きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジゼル」草刈民代&シヴァコフ/レニングラード国立バレエ団

2009年01月31日 | バレエ・ダンス
草刈さんのジゼルは、
踊りがいろんな部分が省略されていたけれど
「ジゼル」という役を表現するには充分でした。
可憐で清楚なジゼルでした。
狂乱の場面も、ガラス細工が壊れていく、のではなく
砂糖菓子が崩れていくというか。
落雁が溶けていくようなかんじというか。
サラサラサラ~と崩れていくんだけど、
砂よりも、もっと情緒的というか。
わけわかんない表現ですねー、すいません。
弱い女性だから、ショックで死に至るのは
わかるような気がしました。
2幕は、儚げで、ふんわりしていました。
それでもアルブレヒトへの愛は残っていて。
朝の鐘も、アルブレヒトとの別れではなく
アルブレヒトの命が保たれた喜びの音。
その演技はとても素晴らしかったのですが・・・

ミルタがシェスタコワだったから・・・

光藍社さんか芸監か、
誰が彼女をキャスティングしたかは不明です。
草刈さんの最後の「ジゼル」に
ベストキャストで花を添えてくれようとしてくれたのかもしれません。
でも、、、
でも、、、
今季はちょっと不調といえども
ダンサーとしては脂が乗っているシェスタコワの後に
草刈さんが踊ると
いろんな部分が浮き彫りになっちゃいます。
たとえば、ウィリ達がハンスをいたぶる場面。
ハンスのペトゥホフとシェスタコワのミルタ、
そしてウィリちゃん達の演技がものすごく噛み合って
それはそれは緊迫した場面でした。
その後だと・・・・・・
む・・・・。
役としての草刈さんのジゼルは
わりと好みだったんですけどね。
むう・・・。
カーテンコールはたくさん。
後半はバレエのレヴェランスではなく
日本風なお辞儀でした。
それも彼女に合っていると思いました。
踊り自体は、好みではない部分もありましたが
「興業」という面では牽引してくれた部分があったと思います。
TVや映画で名前を知っている人を見に行く、
そういう、「バレエを見に行く最初のきっかけ」を
たくさん作ってくれた人だと思います。
大感謝。
「エスプリ」も楽しみにしています。

シヴァコフのアルベルトは、
意外に合っていた。(ごめん)
貴族、ではないかもしれない。
顔を覆う仕草も「あちゃー」ってかんじで
「気のいい兄ちゃん」の部分が強い。
ジゼルとの恋は、まあ、目の前の恋に夢中になっちゃって、
でも、いろいろ言い訳すれば許されると思っていて。
その許されるが、彼女との結婚、とか
そんな具体的なことは考えなくて。
バチルドにバレたときも
「あいややや!」ってかんじかな。
コルプに近いけど、コルプより子供っぽい。
そういった彼がジゼルの死によって成長していく。
えーと。
「ひとつのことをやり遂げる」を学んだのかな。
そして少年は大人になる、か。
でも、外見は「少年」を完全に卒業。
背が伸びたのかと思ったけど、
いまさらそれはないよね。
姿勢とか立ち方とかが変わったのかな。
雰囲気が「大人の男性」だった。
ちょっと寂しい。
ガラで見たときは鬱陶しかった長めの髪も
アルベルトにはぴったりでした。
踊りは綺麗でした。
ソロは、のびのび踊っていました。
彼のアルベルトはまた見たいな。
もうちょっと大人になったら
もうちょっと違うアルベルトになりそうだ。
草刈さんとの演技はしっかり噛み合っていました。

ハンスはペトゥホフ。
見かけはごついけど、
気持ちは純朴。
ジゼルへの気持ちは空回り気味。
だけど、悪い人じゃないよね。
オマールに足りなかったのは
「舞台空間を埋める力」だったんだわ。
舞台に一人でいる時の芝居が
ペトゥホフは自然で、間が保てる。
オマールは、誰かに対しての演技はなかなかいいと思うけど
一人で立つのはまだ難しいということなのかな。
と、今日の従者を見て思った。
ウィリが出てくるかも、の演技は
もうちょっと押さえた方がイイかも。
そこはアルベルトが中心の場面だから。

