きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ブラッド・ブラザーズ」

2003年10月06日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
 貧乏で子沢山で夫に捨てられた女性(島田歌穂)が双子を出産、一人(坂本昌行)は自分が引き取り、一人(赤坂晃)は金持ちの家へ渡す。双子ゆえに惹かれ合うのか、どちらの母親も「行ってはいけない(=彼女の家の側だから)」と言う場所へ行き親しくなり、義兄弟の契りを交わす。成長した二人は金持ちで何不自由ない市会議員と強盗の前科者となって出会う。自分が持ち得なかった富・名声を恨み、前科者の方は市会議員を射殺しようとする。そこへ二人の生みの母が止めに入る。「お前達は血の繋がった兄弟なんだよ」。前科者は、市会議員の立場が自分だったかも、とさらに絶望して引き金を引く。二人は死ぬ。
 まあ、芝居としては非常に腹立たしい内容でした。生みの母は双子が生まれる前に、育てきれないだろうから何人か施設に預けるようにと役所から言われたのに「自分一人で育てます」って言い切って、でも双子の片割れはお金持ちに売り渡す。その後、子供の長兄はロクデナシになり、盗みは当然、火薬を持ち出して爆発させたり、そのあげく強盗を思いつき、弟に見張りをさせ、失敗したら逃げ出す(弟(双子の片割れ)は捕まる)。ものすご~~く子供の育て方を間違っているように思った。挙げ句にダメ押しの一言を言ってさ。よけい絶望するじゃん。いろんな不幸も、結局はこの母の身勝手からなのよね~としか思えなくて、双子の死も、この母の犠牲のように思えました。
 でも役者自体はみな良かったです。坂本君は「そういえばV6だったけか?」ぐらいの認識だったのですが演技力ありますねえ。腕白な少年時代、前向きな青年時代、そして前科者のヤサグレ振りをうまく演じ分けていました。そりゃ、全て持っている義兄弟は羨ましいよね。それが自分だったかもと思うと絶望して死ぬしかないわな。双子の片割れ赤坂君もよろしおます。知らないウチに全てを持った者。彼としては、まあ、とばっちりだよね。島田さんはメチャうま!捨てた子を思う心情がバリバリ伝わってきて泣きそう。でも、なんか、芝居のノリが「夜会」のみゆきを思い出した。もちろん島田さんの方が100倍はうまいんだけど。マミちゃんは舞台を進行させるナレーション役。カッコよかったよ~。要所要所で不幸の前兆を囁き歌う。ルキーニみたいかな?存在感があるし手の動きもいいし立っているだけで目を惹くけど、ちゃんと背景に溶け込んでもいる。オイシイ役で大満足です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小山卓治「Planting Seeds To... | トップ | 小山卓治「Planting Seeds To... »

コメントを投稿