きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「バヤデルカ」コレゴワ&コルプ/レニングラード国立バレエ

2008年01月10日 | バレエ・ダンス
ういー。
当日券で行ってきました。
満遍なく入っていたのは1階のみ。
2階以降のLRの人はまばら。
私はゆっくり5階正面席で全体を堪能。

コレゴワは、まあ、悪くはない。
身体能力は高そうだし、
1幕のソロルとの逢瀬の笑顔は可愛らしかったので、
キトリは期待できると思いますわ。
ただ、笑顔以外が無表情っぽいし、
幻影の場面は、たんに踊っているだけで
スピリチュアルな部分は皆無。
それならペレンの方がいいじゃんかー、と
ちょいと思いました。
ゲスト代差額はコルプ一人にあげてもいいよ。
コレゴワレベルのゲストを呼ぶのなら
ウチの子を使ってよ、と思いました。
ただねー、エフセーエワとの身長のバランスはいいです。
1幕終わりの喧嘩が、ドロドロではなく
少女同士の喧嘩のようでした。
でも、大人より少女の方が残酷な時ってあるよね。

コルプは、とっても良かった!
出だしがすごく自然。
マールイの舞台に馴染んでいる。
苦行僧マミンや隊長ヴェンシコフとのやりとりも
「マイム」ではなく、ちゃんと「会話」になっている。
YOU!
マールイの人に
なっちゃいなよ!

と言いたくなりましたが、まあ、
キーロフの看板を背負って欲しいから我慢しよう。
遠目に見ると、背は高いし、手足も長いし
時々ルジに似ていた。
ルジと動きが似ているのは、同じキーロフなのだからか、
それとも仕込まれたのか。
他の演目では、ナルシスト的な妖しい雰囲気が魅力だけど
今日は、胡散臭い顔(ちょいとヒゲあり)に爽やかな笑顔は
余計胡散臭く見えることもあるけれど、
(ヒゲはどうなんだ。
 剃って欲しい気もするし、インド人っぽくなってる気もするし)
決してニキヤ役より前に出ようなんてところはなく、
パートナーをしっかり支え、もり立てていました。
コレゴワ、エフセーエワ、両者ともうまく合わせていました。
えらいなー。
ソロルとしての演技はわかりやすい。
ニキヤと会って♪ルンルンルン
藩主に娘と結婚しろって言われて、えー、そんなー、
でも藩主に「イヤと言えると思っているのか」と脅され
しぶしぶガムザの腕を取る。
でも藩主の忠実なる家臣だから
ガムザの前で不満そうな顔などしないんだわよ。
でも、ニキヤがお屋敷に来ると、
彼女の顔を見るのが辛いーーー、
でも、ついつい彼女を見ちゃうーー、
その葛藤ぶりは見応えがあります。
でも、なんでだか、聞こえる声(幻聴)は英語なんだなー。
Oh No! Oh My God!!! みたいな。
婚約式、ブルーの衣装は胸の部分にベージュのあて布有り。
(出し惜しみするなよ!)
ニキヤの顔は見ないようにするものの、
泣きはしない。(その点は大人)
時々立ち上がり、胸の前にこぶしを作ってはみたりするけど
そのたび隊長に「席にお戻りください」とばかりに諭される。
その逡巡振りもなかなか良しよ。
3幕の衣装は、レモン・イエローが基調。
あれって婚礼用の衣装なんだ、と今更ながらに気が付きました。
ってことは、阿片に逃げるのってマリッジ・ブルーか。
踊りはすべてよかった。

エフセーエワのガムザがねー。
ちょっとシェスタコワのガムザに近くなったわ。
婚約式では自信たっぷりでした。
ちょっと残念だなあ。
 あなたが欲しい・ニキヤは消えて欲しい・でもそれによってあなたに嫌われるのがイヤ
そんな考えがグルグルしていた方が好きだったんだけどなあ。
でも、コレゴワには今日の方が合うのかな。
ニキヤが倒れ、ソロルが身体を背けたとき
初めて辛そうな顔をした。

んでーーー。
シェミウノフくんの大僧正ですよ。
この人はねー、僧籍にあれど僧侶に非ずです。
宮様が名跡の跡取りとして出されたとか、
親が政争に敗れ、子供は死刑だけは免れ僧院送りになったとか、
そんなカンジです。
基本は王子様なんですよ。
高貴で孤高。
でも、もともとは普通の若様だから
女を愛するのは当たり前っす。
生臭じゃないんですよ。
「こんなにお前を愛しているんだ」が
すごく切ないよーーー。
最後に一人残されるのも、ニキヤ達の弔い用に残されたのかもね。
ブレグバーゼだと、残されることこそ
彼にとってもっとも辛い罰、に見えるんだけどね。

あとは、なんだ。
ヴェンシコフの隊長もいいけど、
もっともっと濃く・クドく、と思うのは間違いかしら。
奴隷はツァル。
うほほー。いいねー。
ちょいとリフトがヤバかったかな。
でも、いいんだ。
あまり顔を描き込んでなくて、
ピンで(正確にはニキヤとニコイチ)なんて
あんまりないから嬉しいのよー。

太鼓隊は迫力があった。

婚約式のグラン・パは前よりレベルが高いかも。
幻影のバリエーションも豪華。
プリマ勢揃いだもんね。
ミリツェワ、ペレン、コシェレワの順で登場。
正直なところ、そのあとに踊ったコレゴワが
ちょいと見劣りしたよ。

群舞は、どうでしょう。
ここなら、もっとやってくれる気もするけれど
これぐらいなら及第点?
幻影の出だしが、ちょっとやばかったけど。
一部間隔がヘンな気もしたけど。
グラグラな人もいたけど。

そうそう、婚約式の時の
男性赤衣装隊の中にフィリモーノフがいたような気がする。
豪華?
無駄遣い?

寺院崩壊の時、ライトが落ちずに
セット転換が丸見えでした。
でも、ああなっているのかーーー、とわかって
ちょっと得した気分。

カーテンコールにルジ登場。
細かったです。


とりあえず。



ニキヤ(バヤデルカ):アナスタシア・コレゴワ
ソロル:イーゴリ・コルプ
ガムザッティ:エレーナ・エフセーエワ
大僧正:マラト・シェミウノフ
ドゥグマンタ(藩主):アレクセイ・マラーホフ
マグダヴィア(苦行僧):ラシッド・マミン
アイヤ(ガムザッティの召使い):ナタリア・オシポワ
奴隷:ウラジーミル・ツァル
隊長・ミハイル・ヴェンシコフ
ジャンペー:エレーナ・コチュビラ、ユリア・カミロワ
黄金の偶像:デニス・トルマチョフ
マヌー(壷の踊り):エレーナ・ニキフォロワ
インドの踊り:アンナ・ノヴォショーロワ、アンドレイ・マスロボエフ
太鼓の踊り:アレクセイ・クズネツォフ
グラン・パ:
 イリーナ・コシェレワ、エレーナ・コチュビラ、タチアナ・ミリツェワ、ユリア・カミロワ
 アレクサンドラ・ラトゥースカヤ、エレーナ・シャリコワ、サビーナ・ヤパーロワ、マリア・リフテル
 デニス・モロゾフ、ニコライ・コリパエフ
幻影の場面 ヴァリエーション:
 イリーナ・ペレン、タチアナ・ミリツェワ、イリーナ・コシェレワ

指揮:ミハイル・パブーシン
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

(プログラムより一部補記)
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