きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「クーリエ:最高機密の運び屋」

2021年09月26日 | 映画


ソ連のスパイと、連絡員の英国のセールスマンの話。

いま核戦争がおこる可能性は低い。
それが当たり前の世界になっているけど、
昔はそうではなかった。
ソ連とアメリカどちらが先に核ミサイルのボタンを押すか、
は、リアルな恐怖のときがあった。
それを回避しようとする男たちの話。

世界平和、とか、崇高な使命感、
とかではおそらくなく、
家族が、子供が、穏やかに暮らせる世界、
そんなことを望んだのだろう。

バレエを見て彼らは泣く。
友情とも信念とも違うが、
彼らには同じ気持ちがあり、
呼応したのだろう。
オデットと王子は死ぬが、2人の愛で悪魔は滅びる。
彼らの姿が重なる。
(あの時代にボリショイで上演されていた白鳥は
 ハピエン版な気がするけどね。)

英国サラリーマンが危険を感じつつ行動していた前半は
冒険気分もあったかも。
それがベルリンの壁ができ、世界の分断が明確になってきたとき、
サラリーマンの意思は決まる。

普通のサラリーマンから、
その先の苦難に苛まされるベネ氏の演技は見事というほかない。
明確な台詞がなくてもサラリーマンの心情が痛いほどわかる。
ほんと、すごい。

私は英語はわからないけど、英語と米語の雰囲気が違うような。
CIAで華やかな美女という外見はそれはそれでフェイクになるんだろうな。


下世話な話で申し訳ないけど、女性陣の胸の形が、
当時の下着で作られているような形だった。
上手く説明できないけど。
いろんなところを細かく作りこんでいるんだろうな。
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「海賊」上野&柄本/東京バレエ団

2021年09月26日 | バレエ・ダンス


東バ海賊最終日。

1幕。
三雲さんは音楽の勇壮さに対し線が細い踊り。
ソロ、と、役として一人で踊る、は別物なんだなあ。
スケールが小さい踊りというか。

水香ちゃんはメドーラではなく水香ちゃん本人なんだけど、
押し出しが強い踊りはさすが主役だ!

弾くんは初日のピリッとしない踊りとうってかわって活き活きしてる。
真ん中が合うというより単なる経験値かなあ。
宮川さんはジャンプも高いけど、
頭を下げる、その細かい動きにも芝居が入っていて、
立っているだけでもコンラッドとの身分差が出てる。

樋口さんのランケデムはチンピラ混じりというか阿漕というか、
3人の中では一番悪人かも。
三雲さんへのサポートが良い、特にリフトの降ろし方。

鳥海さんも海賊らしい荒々さがあり、
奴隷商人のワルとは違う傾向かな。
2幕が楽しみ。

オダリスク3人がバラバラだった。
技術レベルがバラバラなかんじ。
細かいミスが多い人がいた。
伝田さんは磐石。


2幕。
宮川さんがパ・ド・ドゥで出てきた瞬間、
シーザーのような「俺はやるぜ!」感が充満していて、
踊りはその気概通りにとても素晴らしかった!
正確なジャンプは高く回転の軸もブレない。
存在感、気迫が舞台に満ちていた。
振り切ってた。

水香ちゃんも力強い踊りで。
ダブル混じりの32回転の後半に
会場から手拍子が入りかけたんだけど、
それが納得しちゃうぐらい正確なテンポで、
客が釣られてた。
弾くんも良かったけど、
2人ほどの神々しさは無いかな。
政本さんは姐御!ってかんじでした。

ビルバントは、コンラッドの友人ではなく、
下剋上を常々狙っていたのかな。
ま、海賊だしな!

3幕
海賊手下の気持ちの流れを考える。
 戦利品を逃すなんて船長ひどいっす。
 俺ら黒い人について行きます。

 黒い人を倒した船長、強いっす。
 恋に命を賭けるのも最高っす。
 どこまでもついて行くっす。
 
 嵐。

ってかんじ?

マールイはコンラッド派とビルバント派の両方が(物理的に)いるけ
どこちらは6人が右往左往。

今日のパシャ様も美しい夢を見ていました。
御相伴にあずかりました。
木村パシャ樣ありがとうございました。
三雲さんは一幕より強いラインの踊りだった。

花園誰かが落とした飾りを
アルバレス君がさりげなく拾っていた。
カテコも指輪も磨いたり芝居が入っていた。


終演後は舞台機構説明。
幕の開け閉め、吊りバトン照明バトンの上げ下げ、
紗幕を通しての舞台転換実演など。
舞台スタッフは60人だって。
面白かった!

【配役】
メドーラ:上野水香
コンラッド:柄本弾
アリ:宮川新大
ギュルナーラ:三雲友里加
ランケデム: 樋口祐輝
ビルバント: 鳥海創
アメイ(ビルバントの恋人):政本絵美
パシャ:木村和夫
パシャの従者:ブラウリオ・アルバレス

第1幕 賑やかな市場
海賊たち:
 岡崎隼也、井福俊太郎、生方隆之介、大塚 卓、
 和田康佑、玉川貴博、海田一成、岡﨑 司
海賊の女性たち:
 金子仁美、加藤くるみ、髙浦由美子、榊優美枝、中
 沢恵理子、安西くるみ、最上奈々、鈴木理央
オダリスク:足立真里亜、中島映理子、伝田陽美

第2幕 海賊が潜む洞窟
海賊たち:大塚 卓、和田康佑、岡﨑 司、中嶋智哉、
海賊の女性たち:加藤くるみ、榊優美枝、菊池彩美、平木菜子

第3幕 パシャの宮殿
薔薇:
 中川美雪、涌田美紀、加藤くるみ、
 中沢恵理子、工桃子、長谷川琴音、
花のソリスト:
 二瓶加奈子、髙浦由美子、榊優美枝、
 上田実歩、菊池彩美、平木菜子

指揮:冨田実里
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力:東京バレエ学校

◆上演時間◆
第1幕  14:00 - 14:45
休憩        20分
第2幕  15:05 - 15:35
休憩      20分
第3幕  15:55 - 16:25
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