きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「阿修羅城の瞳」

2005年05月07日 | 映画
阿修羅城の瞳

 師匠は「『魔界転生』みたいなもの?」とかおっしゃっていましたが、違いますです。邦画で言えば「新・里見八犬伝」。さらに言えば、ちょいと昔の特撮、っていうのが一番近いイメージではないでしょうか。アクションも、イマドキのワイヤー系ではなく、バック転多様のJACだし。
 江戸時代、異界に住む鬼が現し世(うつしよ)に甦りつつあった。密かに人間の世界に浸透する彼らを闇の奉行「鬼御門(おにみかど)」が迎え撃っていた。その副長・病葉出門(やわらばいずも)は、ある日少女を斬ったことにより役目を辞し役者となる。それから5年後、出門はひょんなことから「つばき」と名乗る女と知り合う。つばきには5年より前の記憶がなかった。鬼の侵攻は進み、その先兵・美惨は言う。「阿修羅目覚めるとき、通(さか)しまの天空に不落の城が浮かび、現し世は魔界に還る」。鬼の王「阿修羅」が甦れば現し世が滅ぶ、のだ、と。
 市川染五郎は、ウマイと思う。殺陣も良いし、台詞回し(滑舌・口跡)も良い。鬼ごろしの時の殺気と、役者の色男の演じ分けもいいと思う。気障っちい台詞・仕草も合っている。いるんだけど・・・。ワタシ的に、この雰囲気と染五郎ののっぺりした顔がちょっと合わなくて、アップになる度に違和感を感じて仕方がありませんでした。太股チラリとか血まみれとか、本来色気を感じるべきツボで『違うんだよなあ』と思っちゃうの。役に対して、顔の造作が淡泊なんだよねえ。あくまでもワタシの好みなんですけど。これがもうちょっと「濃い」顔・雰囲気だったら萌えまくりなんだけどなあ、と。たぶん市川雷蔵が演ったら通っただろうな。リカちゃんでもイケそうだ。それくらい出門自体は好みなんだよなあ。舞台で見たら気にならなかったと思うんだけど。りえちゃんは転生後の表情はなかなかに迫力。衣装も似合っていたし(殺陣は目をつぶって)。。ただ、前半のラブ・シーン、腕が細すぎて色気がないのが残念。樋口可南子さんの美惨がイイっす~。ステキ~。小日向文世さんの戯作に生きる南北もイイ味です。「おもしろい」が本当に面白いっす。
 映画としては、ちょいとテンポ悪し。もうちょっとサクサクッと盛り上げてくれれば、なお楽しかったと思うな。女形の使い方とかはさすがに新感線。画面自体は好みでしたわ。
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「エリザベート Special BOX」

2005年05月05日 | 宝塚(専科、スケジュール、雑談等)
 雪・星・宙のビデオと花DVDをすでに買っているので化粧箱+スペシャルDVDのみ買いました。本当は箱はいらないんだけどねえ。ついてきちゃうから仕方がないんだよねえ。
 で、早速「スペシャルDVD」を見ました。各組のインタビュー&お稽古風景。きゃ~ん、リカちゃんが素顔にヒゲ~。ただでさえ丸い顔が、さらに丸く見える髪型なのに、ヒゲつき~。あ~ん、カワイイ~。しかし、やっぱ星組は稽古着に凝っているなあ。リカちゃん(達)が苦労したのもわかるし、合わせるように、と言った(らしい)ノルさんの指導もわかる気がする。お稽古の段階から組カラーがあるんだわさ。
 特典映像としてタカコさんのルドルフもあり。なら樹里ちゃんルドルフも入れてよ~ん、と思いつつも。これが「噂」のルドルフかあ、と。そんなに一路さんとの背の違いは目立ちません。電信柱に蝉、ってほどじゃないよ~。たかこちゃんの熱血振りは若々しくて目に眩しいよ。最近は穏やかさんが多いもんね。
 などなど、懐かしく見ていて、新公の映像に突入。とうこちゃんは安定している。新公とは思えないくらい。ただ、これを基準とすると、その後が「停滞している」ってのはわかるな~。なんて思っていたら
ケロ~
ケロ~~
ケロ~~~(涙)

