きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「3人のソナタ」「火の鳥」「アリア」/モーリス・ベジャール・バレエ団

2010年11月14日 | バレエ・ダンス
「3人のソナタ」
ジャン=ポール・サルトル「出口なし」に基づく
振付:モーリス・ベジャール 
音楽:ベラ・バルトーク (2台のピアノとパーカッションのためのソナタ第1楽章、第2楽章)
ジュリアン・ファヴロー
ルイザ・ディアス=ゴンザレス
ダリア・イワノワ

一人の男と二人の女。
閉鎖された出口のない空間で
それぞれ独立していたが
2:1の関係をいくつか・何回か作り
最後には元の一人ずつの存在に戻る。

なんか、フランス映画みたいだったなー。
難解、ってほどじゃないけど、複雑。


「火の鳥」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
火の鳥:ダヴィッド・クピンスキー
フェニックス:オスカー・シャコン
パルチザン:
 シモナ・タルタグリョーネ、フロランス・ルルー=コルノ、リザ・カノ、ホアン・サンチェス、
 マルコ・メレンダ、アンジェロ・ムルドッコ、ホアン・プリド、エクトール・ナヴァロ
小さな鳥たち:
 アドリアン・シセロン、ローレンス・ダグラス・リグ、ヘベルス・リアスコス、
 ファブリス・ガララーギュ、サンドリン・モニク・カッシーニ、オアナ・コジョカル、
 キアラ・パペリーニ、コジマ・ムノス


東バでは何回も見ているけど、
本場のは初めて。
あの衣装を西洋人が着るとこうなるのかー、とか
やっぱパルチザンってこういう雰囲気だよねー、とか
そのあたりを面白く見てました。
先日見た新国の「火の鳥」がもともとあったんだよね。
それを、こういうふうに作り替えたのは
やっぱ、すごい。(こういう言い方しか私にはできない。申し訳ないっす)

ただ、クピンスキーは、火の鳥にしては美しすぎる。
クラシックの王子様の容貌過ぎて
イメージが違って話に入りきれなかった。
。。。のは、木村さんが基準になっているからか?
パルチザンの中を美しく舞う姿は、
どちらかというと手塚治虫の「火の鳥」のイメージかも。


「メフィスト・ワルツ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:フランツ・リスト
ダヴィッド・クピンスキー、キャサリーン・ティエルヘルム

「日本のファンのために」、ジル・ロマンからのプレゼント。

男女二人の踊りは
いまこの瞬間もたくさん作られているだろうけど、
これを見ると、ベジャールの非凡さがあらためて感じられる。

動きのひとつひとつはクラシックの動きが殆どなのに
なぜこんな素晴らしい作品になるのだろうか。

内容は、ええと、美しい女の身体に魂を入れる魔法使い?
生者と死者が官能的に交わり合う。
素晴らしい作品だった。
クピンスキーの美しさは、こちらにはとても合っていた。


「アリア」
振付、演出:ジル・ロマン
音楽:J.S.バッハ、ナイン・インチ・ネイルズ、メルポネム、イヌイットの歌から抜粋
オリジナル音楽:チェリ・オシュタテール&ジャン=ブリュノ・メイエ(シティ・パーカッション)
彼:フリオ・アロザレーナ
他者:ジュリアン・ファヴロー
アリアドネたち: エリザベット・ロス、ダリア・イワノワ、カテリーナ・シャルキナ
若い娘:シモナ・タルタグリョーネ
闘牛士:ヴァランタン・ルヴラン
若者たち:
 マルコ・メレンダ、ホアン・サンチェス、ヴァランタン・ルヴラン、ホアン・プリド、
 ガブリエル・アレナス・ルイーズ、アドリアン・シセロン、大貫真幹、
 ファブリス・ガララーギュ、ヘベルス・リアスコス、シモナ・タルタグリョーネ、リザ・カノ、
 オアナ・コジョカル、サンドリン・モニク・カッシーニ、ポリーヌ・ヴォワザール、
 フロランス・ルルー=コルノ、コジマ・ムノス、キアラ・パペリーニ

自分の内なる魔物との戦い、、、
らしいけど、
私にはよくわかりませんでした。


◆上演時間◆
「3人のソナタ」15:00-15:30 「火の鳥」15 :30-15 :55
休憩 20分
「メフィスト・ワルツ」16:15-16:35 「アリア」16:35-17:20
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上野の国立博物館のお庭

2010年11月14日 | 旅行(お散歩・遠征含む)
映画とバレエの合間に
国立博物館のお庭に行って来ました。
(秋期限定公開中)




お茶室がいくつかあるのですが
今日はお茶会があるため内部の見学はできませんでした。









博物館本館




アジアン・ギャラリーの入口の獅子





特別展に行くお金がなかったので
常設展だけ行って来ました。
久しぶりに入った本館は記憶以上に広く
まるで
出口のない迷宮
行けども行けども、奥深く入って
なかなか出口が見えませんでした。
侮っちゃイカンねー。


上野の山も紅葉
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「クロッシング」

2010年11月14日 | 映画
14日です。
TOHOの日です。
東宝映画館の入場料が1000円です。
バレエの前に時間があります。
どうせ行くなら、前売り1500円の映画館でしょ。

というわけで、
事前情報無しにシャンテシネ上映の「クロッシング」へ。

原題は「BROOKLYN’S FINEST」。
ブルックリンの警官達。
その名の通り、3人の警官の物語が
それぞれ独立して進みます。

一人は老警官のエディ(リチャード・ギア)。
退職まであと7日。
(定年退職ではないけれど
 それ以降務めても年金額が上がらないので退職する)
妻とは別れ、家族もなく、
事件が多い町で心が折れ、
なるべく事件には関わらないように生きている。

一人は若い警官のサル(イーサン・ホーク)。
子供が3人、妻は双子を妊娠中で喘息持ち。
家の黴が妻の肺に入り健康を害している。
子供が増えることもあり、良い環境に移りたい。
そのための資金はどう工面すればいいのか。

一人は潜入捜査官のタンゴ(ドン・チードル)。
長すぎる潜入に妻は離婚を申し出る。
麻薬密売組織の中で、
(本当は仲間の)警官に殺される恐怖を抱え、
組織の仲間に友情を持ち始める。

それぞれが、やるせない人生。
自分の「正義」を貫くため
重苦しい空気の中、3人の人生が一瞬交わる。

そういった意味で邦題は「クロッシング」なんだろうけど。
サルが懺悔をしたり、エディが買った女の部屋に宗教画があったりで、
「十字架」の意味もあるのかな。

一見別々の話でありながらも
最初の話が、最後にうまく結びつくなど
話の構成も緻密だった。
それぞれの気持ちがわかり、
追いつめられていく閉塞感を感じながらも
後味は悪くない、とても重厚な作品でした。


ただ、ラストは・・・
ギアは、「あんな男(この程度の男)」で終わって欲しかったような・・・
仕方がないかー。
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