きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「かぐや姫」/東京バレエ団

2023年10月20日 | バレエ・ダンス




全幕初日。
最初の1幕だけのときは、
子供向けなのかコンテに寄りたいのかわからなかったけど、
その後の2幕のみのときはコンテ寄りになり作品の軸がしっかりして、
からの、今日の全幕。
1幕は手直しが入ったよね?
衣装も2幕以降に合わせ、民話調は薄まった。

道児は村人というだけではなく、
太陽の光を浴び自由に暮らす人々。
宮廷には月に照らされ誰かと同調する世界。
のような対比をかんじました。

天から来て、天に帰る、人間ではない者の物語。
求婚者はなく、どこまで「かぐや姫」と言えるのか。
しかし、だからこそ観る側が好きに話を受け取れる。

私は、
「人間界を引っ掻き回し、呆気なく彼らを捨て、自分の世界に帰る人外」
という、自分好みの物語を見出しました。
たぶん間違っていると思うけど。
帰る彼女に未練がなくて、とても清々しい。
世界を浄化した、ともいえるかな。

見ていてPPのSSシリーズの制作経緯をふと思い出しました。
「温泉回みたいな緩い話を作ります」と言ってアレになったように、
子供も楽しめる「かぐや姫」を作りますと言って、
ばっちり金森作品になってるよ、みたいな。
私は金森さんの作品はあまり見てないからなんともだけど、
3幕の白い世界は「おお、来たぞ!」と思いました。
作品のカラーがはっきり出たのがすごく良かったです。


正直なところ、東文だと会場が大き過ぎる印象。
いまだと新国の中ぐらいがジャストサイズでは。
新潟の劇場だと良い具合なんだろうなあ。

ダンサー達は金森言語がかなり身体に入っているようで、
ムーブメントが自然。

翁、飯田さんは芝居の延長の踊りで、
木村さんは踊りの先に芝居があるかんじ?
元プリンシパルのアプローチは違うのかな、と。

2幕までは、日本的な世界の全幕バレエなら牧の「飛鳥」があるし、
と思っていたけど、
3幕まで、全幕になると違う世界になっていた。

正直、何回も1万円を払えるか、と問われたら微妙かな。
踊り込んでいくと深まるかな。
「ドナウ」のやっちまった感に比べれば、
オリジナリティもあることだし、
また見たい、という気にはなっています。


私の語彙では上手く言えないんだけど、
ときどき動きにベジャールっぽさがあり、
ベジャール作品をレパートリーに入れている東バだからこそ、
ここまで親和性があるんだろうな、も思いました。

今日は月組、明日は新国なんで、今回は1回のみです。


【配役等】
かぐや姫:秋山 瑛
道児:柄本 弾
翁:木村和夫
秋見:伝田陽美
影姫:沖香菜子
帝:大塚 卓
大臣たち:宮川新大、池本祥真、樋口祐輝、安村圭太
側室たち:二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、中島映理子
緑の精:
 伝田陽美、二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、涌田美紀、中島映理子
 中沢恵理子、平木菜子、髙浦由美子、長谷川琴音、瓜生遥花、長岡佑奈、
 本村明日香、大坪優花、前川琴音、米澤一葉、佐藤瑞来、鈴木香厘、富田紗永、
 居川愛梨、相澤 圭、富田翔子、池戸詩織、橋谷美香
童たち:工 桃子、安西くるみ、岡崎隼也、井福俊太郎
村人たち:
 中沢恵理子、平木菜子、髙浦由美子、長谷川琴音、鈴木香厘、富田紗永
  生方隆之介、鳥海 創、海田一成、岡﨑 司、後藤健太朗、山田眞央、中嶋智哉、小泉陽大
従者たち:
 ブラウリオ・アルバレス、生方隆之介、鳥海 創、海田一成、岡﨑 司、
  後藤健太朗、加古貴也、山田眞央、中嶋智哉、山下湧吾、星野司佐、
  芹澤 創、小泉陽大、宮村啓斗、山仁 尚、寺田瑠唯、髙橋隼世
侍女たち:
 涌田美紀、加藤くるみ、中沢恵理子、平木菜子、髙浦由美子、長谷川琴音、
  瓜生遥花、長岡佑奈、本村明日香、大坪優花、前川琴音、鈴木香厘、
  富田紗永、居川愛梨、栗芝みなみ、富田翔子
光の精:
 二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、平木菜子、中島映理子、長谷川琴音
 涌田美紀、中沢恵理子、髙浦由美子、安西くるみ、瓜生遥花、長岡佑奈、
 本村明日香、大坪優花、前川琴音、米澤一葉、鈴木香厘、富田紗永、居川愛梨、
 相澤 圭、栗芝みなみ、富田翔子、池戸詩織、橋谷美香、池内絢音
黒衣たち:岡崎隼也、井福俊太郎、海田一成、山下湧吾

※音楽は特別収録による音源を使用します。

演出振付:金森穣  音楽:クロード・ドビュッシー
衣裳デザイン:廣川玉枝(SOMA DESIGN)
美術:近藤正樹  映像:遠藤龍  照明:伊藤雅一(RYU)、金森穣
演出助手:井関佐和子  衣裳制作:武田園子(Veronique)

~上演時間~
第1幕 19:00~19:45
休憩   20分
第2幕 20:05~20:45
休憩   15分
第3幕 21:00~21:40
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