きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「バレエの美神」(初日)

2006年02月04日 | バレエ・ダンス
全体的にピリッとしないプログラムでした。
どこで盛り上がれば良いのでしょうか。

第1部
「ドン・キホーテ 夢の場面」ペレン、シェスタコワ
ドゥルシネアがペレンで、森の女王がシェスタコワ。
ペレンが楽しそうに踊っていた。
シェスタコワは柔らかい踊りでした。
二人揃ってアラベスク(?)のところ、
シェスタコワが長くキープしていたので
振り返ったペレンが、「あら、まだやってたの?」ってカンジで
ちょっと笑ってしまいました。
二人の、異なるスタイルのプリマの共演は豪華で良いですね。
キホーテはマラーホフ、キューピッドはシシコワ、かな?
コシェレワ、コチュビラ等もコールドにいました。
華やかな場面は、幕開けにぴったりですね。

「ロミオとジュリエット」レドフスカヤ、スミレフスキー
曲はプロコフィエフで、振付はワシリエフ。
バルコニーの場面だと思うけど、
テンポが少々早めで、せわしない踊りでした。
踊り手は非常に芸術性が高いのに、
それを生かし切れていないような。
ラブロフスキー版で見たかったなあ。
空気のように軽そうなレドフスカヤが印象的。
スミレフスキーもスタイルが良い。脚が長い。

「ダジラード」草刈民代、シヴァコフ
ゆったりのピアノ曲で、男女がユニゾンのポーズを続けるっていう
まあ、よくあるパターンの踊りです。
タミーは白のレオタード、シヴァコフは上半身裸で白いタイツ。
タミーはこういう衣装のこういう踊りの方が似合う。
けど、たいして面白味のない作品。
「海賊」でもやればいいのになあ。

「オーニス」ロモリ
「フランス・オーニス地方の伝統的音楽を使った」踊り。
のどか~~な音楽に、単調なステップ。
でも、前のペアの後だと、さすがにパリ・オペ・エトワール!
と感心する。
なんでもない動きでも間が持てるんだな~~、
と思ったけど、やっぱ長いわ。

「レクイエム」ルジマトフ
前回は白い白い世界だったのですが、
今日は、照明のせいなのかな?暗い世界でした。
初演時は、「徳の高い聖者がさらに宗教的に「上」の世界に渡ろうとする」
と、思えたので、私なんぞは秘かに
「即身仏(製造過程)」と呼んでいたのですが、
今回は、普通に苦行僧でした。
ルジの体調によるものなのか、それともルジの場合
モノにする=悩める男の物語になる=苦悩する男=苦行僧
って図式になるのかね。よう、わからんが。

なんとなく、ゆったりなモダーーーンは第1部にまとめました、って印象。


第2部
「忘れないで・・・」ピエトラガラ、ドゥルオ
お久しぶりのピエトラガラです 
プログラムを買っていないので詳しい内容は不明。
作品タイトルから推測するに、なんらかの事情で別れた二人が
お互いを忘れ得ない、みたいな内容かしら。
これも、単調なステップで、長い。
後半寝ました。
でも、ピエトラガラ振付って、こんなの多いから
別に不満はない。
生脚が拝めただけでありがたや、なのです。
ピエトラガラの振付って、どこか羽山紀代美チック。

「幻想舞踏会」レドフスカヤ、スミレフスキー
特に大技はないけれど、美しく、かつ演劇的。
大人っぽい文学作品、とでも言うのかなあ。
レドフスカヤがとにかく綺麗。

「スパルタクス」チェルノブロフキナ、ザバブーリン
チェルノのバランスは、それはそれは素晴らしいけれど
「ダイナミック」とは無縁の二人だから。
ザバブーリンは、剣闘士には全然見えない。
新しい分野に挑戦するのは素晴らしいことだけど、
ワンパターンでも「白鳥」や「ジゼル」を見たいペアよね。
オケの金管がヤバヤバだったけど、
それでも生オケ演奏は嬉しかった。


第3部
「眠りの森の美女 ローズ・アダージオ」クチュルク
王子達はシヴァコフなどカツラ付き3人に、地毛のクリギン(父)。
長老は好き勝手なことができるのか。専科だな。
クチュルクは「ドン・キ」の時よりは調子が良さげかな?
シューズはいつものゴム・バッチン。
バランスのキープ力は、さすがです。
けど、
クリギンを見ちゃうんだよな~~。ごめんよ~~。

「眠りの森の美女 グラン・パ・ド・ドゥ」ペレン、ファジェーエフ
ああ、やっぱワガノワ・ペアは、イイですのう。
作り出すラインが美しい。
ペレンは、口紅が赤すぎるのを除けば、美しいお姫様だし、
ファジェーエフは絵に描いたような王子様だった。
ちょっと、若い時のマラーホフを思い出した。

「アヴェ・マイヤ」プリセツカヤ
御光臨。
グノーの「アヴェ・マリア」に乗せて
扇子をヒラヒラさせて動いているだけなんだけど、
なんともいえない存在感なんだな。
扇子が鳥の羽に見えてくる。
短い演目だな~~、と思ったら
拍手にお答えして、もう一回踊ってくれました。
ありがたや。拝む。

「シルヴィア」ムッサン、ロモリ
ノイマイヤー版。
う~ん、わからん。

「ドン・キホーテ グラン・パ・ド・ドゥ」シェスタコワ、ルジマトフ
ルジは「バヤデルカ」の時より調子が悪そう。
決めポーズは決まるけど、踊りにキレが無く、重め。
それでも、「この程度は踊れる」。
その「この程度」が、ものすごく高レベルなんだな~~。
体調が悪いなりに、例えば「お魚」前のリフトを省くとか
構成を替えてきても、それなりに見せちゃうんだよなあ。
プロの技だ。
と、ファンなので感心する。
ファンでない人のことなんか、考えないわよ~~。
シェスタコワは絶好調!!
「夢の場面」とは、ちゃんと演じ分けていて
気っぷのいい姐さんでした。
32回転の前半はダブル+シングル+シングル。
チュチュは白。
ヴァリエーションはミリツェワ、コシェレワ。
この二人、特にコシェレワは働かせすぎでは?


ほんとうに、どこでテンションを上げていいのか
わかりません。
似たような踊りが多くて、プログラム・ミスだよね。
これなら「32回転3連発」の方が楽しいのにねえ。
最終日は盛り上がるかしら?
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