そーよ、ケロがフランツだったのよ~~。不意にケロを見たんで、涙が出てきちゃったよ~。なんで辞めちゃったのよ~~~。くうううううううっっっっ!気を取り直して星組を見る。あらま、旧東宝劇場のロビーで練習しているよ!サエちゃん、若い、ような、変わっていないような。宙はちょっと飛ばして(スマン)、花。蘭トム、確かに明るい。わはは。あすかちゃんは完成系。フランツのまっつ、ルキーニのそのかもなかなか演技がよろしいですわ。それと比べると月はまだまだまだまだまだでした。まあ、それが本来の新公の姿?そんな中、ひろみちゃんのルキーニが印象的でした。この子、濃い系が合うの?ねねちゃんはちょっとくらりんに似ている?イマドキの若い子だから?ゾフィーのあいあいは映ったけど、マデレーネのふじこちゃんは映ったけど、マギーのエルマーが映っていなくて残念だったわ。

んで、月組(本公演)のDVDを本日買ってきました。ついでに「飛鳥夕映え/宝塚絢爛II」のDVDも買っちゃいました。これから見ます。うふ。
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「エリザベート」宝塚月組

2005年05月05日 | 宝塚(月組)
 本日は11列下手端寄り。上手が見辛かったけど、オペラグラスなしでも役者さんの表情は良く見えました。銀橋端にいるキリヤンとかWトリオのみゆちゃんとかとか。ただスーピーカー近くのせいか、ちょっと音が悪かったわ。
 さえちゃんはますます熱血。あさこは高い音が出るようになってきている。ムラの初日に比べると格段の進歩で涙が出てくるよ。やっぱりあさこは2幕の方がいい。精神病院はいつ見ても泣けるわ~。「やめて!」の叫びが胸に浸みるよ。あとね~、ガイチの静かな愛情も泣けるのよ。キリヤンがねえ、良くなってきたよ。ってか、私の好みに近づいてきた。オープニングの狂気は好きよん。後半がだんだん普通の語り部になっちゃうのがな。もうちょっとなんだけどな。ゆーひのフランツもますます男振りが良くなって。この作品ではルドルフは単独では存在できなくって、あくまでも、トート、エリザベートとのバランスの中に存在する。その点、ゆーひは背丈など体格や、「ガラスのような繊細な神経」より「国の将来を憂う皇太子」の面が前に出て、まさに「『夢』と『現実(うつつ)』の狭間」にいるのが良いと思いますわ。良いバランスだと思うな。越リュウがさ「トートと握手したあと手を見つめる」の演技がなくなって、ちょっとショボーン。あれが好きだったのにい。エリちゃんは金髪でした。胸元は普通。赤い大きいネックレスと銀の薔薇のブローチあり。
 今回はねえ、ひらだよねえ、ケンペン。軍服似合うわあ。前にも書いたけど、シュヴァルツェンベルクの進言を鼻で笑っているところが好きなのよ~。磯野さんよりエラそうに見るのもイイのよね~。頭から湯気を出しているようなのぞみちゃんをもっと見たいのにい。つい二人一遍に視界に入るようにしちゃうのよう。あ~ん、どうしましょう。
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「桜絵巻狸源氏/ショー・イズ・オン」

2005年05月04日 | 宝塚(専科、スケジュール、雑談等)
 宝塚OGによる狸組公演も今年で4回目。前3回は、昔からある「狸御殿シリーズ」のリメイクで、今日の時代劇ネタのオリジナルが満載の上、宝塚ネタを加味していたので、なかなかに面白かったのですが、今年は多分U氏のオリジナルっぽく(一応「雨の夜の品定め」をモトネタにはしているようですが)、作品としてはイマイチでした。「『男』が一人の『理想の女』に巡り会えないために、『理想の要素』をちょっとずつ持っている複数の女を囲うことで満足している」話を、女性に見せるとはなにごとかね。結局結婚する女は自分で見つけたのではなく、「母に紹介された」女でさ。こんなの男の独りよがりじゃないのかい?見所の一つヅカネタも、ちょっとクドい。ほんのり入るだけでいいのよん。みんなで「愛~ 愛~ あぁぁいぃ~」を歌いすぎ。もう新作は作らんでいーよーーーー。
 ショーは、もう、ウハウハ~です。トップさん達のオーラが眩しい。結構知っている曲があるもんですな。TCA等で定番ソングを歌うのも、ファンが記憶を共有できて良いものですな~。例え作品自体を見ていなくても、歌えるんだもんな~~。昨年よりも、「ショー要素」がアップ。いままでは「トップさんのソロ」だったところが、娘役さんのコーラスが入ったり、男役群舞が入ったり。ここら辺の方も、スタイルが良いのよね~。腕の使い方も、いかにも「ヅカ」ってカンジで。トップさん以外のOGがたくさん使われるのっていいねえ。個人的には「ノバ・ボサノバメドレー」と「コルドバの光と影」が良かったです。好きなのよ~。
 出演者の皆様は、みんなお素敵。狸組のトップ鳳さんは、オープニングで淡島さんとセリ上がってきたときは若造に見えました。おそるべきは宝塚の番手。決して越えられない学年順。それすらも楽しいですね。まりこさんの「風になりたい」には、言葉が出ない・・・。相変わらず音程がアヤシイ、発音も不明瞭、それなのに心にズッシリ響くのはナゼだ~。タニも甘いぜ!ここまで到達してくれよ!と間違った感想が心に沸き起こる。グンちゃんは、芝居の山吹は似合いまくりよ。こういうチャキチャキ系が似合うのよね。なんて思っていたら、ショーでは相変わらず背中が固いは、鬘のセンスがイマイチだわ、でもそれさえも懐かしいっす。初めてナマで見るミミさんが可愛かったです。声が綺麗でした。若葉さんはフル稼働でしたね。カッコイイわ~。
 峰さんのコーナーの所かな?娘役さんの衣装が「薔薇の封印」の「ラスト・ダンス」の衣装でした。背中にも光りモノが入っていたんですね。あの時はリカちゃんしか見ていなかったから気が付かなかったのね。。。


