きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「天国と地獄」(午前十時の映画祭8)

2017年10月07日 | 映画
前半は緊迫の誘拐事件、後半は犯人を追う警察の執念。
マクベインの原作は読んでないけど、
サスペンスとしての骨組をしっかり構築しつつ
舞台を日本にした翻案ぶりが見事だった。

高度成長期から外れた庶民の目線をしっかり描きつつ、
単純に「金持ち=悪」ではないとも描いている。

自分の子供と間違われて
拐われた雇い人(運転手)の息子の命か、自身の財産か、
迷う三船の演技が見事だった。
ロング気味の映像でも拐われた子供を抱き上げる動きが自然で、
大切に思っているのがわかった。
仲代の正義感に燃えつつロジカルな刑事も良かった。
若き日の名古屋章がイノッチに似ていた。

ラストがなんとも言えない。
鼻持ちならない金持ちに天罰を与えたつもりの犯人だったが
金持ちは犯人の犯行により英雄になり、世間から信頼される。
それに引き換え、犯人は死刑判決を受ける。

死ぬのが怖い彼が、
あんなにも簡単に人を殺したんだなあ。

それを表す山崎努の演技も素晴らしかった。
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