Yumi @ Sudan

北アフリカの国、スーダンでの生活日記

サンちゃんの話3

2005-02-13 | everyday
サンちゃんのお父さん、リンさんがハルツームにやってきました。

リンさんは、1946年にスーダン南部のWAUで、南部最大の民族集団ディンカの一員として生まれました。職業は農業。生まれてから、WAUを出た事はありません。アラビア語も英語も一切わかりません。ディンカの言葉だけ話せます。
そんなリンさんが、サンちゃんに会うためだけに、昼夜7日間かけてハルツームへやってきました。
今回はどうしても息子に直接会って、話をしなくてはならなかったのです。

4月へWAUへ帰ろうと決めていたサンちゃん、お父さんはサンちゃんを止めなくてはなりませんでした。
今年はじめに和平合意が成立したとは言え、いまだ緊張状態は続いています。今、サンちゃんが南部へ帰れば、反政府組織のスーダン人民開放軍:SPLAの兵士として、間違いなく徴兵されてしまう。リンさんは、それを伝え、息子の帰郷を止めました。
そもそも1989年にハルツームにサンちゃんをおくったのも、リンさんでした。当時は、成人男性ばかりでなく、子供たちも少年兵としてSPLAの訓練を受け、戦わなくてはならなかったのです。兵士になるよりも、学びなさいとお父さんに言われ、幼いサンちゃんは家族と離れ、ハルツームへ来ました。

リンさんは、南部が独立したらサンちゃんに政治家になって欲しいって言ったみたいです。サンちゃんが今日、突然、大学へ行って法律の勉強をするって言い出しました。
「銃を持つことは僕の使命ではない、今は学ぶことが僕の使命だ」って。なんだかかっこいいサンちゃん。  
あと2~3年したら、WAUへ帰るよってニコニコするサンちゃん。お父さんが来ていてこのところ毎日ご機嫌です。


ちなみにリンさんは、ハルツームでは怖くて外も歩けないとの事。サンちゃんが外出している間はずっと家で待ってるんだって。怖くて私にも会えないって言うので、今日はリンさんにお手紙を書きました。「サンちゃんにいつもお世話になっているお礼、ハルツームにいる間に一度お目にかかりたい旨、サンちゃんとの時間を楽しんでください」と書きました。サンちゃんがそれをディンカの言葉でお父さんに伝えてくれるそうです。近いうちにお目にかかれたら嬉しいな。  
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平和集会

2005-02-13 | everyday
朝から花町(私の住んでる町、ZIHOR:アラビア語でお花という意味です)が、にぎやかだった。色とりどりの民族衣装を着た女性が、家の横の路地を、歌いながら通っていた。

結婚式か何かかなあと思っていたら、奥の広場で南部の人たちが平和集会をしていた。内容はよく分かりません。ただ人がいっぱい集まって、司会者の人がいて、みんなで踊ったり歌ったり。楽しそうだったぁ。まだまだ先は長いけれど、本当の平和と自由に向かって、元気に明るく力強く!!
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