きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「臨場 劇場版」

2012年06月30日 | 映画
私はTVドラマ版は飛び飛びにしか見てないんですが、
ちょっと微妙だったな。

警察の横暴、冤罪と、39条と、
若村麻由美のエキセントリックな演技を入れときゃ
2時間になるだろうという安易な作りに思えました。
どれもこれもドラマにしやすいけど
それだけ、よく使われているネタでもあると思います。
それを「いま」入れることに
あんまり意義がなかったような。

死亡時間をごまかす細工も、犯人も、
かなり前半でわかります。
細工があるわりには、
その時間帯のアリバイはあんまりハッキリしなくて
細工する必要があったのかな?
と思ったり。
(アリバイが不明という意味でなく、
 アリバイ崩しの過程の描写が不足しすぎだと思います。
 当初推定された殺害時刻にはっきりアリバイがあるのを示さないと
 この細工ネタは生きないんじゃないかな???)
誰かのためとかではないよね。
あんまりそこと付き合わせず、
「有能な検死官」を描くためのネタにしかなってないような。

犯人の動機については、
教会で長い長い独白(説明台詞)。
しかも浅見光彦並みの後付け理由。
え、そんな理由で、そこまでの小細工を?
(とういうか、小細工をしなければ
 倉石に気が付かれなかった気がする。
 気付いて欲しくて小細工を???)
ラスコリーニコフ気取り?
やけのやんぱち?
でも、自分が担当になってなきゃ
どうなっていたんだ、とか、
考えちゃうよなー。


推理ものと思ってはいけなかったのかも。
あくまでも、うっちーを堪能するための映画。
なんだかTVより芝居が濃い気がする。
舞台芝居のようだった。
薄汚い(ごめんね)顔が何度も大画面にアップになる。
その点は満足。

でもやっぱり、2時間枠の作品というより、
1時間を薄めて伸ばした感は拭えないかな。
科捜研の2時間スペシャルの方が
推理物としてはデキが良いと思うなあ。
「映画だから」にこだわりすぎて
本質を忘れているんじゃないかなあ。


まー、なんだ、
本当に恨みがあるなら、
足なんか撃たずに心臓を撃てよ、
と思ったな。


【追記】
そもそも論として。
刑法39条で裁かれないのを確信している加害者が許せないのなら
加害者から殺せばいいのに、と思う。
会う機会を作りつつあったんだから。
先に二人を殺したからこそ、
加害者が最終目的だと悟られたんでしょ?
で、阻止されたんでしょ。
時間がないから先にできることを、といっても
そのために最終目的を始末できなかったら意味ないじゃん?
しかも、最終目的と二人っきりになってから長い。
薬を打つ前に喉を掻け、と思うんだけど。
ここで生ぬるいことをしたから
倉石さんが間に合っちゃうんだよね。
「2時間ドラマの様式美を映画館で」
って目的ならそれもありかもしれないけど
それまでは社会派ぶって話を進めているから
余計に「違うだろー」と思うわけですよ。
逆説的だけど、先生方に襲いかかる加害者の異常さを見ると
39条適用もやむなし、と思えなくもないし。
いろいろブレ過ぎてるなー。
まあ、基本はうっちー堪能映画と思えばいいんだろうけど。
コメント
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