でー。
でーーー。
ミルタがシェスタコワなんですよ。
これは、一種の反則ですよね。
クナコワのミルタとか、テレホワのミルタとか、ムッサンのミルタとか、
主役を張れる人のミルタなんて。
豪華すぎ。
静かに静かに、でも、とっても恐いミルタでした。
美しいから恐い。
可愛いから恐い。
チェルノブロフキナのミルタを思い出しました。
少女のまま死んだから、少女の外見。
それで女王の威厳があると、
どれだけ長く魂が彷徨っているんだか、と思うのですよね。
とにかく、場の支配力がすごすぎる。
ミルタはこう来て、こう歩いているんだ、と
普段別なところを見ているのでわからないところが、
彼女が出てくると目が吸い付けられるので
すべてわかっちゃいましたよ、ってかんじです。
マイムひとつひとつが丁寧で意味があり
踊りも完璧です。
今季一番いいんじゃないかな。
そして、目!目線!
目線で人間なんか簡単に殺せそう。
そんな迫力のある視線は3階席まで届きました。
群舞も、彼女が統率しているせいか
大迫力でした。
無言の迫力。
ドゥ・ウィリの二人も
美しいラインでした。

ペザントもとても素晴らしかったです。
この二人は今季の大収穫。
来年はもっと主演があるかな。

ベルタのクズネツォーワはちょい弱い。
もうちょっと強い演技でもいい。

公爵様ご一行なんですが・・・
たぶんヴェンシコフだと思うのですが(たぶん)
紫の服の男性貴族が、
紫のドレスを着た女性にちょっかいを出しつつ登場。
女性は笑って受け流しつつも、ちょっとイヤーン。
その後に登場した公爵様が男性をたしなめつつ
(肩を叩きつつ)登場しました。
いつもこうでしたっけ?
あんまり自信がないから書かないけど
よく見る顔が大集合していたように思います。
いつも濃いところだけど、
今日はなおさら濃い演技でした、みなさん。
モストヴァーヤは美人で高貴なお姫様。
ジゼルにネックレスをあげると周りの人達の
「さすがうちの姫様!」みたいな気持ちが
ビシビシ伝わってきました。
前提として、「よくできた人」ってのを
周囲の人達も良くわかっているというか。
シヴァコフよりは、ちょっと年上そうだったけどね。

オケはかなりダンサーに合っていました。
指揮者やオケが慣れてきたのか、
ダンサーとのコミュニケーションが成立し始めたのか、
リハーサル時間が多いのかは不明。

モロゾフ、コリパエフはタンバリン隊。

ミリツェワ、コシェレワは
いつもは「少し休ませてやれよ!」と思うのですが
二人揃っていないと寂しいです。
勝手でゴメンです。

うーん。
書き足りないかな。どうかな。
とりあえず。

【配役】
ジゼル:草刈民代
アルベルト:ミハイル・シヴァコフ
ミルタ:オクサーナ・シェスタコワ
森番ハンス:ロマン・ぺトゥホフ
ぺザント・パ・ド・ドゥ:サビーナ・ヤパーロワ、アンドレイ・ヤフニューク
ベルタ(ジゼルの母):ヤニーナ・クズネツォーワ
バチルド(アルベルトの婚約者):エレーナ・モストヴァーヤ
公爵:アンドレイ・ブレグバーゼ
アルベルトの従者:アレクサンドル・オマール
ドゥ・ウィリ:ユリア・カミロワ、マリア・グルホワ

指揮:カレン・ドゥルガリヤン
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団


今季は結果的にはオマール祭りでした。
準シェスタコワ祭り。
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2 コメント

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和三盆 (おロシア人)
2009-02-01 13:15:00
レダと白鳥で感じたのですが、民代さんは
今年は「和」なのかなあと。
落雁、ね、はい、良くわかります。
和三盆糖なのですね。

ヴェンシコフは紫で良いと思います。
いつも、ちょっとおすましすぎて、
せっかく顔も体型もああなので勿体無い、
(普通にハンサムだから、何もしないと冷たく見えるし、絶対に損だと思いませんか)
もっと濃くーーーー、と念を送っているんですけども、
やっぱりツアー最後の方なので、みなさんノッてたんでしょうね。

ミルタのシェスタコワも「クナコワ」「チェルノブロフキナ」でとても判りやすいです。これは観たかったなあ。。。。

次回はオマールの成長が楽しみです。
民代さん (きんちゃん)
2009-02-04 17:36:49
狂乱の場面は、薄くて繊細なガスがパリーンと割れるのではなく
もっと静かにサラサラ崩れていくようでした。
ユカリューシャの「和」とは
また違ったジゼルで、なかなか好みでした。
シヴァコフのおかげで見られたかと思うと
諸方面に感謝です。

ヴェンシコフは、あれだけのビジュアルなので
もっと使って欲しいですね。
王子でもいいんじゃないかと思うんですがー。
最終日なので公爵ご一行様からは
会話が聞こえてきそうなほど皆さんノリノリの演技でした。

シェスタコワのミルタは「プリマ対決」みたいで
これはこれでありですかね。
私はとても好きですが、
苦手な人もいるかも。

次回。
とりあえず皆さん来てねー、ですね。
成長具合を確かめたくても
来てくれないと、、、
夏は誰が来てくれるのかな。

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