きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

演劇フォーラム第6回 宝塚歌劇【宙組】

2008年04月25日 | 宝塚(宙組)
プログラムは

1.白州次郎の思い出 
 お話=牧山圭男氏(旧白洲邸武相荘館長)、聞き手=織田紘二氏
2.宝塚におけるダンディズム
 お話=轟悠さん/藤田洋氏
3.「黎明の風」作品意図について
 お話=石田昌也氏、聞き手=織田紘二氏
4.座談「黎明の風」作品について
 お話=石田昌也氏、轟悠さん/大和悠河さん/蘭寿とむさん/北翔海莉さん
 聞き手=藤田洋氏

いつもは、もう少し作品や作品世界に対し
深く考察するプログラムもあるのですが、
今回はトークショーに近かったですね。
以下、大変申し訳ありませんが、一部敬称略で、簡単に。

1.にご出演の牧山圭男氏は、白洲次郎の娘・桂子さんのご主人で
(白州次郎から見ると娘婿ですね)
・現在は白州次郎が住んでいた武相荘の館長さんです。
 芝居を見ての印象は・・・
 恥ずかしくて見ていられない
 自分の身内の話ですもんね。
 なるほどなるほど。
 しかし、宝塚歌劇というものは
 甘いメロドラマでヒュッと終わるもの、と思い込んでいたけれど
 政治的な話も織り込まれしっかりした芝居だった。
 ハードボイルだった。
 ともおしゃってくださいました。
・桂子さんとの馴れ初めは、牧山さんのお父さんが所属していた
 軽井沢のゴルフクラブに白州次郎も入会していた。
 (恐いけどカッコイイおじさん、だそうです)
 牧山さんが高校生の時、友人から紹介された。
 男友達と同じような感覚で付き合っていたけれど
 スキーで骨折したとき、誰よりも多く見舞いに来てくれたのが
 桂子さんだったそうで、そこから結婚を決意。
 白州次郎に結婚の許可をもらいにいったら
 「君にお願いされることはないよ。
  子供の結婚に反対する気はない」
 と言いながらも、暖炉に火をくべてて
 こちらを向いてくれなかったとか。
 結婚式の日に桂子さんに
 「お前、いやならすぐ帰ってこいよ」と言ったとか。
・白州次郎といえば・・・
 プリンシプル=筋を通す
 私(わたくし)しない
 自分のために動かない
 ユーモアがある
 弱者に優しい
 ただし、ポーズも忘れない
・武相荘には耕運機も。
 車好き、というより機械好き。
 合理主義者。
 あぜ道も早くコンクリートにすべきだと言っていた。
・カントリージェントルマン
 中央からすこし離れている。
 地理的にも政治的にも。
 ロマンティック、合理的、の二面性を持つ
・憲法作成について
 語りたがらなかった。
 資料らしきものは、亡くなる寸前に寂しそうに
 ポンポン燃やしていた。
 日本独自の憲法を作ろうとしていた。
 そのために、「殺されるかもしれない。殺されてもいい」
 しかし、押し切られた。(=負けた)
 憲法作成の過程等について
 正子さんが「あなたしか知らないことがあるんだから
 誰かに書かせた方がいいわよ」と進言。
 作家の選定もしていたが、結局止めた。
 次郎曰く
歴史は
残された者が
勝手に解釈するもの

・ジェンヌと付き合っていたという噂について
 桂子さんからは口止めされていたが
 舞台では大声で叫んでいた。
 誰だか聞こうとしたら「忘れた」と言われた。
 国家機密に近い
 →それだけ口が堅かったんですね。
・日本は武力を放棄させられた。
 それと一緒に武士の心も、日本人の心も放棄させられた。
 心のよりどころがなくなった。
・日本人は白州次郎からなにを学ぶべきか
 次郎はケンブリッジ留学中のテストに自信があったが
 教授からは評価されなかった。
 理由を聞くと、「これは自分の講義内容であって、君の意見がない」と言われた。
 それ以来、自分で考え、自分の意見を持つようになった。
 いまの日本には、信念を持って、志を持って言う人は少ない。
などなど。
白州次郎の近しい人の生の声を聞けて
とても勉強になりました。

2.は、まあ、わりとよくある話なので割愛。
バトラーを演じたときの相手役は
「一路さん、香寿たつき、朝海くん、瀬奈さん」
呼び方に差に、轟さんとの関係性が窺えますね。
ルキーニの役作りは、当時、資料は写真1枚しかなかった。
じーーーーと見つめて、
「これ」ではなく、「こんなかんじ」という
大まかなイメージからスタートした。
・歴代スターの写真が出たときに
 「オクラホマ」で歓声があがりました。
 客席に、リアルタイムでファンだった方がいらっしゃったかな。

3.で印象深い話は、
小林公平氏が白洲次郎の長男・白洲春正氏(元東宝東和社長)と
親交があったことから、
公平氏が白州次郎の物語を宝塚化することを思いついた。
それを石田先生に振った。
「You、描いちゃいなYO!」
親族の許可を求めたら、あっさりOKが出た。(ご自由に、と言われたらしい)
芝居にするにあたっては・・・
1時間半の芝居。音楽と歌を除くと1時間。
いろんなエピソードを削った。
 ・マッカーサーの息子の話とか
 ・吉田茂のクリスチャンの部分とか

4.は、ファンサイトに書いてあるでしょうから
その辺を参考にしてください。
微妙に噛み合っているんだか、噛み合っていないんだか
温いトークが面白かったですw
轟さんがまとめ役というか、頼られているというか。
印象深いのが私服ネタ。
ほっくんはピンクのスーツを着てたそうだ。
それが轟さんにインプットされているみたい。
あと、こっちサイドでの話だったと思うけど、
石田先生は第一稿には小林一三先生も登場させて
「うちの生徒に手を出すな!」と文句を言わせようと思っていたけれど
プロデューサーに止められた。
理由は、専科の轟を叱れる生徒はいない。
春日野先生を出すしかない、とのこと。

こんなところでした。
次回も楽しみにしています。
コメント
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