでこの際思い切ってあのコレクションを出そうと一大決心(?)をしました。
と言ってもまず最初にした事は傷んだ下着や木綿のパジャマでウェスを作る事で、それをレンジ横に置き、ひどい汚れはこの使い捨ての布(ウェス)で拭き取って捨てるよう夫にお願いしたことでした。それに夫にも使い易い位置にちょっとした手拭になる物(多少汚れても漂白すればきれいになる白い布巾や小さなタオル)を掛けておく、などという事前の夫対策を施しておきました。
その上で私の大切なリネンコレクションを夫に見てもらい(鼻先に付きつけ))「これはいつも冷蔵庫の布巾掛けに掛けていて、絶対に食器を拭く以外には使わない高価なリネンの布巾なのです」と教え込みました。(まあ犬の躾けと同じような感じで、「わかったわねっ!」と私「ワン!」と答える夫と、妄想してみると楽しい)
という具合で恐る恐るリネンのキッチンクロスを台所に掛けていますが、今のところは無事です。