きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ニジンスキーの伝説(キャストA)」東京バレエ団

2007年09月12日 | バレエ・ダンス
「レ・シルフィード」
プレリュード:小出領子
詩人:木村和夫
ワルツ:西村真由美
マズルカ:奈良春夏
コリフェ:乾友子、田中結子

初日ではあるけれど再演なので
木村さんは落ち着いた踊り。
初演の時は森番に近かったけど、今回は「詩人」でした。
腕の動きにものすごく神経を使っていたんじゃないかな。
ちゃんと「リリカル」って引き出しがある人なのになあ。
(ヒラリオンの時も少し開く)
どうして初演だと「火の国・熊本」になっちゃうんだろ。
(でも、そこも好きだったりするんだけどさ)
長身で手足が長いので、絵になる。
そりゃ、金髪碧眼じゃないからさ、
幕が開いたと同時に、美しさに溜息、にはならないけどさ。
小出さんの浮遊感が素晴らしい。
ふわ~っっと浮き上がる。
そして、身体からはショパンの音楽が聞こえてくる。
音に合わせて踊っているのではなく
身体で音楽を奏でているのよ。
「ジゼル」を見たいなあ。
田中さん、奈良さん、西村さん、乾さんも美しい。
中堅が確実ってのは良いなあ。
(余談だけど、奈良さんって香椎由宇に似ていると思う)
東バダンサーを見るにはいいんだけどね。
他の人が目当ての人には退屈な演目だろうなあ。


「薔薇の精」
薔薇:マチアス・エイマン
少女:吉岡美佳

マチアス君は若い。
ジャンプや回転の終わりは、
もうちょっと気を使って欲しいとは思うけど
なにしろスジェだ。そこまで要求してはいけないね。
跳躍も素晴らしいけれど、腕の使い方がうまい。
(この場合の比較対象は年齢的に近いプローム君だったりする)
クネクネクネクネ。
役もしっかり作っていた。
オペラ座の層の厚さって、すごいなあ。
吉岡さんは、最初は可憐な少女だったのに
マチアス君に乗せられたのか
いつも以上にパワフルな踊りだった。
薔薇の精に誘われて踊るのだから、これで正解だろうけど。
こういう、勢いのある吉岡さんは珍しい。
ありがたいものを見た。


「牧神の午後」
牧神:シャルル・ジュド
ニンフ:井脇幸江

後藤くんが怪我で降板したため、牧神はジュド。
アナウンスがあった時、隣のおばさんは小さく拍手をしていた。
後藤くんを楽しみにしている人だっているんだよーーー。
ちょびっと怒りモードの私でも、幕が開いた瞬間、息が止まった。
すごすぎる
絵画そのものだった。
横向きで動く、その、どの瞬間を切り取っても
美しい絵画になりそうだった。
ジュドは、まさしく神。
光藍社の公演でも観ているはずなのに、
神々しさが全然違う。
井脇さんも美しく、牧神と一緒に動くところは
ちょっと官能的だった。
他のダンサー達の「横向き」もハマっていた。
カーテンコール、女性ダンサー達が横向きを崩さないところに
ジュドは、スタスタ歩いてきた。
それさえも素敵。
私の周りでは拍手が少なかった。
なぜなら、皆さんオペラグラスで熟視していたからだった。

「ペトルーシュカ」
ペトルーシュカ:ローラン・イレール
バレリーナ:長谷川智佳子
ムーア人:平野玲
シャルラタン:高岸直樹

ジュドの至芸の後は、イレールの至芸。
これまた素晴らしい芸術作品だった。
前に見た首藤君が良いとか悪いとかではなく。
イレールは全然別の次元。
西洋人が踊るからなのかしら?
弱い立場の人間を、冷酷に笑うことができる。
日本人だと可哀相、の気持ちが先立つところが
笑いに転化する。
不思議だ。
*客が笑うわけじゃなくって。
 「笑われる存在のペルトーシュカ」が
 理解できたというのか。
長谷川さんのバレリーナが可愛かった。
群衆の踊り比べの女の子達が可愛かった。

と、いろいろ感動してたのに。
フランス人が白塗りすると
マルセル・マルソーだよなあ、と、密かに思って。
なんだか白塗りのイレールは
どことなくミスター鈴井に似ているよなあ、とか思ってきて。
そしたらムーア人が洋ちゃんに見えてきて。
それならバレリーナはヤスケンかとか思って。
舞台もなんだか平岸高台公園に見えてきちゃったよ。
ごめんなさーーーーいいっっっっ!


オケはいろいろヤバかったな。

2階の後列でしたが
わりと見やすかったです。
「レ・シル」の照明が明るすぎたけど
他は概ねOKな会場でした。

マラーホフファンのロウテンションと
パリオペファンのハイテンションと
後藤君降板でちょっぴり悲しい東バファンとで
妙な雰囲気の会場でしたね。

東バって、代役はどうなっているんだろう。
そりゃ、ジュド様を見ることができて
嬉しかったですよ。
ありがたかったですよ。
マラーホフ降板でガックリな人には朗報でしょう。
でもさ。
もうゲストが二人出ているんだからさ。
本来のアンダーでも見たかった気がちょっぴり。
アンダーが誰だかわからないけれど。
それとも、万が一の場合のアンダーは
ジュド様だったのだろうか。
でも、ジュド様もダメな場合に備えて、
キャスト表に出ないアンダーがいると思うんだけどなあ。
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後藤さんが怪我で「牧神」降板

2007年09月12日 | バレエ・ダンス
NBSの「本日のキャスト」によりますと

  2007/09/12 東京バレエ団<ニジンスキー・プロ>本日のキャスト


 ※「牧神の午後」に出演を予定しておりました後藤晴雄は
   脚の怪我の回復が遅れ出演できなくなりました。
   代わって12日、13日の「牧神の午後」は急遽シャルル・ジュドが
   牧神を演じます。ご了承ください。

とのことです。
これを「ジゼル」の時にも発表してくれればなあ。
文句を言わずにフォーゲル君とかをしみじみ見たのに。

なにはともあれ。
後藤さんの怪我の回復をお祈りします。
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