頭痛

ここ数年では一番じゃないかというほど激しい頭痛。
ズキンズキンという音がはっきり聴こえ、頭が割れそう。

夕食どころじゃないので、頭痛薬をのんで寝ます。

吐き気もする。

家の人たちには、思っていることの半分も、言ってない。

猫の飲み水の器はステンレスで、重い。
片手じゃ水替えできないから、仕事に出る前に水替えして行ってね、といくら言ってもやってくれない。

ギプス(正解に言うと、シーネ)だとほとんどの家事ができないから、ギプスをはずして包帯だけにしています。

隣家の女性がリハビリの専門家だということで、洗濯物を干していたら、声を掛けられました。

「どうしました？」
「骨折しちゃいました」
「どこの骨ですか？」
「左手の親指付け根の舟状骨です」
「あぁ、舟状骨は治りにくいですよ。どこを動かしても、動いちゃうんですよ、構造的に。だから、がっつり固定するしかないんですよ」
と、ギプスをはずして洗濯物を干しているわたしの左手に視線が――。

まぁ、治らなかったら治らなかったで、入院して手術すればええんちゃう？

そしたら、二人とも、家の中が荒れ果てて困るでしょう。

わたしは、右手一本あれば、原稿書けるから、困らない。

猫は、かわいそうだけど……

思いやりの欠片は？

いくら時間がない、と言っても、布団ぐらい上げて行ってほしいよな。

片腕で布団を上げたり、洗濯物を干したりするのがどれだけ大変か、想像する力が無いんだろうな。

毎日毎日、わたしは独り、家族はいない、と思い込んで、痛い、痛い、と呟きながら家事をやっている。

だが、それが、自分の布団じゃなかったり、自分の服じゃなかったりすると、矛盾を感じるよね。

なんなんだろう、この人たちは、いったい――。