きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ブリキの太鼓」

2013年09月27日 | 映画
大人の醜さを見たオスカルは
大人になりたくないと思い、
3歳の誕生日で成長を止めた。

彼が暮らすダンツィヒは自由都市であったが
やがてナチスの侵攻を受け支配下に入る。


彼の姿はポーランドそのものであるらしい。
耳をふさぎ目を閉じ、蹂躙をやりすごす。

母もまた、ポーランドなのだろうか。
2人の男の愛を受け、妊娠し、死ぬ。
死ぬ時期がナチス侵攻にかぶっている。
親ナチの男の妻でありながら
反ナチの従兄と不倫を続け、
結局は従兄を選んで消滅したというのは
ポーランドに殉じた、とも受け取れる。

オスカルが成長するようになるのは
守るべき人ができたからなのか
新しい国ができたからなのか。
(でもそのあとソ連の支配下に入るからなあ)


思っていたほど不条理でもシュールでもなかった。
子供のままやり過ごす、というのは
一種の理想だよね。
コメント
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