【追記】
ショーでのMC。昨年公演の写真で、鳳さんにまりこさんが娘役姿で寄り添っている写真がブラジルのマスコミに出たので、ブラジルではまりこさんは「可憐な娘役」と思われているそうです。
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「インファナル・アフェア 3」

2005年05月03日 | 映画
インファナル・アフェア III 終極無間

 三部作のラストです。練り上げた脚本に俳優の演技で傑作となった「1」、前作に比べると作品としてのパワーは落ちたものの、ウエシンことエリック・ツァン(似てるっしょ?)とアンソニー・ウォンとカリーナの熟練した演技に心を奪われた「2」と来て、最後はどうなるかと思いましたら・・・。そうねえ。キレイにオチをつけました、ってカンジかなあ。「1」を見てないと全然ワケがわからないでしょう。映画としても・・・、ちょっとテンポが緩いかなあ。緊迫感がちょい足りない。画面も作りすぎていうるような。「庶務課」の環境(実際ああなのか?)とか、段ボールを積み上げた資料室とか、やりすぎじゃないかなあ。過去と現在を行ったり来たりもわかりづらいっす。ただ、こういう展開だよなあ・・・、と思っていたのが最後に
ありゃ、
騙されていたのか

となりまして、一本取られたカンジにはなりました。そうか、この人はコッチだったのかあ!ってね。思い返すと伏線はあったんだけどね。ウマイと思いつつも、それさえもキレイに収めるため、って気がしなくもなく。
 一番アレなのは、私が「1」で良いと思ったところ、それはアンディが、この先ずっと周囲を騙し続けて生きていく、「『死』で終わる」より辛いこと、それこそがタイトルの「無限地獄」なんだな、というところが、結局アンディがソコから抜けだしちゃったことですね。それがテーマだと思っていたんだけどなあ。あと、死の直前だったとはいえ、トニーにも「仲間」ができたっていうのは、いらないんじゃない?「孤独に死んだ」ってところがキモなのに。
 「1」で使われた「絵」に繋がる部分は、それなりに興味深く見ました。トニーの腕の怪我の理由とか。役者陣ではアンディよりトニーより、エリック・ツァンが素晴らしかった。満開の笑顔なのに、底知れぬ「闇の顔」も同時に表現している。。部下が殺されるとわかっていても笑顔で差し出す。すべてを知り尽くした上で、残酷とは全く違った笑顔。こんな笑顔ができるなんて凄いなあ。今回アンディの敵役(笑)のレオン・ライの悪役顔も良かったですわ。チェン・ダオミンも胡乱で良かったなあ。ケリーも美人だし、ビジュアル的にはウハウハな作品でしたな。
コメント (2)
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「Shall We Dance?」

2005年05月01日 | 映画
Shall we Dance ?(初回限定版)

