きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「動物界」

2024年11月20日 | 映画




人間が動物化する奇病が発生。
患者は隔離される。

発症した女性の夫と息子は
隔離施設近くへ転職、転校。
息子にも病の兆しが現れる。

パンデミックものではなく
ホラーが少し入ったファンタジー。

妻から離された夫は息子まで手放したくない。
息子は徐々に変わる身体に不安を覚えつつも
諸々から解き放たれたい。
争点が噛み合わない親子の衝突。


異形になる話、というより
異形になったら
家族はどう対応するか、の話かな。

作品舞台となるフランスはカトリック圏だから、
(聖人のおまつり場面もあった)
病気を試練として受け止めるのか
神から見放された存在と思われるのか。
建前として保護する政府に対して
発症していない人々は後者寄りで、
「駆除」したいと思い、行動する。

鳥の事例を思うと、「なんとか」しようと
医者側はいろんな努力をしたんだろうなあ。
本人的にはともかく、正しいかどうかはともかく
対症療法は試されてきたんだろう。

病が蔓延した、その先はどうなるのかなあ。
動物化は、身体だけで人間に思考は残るのか
言語や知性は失われるのか。
少なくとも発声器官は無くなるようだ。
鳥、カメレオン、クマ(?)、オットセイ、蛸、
など、いろんな動物化があるけど
どれになるのか決まる因子はあるのか、
親と子は同じ動物になるのか、
など、細かい疑問は尽きないけれど
これを父と子の物語に絞ったのが面白い。

父は最後は息子が森の中へ行くことを受け入れる。
その決断、笑顔と涙に、
スッキリと、少しの感動。

息子になんとなく動物っぽさが加わっていく。
演技がいいのかな。

米映画なら立ち向かう医師の戦いになるかな。
モンスター化ではなく、また、
その周囲を掘り下げるのが
淡々と進む仏映画ならではの味わい。

アメリカにおける、警察、FBI、保安官の関係も謎だけど
フランスにおける憲兵も謎組織だ。
(文字ではある程度わかるけど、実感としては掴めない)


他人にはお勧めしないけど
自分的には割と良かった珍作系。

憲兵のジュリアが、なんとなく真風を思い出す顔。
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