きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ドレッサー」

2013年07月02日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
第二次世界大戦下のロンドン。
リア王を演じる「座長」は舞台に出たくないと言い、
座長夫人の女優と劇場支配人は上演中止を考え、
付き人兼衣装係のノーマンはなんとか座長を舞台に上げようとする。


もっとドタバタの喜劇かと思ったけど
ちょっと中途半端かなあ。
いろいろ緻密に積み重ねているのはわかるけど
私には合わないわ。

芝居や役者(出演者ではなく、職業人としての)への
大いなる愛情は感じたけど。

もう芝居はしたくはない、と言う座長は
舞台に上がり、自分ではない人間を表現する。
楽屋での彼が本当の姿。
それをせき立てるノーマンは
自分ではない誰かになりたかったのに
なることができないために
座長に自分の「夢」を託している。
座長=自分であるために、
座長と自分の中に不純物を入れたくない、
そんな話なのかな。
ウダウダ言いつつ責務を果たす座長、
献身をアピールしつつ、
一歩を踏み出せないノーマン。
どちらに勇気があるかと言えば前者だな。

役者は、役と自分自身との間を自在に動き、
自分がなにものかが定まらない人間は
自分自身を誰かに投影しないと生きていけないのかなあ。
役者はそれを意識してやって、
自分自身にも戻れるけど
ノーマンは何者でもない。


「大泉洋+喜劇作家の三谷幸喜」ということで
笑うのが目的で「水どうの洋ちゃん」を
見に来た人が多かったように思います。
それ自体はいいんですが、
笑わしてくれるはず、という心構えで
隙あらば笑おう、と思っているためか
笑いの沸点が低い人が近場にいて
ちょっとまいった。
無理して笑わなくてもいいのにな。


[作]ロナルド・ハーウッド
[翻訳]徐賀世子
[演出]三谷幸喜
[出演]橋爪功/大泉洋/秋山菜津子/平岩紙/梶原善/銀粉蝶/浅野和之/本多遼/長友郁真
コメント
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