 リメイク版だと、どうしてもモトと比べちゃいますよね。モトは136分、こちらは106分。どこをどのように変えたのか。一番変わったのは「社交ダンス」の扱い方。モトはそれそのものがメインだったのに比べ、こちらは「馴れ合った夫婦の愛の再確認」のための道具になっていました。ハリウッド版は、やっぱこういう話に持って行くのか~、と、頷く。まあ、男とダンス教師が安易にくっつかないだけ良かったと言うべきなのかな~。
 だから「社交ダンス」の扱いが悪いのは仕方がないと思うんだけど・・・。でも、どーしても気になる。ジェニ・ロペがブラックプールで踊ってるのはモダン(映画では「スタンダード」←この辺も日本の実情に合わせて字幕ををつけてもらえんだろうか)」だべさ。でも、ソロで練習している場面はラテンにしか見えないんだよなあ。「ワルツとクイック・ステップ(つまりモダンね)」で競技会に出るギアと踊っているのもラテンだよなあ。もちろん両種目に出る人もいるし、第一ジェニ・ロペの顔でラテンを踊らせないわけにはイカンだろう、ってのはわかるんだけどさ。その辺がねえ。制作者側は「社交ダンス」ってものを大事に思っていないんだなあ、と感じました。あくまでも、物語のための、ひとつの道具なんだよね。
 まあ、そもそも、ジェニ・ロペは「社交ダンス」の「ラテン」なんか飛び越えて、彼女が作中の役で「嫌い」だ、って言っていた「ディスコ」の方が似合うよなあ、と。その点タミーならねえ、「ディスコなんかに絶対行かない」って雰囲気はあるよね。タミーは、バレリーナとしては好きな方じゃないけど、あの映画には合っていたんだな、と再認識。ギアは踊りがうまい(笑)最初からバリバリ踊れているよ。
 笑いのネタも随分端折られたような。136分は長いと思ったけど、必要な長さだったんだ。アメリカにおいて「ヘテロがゲイと思われる」のは男性には最大の屈辱のようだけど、でも、それと置き換えても、竹中直人の「ヘン」振りは表し切れていませんでした。文化の相違だから仕方がないんだけどさ。女にモテるためにダンスを始めた男が、結局男とくっつく、ってオチは必要だったのか?
 たぶん、踊りとかなんにも知らずに、リチャード・ギアとスーザン・サランドン演じる夫婦の物語、と思って見れば、なかなか良いのではないかと思います。でも、名香智子の「PARTNER」を読んでいると、ちょっと・・・。あ、「チャチャチャ」のところの曲は、「宝塚絢爛」でも使われていました。
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「眠れる森の美女」新国立劇場バレエ

2005年05月01日 | バレエ・ダンス
 新国立で「眠り」を見るのはこけら落とし以来です。森下&清水、吉田&熊川、の2ペアで見まして、その時は、主役陣はともかく、日本人にはキーロフ版の衣装が似合わないな~、と思ったものでした。カツラにすごい違和感があったのです。今回は、踊り慣れてきたこともあるのでしょう、衣装、舞台美術共に、すごく「自然」で、ゴージャス感がありました。「眠り」は、やっぱり、ダンサーの技術も必要ですが、見た目の華やかさも重要ですもんね。その点は、とても素晴らしかたっと思います。気になったのは2幕の噴水の皿が斜めになっていたことぐらい。
 ザハロワのオーロラは、29日にミスがあったと聞いていたせいか、1幕はとても気合いが入っていて、少々柔らかさに欠けているように思いました。ローズアダージオも、ちょっと強張っている印象を受けました。ミスはなかったのですが。2幕もそれをちょっと引きずっていて、3幕のパ・ド・ドゥのバリエーションのところで、初めて「カワイイ」と思いました。オーロラとしての華やかさは・・・・・・。もともとニーナを求めていたので・・・。ただ、ウヴァーロフとは身長等が合っているように思いました。ルジよりは合っているんじゃないかなあ。
 ウヴァーロフは、王子様が似合いますね。2幕(狩猟の場面)のマントはいらないね。3幕の白い衣装が似合いまくり。日本の劇場としては広めなのに、それでも狭く思える存在感&踊り&ジャンプ。ヌレエフ版だともっと嬉しいんだけどなあ。それにしても、キーロフ版を、日本で、ボリショイの人が踊っているなんて、ちょっと不思議だわ。
 リラの精の前田さんは、ゆっくりめの音楽をたっぷり使った威厳のある踊りで、とても良かったです。フロリナは宮内真理子さん。登場時に拍手がおこりました。かわいらしい、お姫様らしい踊りでした。トレウバエフの青い鳥。これならいいんだよな~、と。ジャンプ主体ならね。
 私たちの座席の近くにファジェーチェフがいました。ニーナを連れてきて・・・。ってのは無理なんだろうけどさ。丸みを帯びた体でもカワイイなあ。
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