柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

夜ノ森の桜

2017年04月20日 21時28分37秒 | 日記
帰還困難区域の桜です。

あまりにも静かだから、死んでいった人たちといっしょに歩いているみたいでした。

満開の桜並木を、桜の花影を踏んでーー。



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花びら

2017年04月20日 21時22分41秒 | 日記
南相馬の桜は、昨日の強風で大方散ってしまった。

病室で東が、丈陽と一度でいいからお花見がしたい、と言っていたことを思い出す。

写真は、丈陽の手の影。

丈陽と一度もお花見も旅行もできずに、死んでしまったね。

今年も、長崎に会いに行くからね。


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命日

2017年04月20日 21時01分48秒 | 日記
今日、4月20日は東由多加の命日です。

息を引き取った午後10時51分が近づいている。

17年が過ぎ、遺影のセーターの色もすっかり褪せてしまった。
灰色に見えるけど、きれいなスミレ色のセーターだったんですよ。

東といっしょに暮らしていた頃から育てている白いシンビジウムを切って供えた。
まさか、洋蘭の方が長生きするなんて思いもしなかったーー。

柏餅と緑茶をいっしょにいただき、お線香をあげて手を合わせた。

今年は、本屋を開くよ。

芝居もやるよ。

丈陽は、受験生だよ。合格すれば、あの赤ちゃんが来年からは大学生だよ。

5月5日に長崎のお墓に行くよ。


いま、東京キッドブラザースのミュージカルナンバー「哀しみのキッチン」を聴いています。

ただ共に暮らした年月の
長さならば
隣り合わせの星に比べて
勝る愛があるだろうか

ただ共に触れ合った夜の
多さならば
海辺の砂と波に比べて
勝る愛が愛があるだろうか

ただ闇に光を結び合う
二人のように
断ち切れない絆に比べて
勝る愛があるだろうか



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