Yumi @ Sudan

北アフリカの国、スーダンでの生活日記

サンちゃんの話

2005-02-07 | everyday
砂埃だらけの我が家の床を毎日お掃除しに来てくれる、スーダン南部出身のサントくんは、20歳。私の家と、大家さんの家のお手伝いが彼の仕事です。夕方からは英語を勉強。いつかツアーガイドになりたいそうです。

写真でもわかるように、普通の黒人の男の子。仕事なのに掃除は苦手。使ったものは出しっ放し・・・、ですが、優しくて、新しいものや文化にとても興味のある人です。
サンちゃんが来ると、二人で一緒に掃除をしながら、いろいろな話をします。日本の話。サンちゃんのふるさとの話。


彼は7歳の時に南部のWAUという村から、ハルツームへやって来て、13年間ふるさとに帰っていません。その間に生まれた妹たちにも会ったことがありません。
6人兄弟の長男、両親、祖父母、叔父を、サンちゃん一人で養っています。家族には、家畜と畑があって、食べるものには困りませんが、やはり多少のお金は必要。一年に一度8月にまとめて仕送りをしています。

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スーダンでは、20年以上も続いた南北の内戦が今年1月9日に包括的和平条約への調印という、平和への一歩を踏み出しました。
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それで!!!南北の行き来が自由になって、サンちゃんが4月、故郷のWAUに家族に会いに帰れるのです。13年ぶりだよ。小学校を卒業したばかりの子供が、ひとりで頑張って生きてきたのです。

でもね、お金に余裕があるわけではないので、飛行機のチケットは無理。ということで、WAUまでバスで6日間。
そこから、さらに叔父さんやおじいちゃん、おばあちゃんの住んでいるRUMBEKという村の近くまで徒歩4日。「何で歩くの?バスは?」って聞いたら、「地雷は埋まってるし、兵士はいるし、歩いた方が安全だ」って言うの。
彼のいとこは、1998年にバスに乗ってその道を通行中に兵士に殺されてしまったそうです。


「それで、家には何日間いるの?」って聞いたら、「実家に2泊、叔父の家に1泊」って。「南部には仕事がないから、すぐに戻ってこなくちゃっ」て。当たり前の様に笑って言います。
でも、ものすごく、嬉しそう。4月に帰るときには、私からのお土産も持っていってもらおう。

私ももっともっと優しく強くならなくちゃ。

写真はサンちゃんが初めてパスタを食べてるところ。いっぱい働いてくれた日に、お金や物ではなく、食事を食べてもらうようにしています。初めてのパスタは、食べるのが難しかったようで、サンちゃん、大笑い。私も横で大笑い。


コメント (4)
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お肉屋さんでお買い物!

2005-02-07 | everyday
八百屋さんでは、欲しい野菜を指差して、「これ下さい!」って言えば自分が欲しいものを手に入れる事ができるけれど、お肉屋さんではそうはいかないのです。
もちろん近所のお肉屋さんでは、日本のスーパーみたいにパック売りなんてしてない。
牛や羊が天井から丸ごと吊り下げられていて、欲しい部分を切ってくれる。つまり、何が欲しいかちゃんと言えないと、お肉を買えないのです。

ここに来て3週間、やっと自分が欲しいお肉を買えるようになってきました。今日はひき肉とフィレ肉を一口サイズに切ってくださいってお願いしました。フィレ肉は沢山あるわけではないので、予約が必要です。一週間くらい前にお願いしていて、今日お店に顔を出したら、「フィレあるよ」って言ってくれました。

スーダン人ってほんとに優しい。混んでいるお肉屋さんでみんな待っているのに、ゆっくり話す私のアラビア語を一生懸命聞いてくれる。終いには、後ろで待ってる人までみんなで助けようとしてくれます。お店の中のみんなにありがとうって言ってお店をでました。
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