きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ブロークバック・マウンテン」

2006年04月01日 | 映画
 1963年。ブロークバック・マウンテンでイニスとジャックはシーズン限定の羊番の仕事に就く。片方は野営地で食事に支度、片方は羊の群れで羊を監視。食事の時以外、人と触れる時間がない彼らの間に、しだいに友情が芽生えていく。いつしかそれは肉体関係へ。しかし、自身が同性愛者と言えない彼らは、お互いに家庭を持ち、年に数日だけの逢瀬を重ねるのだった。そんな関係を続けて20年。時に喧嘩をしたり、別れ話が出たり・・・。
 
 「禁断の恋」という言葉は軽すぎる。私は非キリスト教徒の女性なので、同性愛者への排斥感情とか、男性におけるペニス喪失の恐怖感とか、理性では知っていても、感情は伴わない。伴うことができない。両方が感覚的にわかる人であれば、イニスの「恐怖感」が理解できて、ジャックとの人生が考えられないのも実感できるんだろうなあ。非生産的な生殖行動は神の教えに背く、までは、理解できるんだけど、背いた者を排斥する、リンチにかける、ってのはわからない。イニスは、子供時代、いわゆる「男夫婦」の片割れが殺される事件があって、「父が手を下した」と言っていた。ってことは、同性愛者は、一般人が、殺しても良い、って風土があったってことだよね。同性愛者は殺される、殺されてもOK、という風土があったということだよね。「父が手を下した」が、「罰をあたえ(ら)る」ことへの恐怖に繋がることはあっても、単純に「人を殺した」という面での恐れはないようなのが、なんちゅうか、清教徒の国アメリカだなあ、と。
 そして、この恐怖がおそらく、イニスに「正常な家庭を営む」ことから遠ざけたんだろうなあ。父=家長=神に背いたら、排斥される。背いている自分は排斥されるべき。その気持ちが、家庭や家族に壁を作っている。イニスが離婚されたのは、ジャックとの濡れ場を見られたのではなく、真に家族と向き合っていないと、気がつかれたからだと思うなあ。
 対するジャックは、年に数回の「行為」では我慢できない。短絡的な思考の持ち主だと思われた彼の方こそ、実は、「家族」というものを知っていた。「将来」というものを知っていた。それがわかった時に、イニスはジャックの気持ちを受け入れ、なおかつ、娘にも向き合うことができたんだろうなあ。肉欲とか、同性愛とか、そんな部分よりも、もっと深い「愛」が、この作品では語られている。ように思う。幼い頃よりずっと自分は家族に否定されてきた、と思い込んでいた男に、家族をあたえてくれた男の話、だよね。自分が孤独ではない、誰かと共にいる、と信じられる者は、幸福なんだなあ。
 ヒース・レジャーが演じるイニスは、とっても不器用な男だった。もう一歩踏み出せれば、と、外野は思うけれど、踏み出せないのも、またわかる。その葛藤が苦しい。対するジャックのジェイク・ギレンホールは下睫毛が長いよな~~。目先のことしか考えないように思えた彼が、一番、夢と長期ビジョンを持っていたんだなあ。
 ジャックはもともとがネコだったのだろうか。誘惑するのがうまい、ってか、手慣れているよね(ジャックであって、ギレンホールのことではない)。イニスも手を握られたぐらいですぐに入れるなよ~~、と、そんなことも思うけれど、そればっかりじゃないので、萌え~~な腐女子的感覚で見に行くと期待はずれになりますよ。


まことに余談ながら。
これを見に行くと会社の人に言っていたのですが、
横文字が覚えきれず、
「アカデミー賞を取ったカウボーイ物」と言ってしまいました。
幸い、相手もわかってくれましたが。
「マウンテン」しか覚えられないよ!
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「THE MYTH/神話」

2006年04月01日 | 映画
 考古学者のジャックは、何度か同じ夢を見る。自分が始皇帝の部下の蒙将軍で、高麗から嫁いだ玉漱の護衛についたことから、彼女と深く愛し合うようになるのだ。ただの夢かと思っていたが、インドの遺跡で見つけた肖像画から、夢が本当にあったことかと思うようになる。さらに調べを進めるうちに、始皇帝が作った巨大な地下都市(霊廟)を発見する。

 ジャッキー主演の映画は、最近はワタシ的にハズレが多かったので、今回は最後の「NG集」を目当てに・・・と思っていったら、これが、まあ、正統派の冒険活劇。宝探しありーの、コスプレで大合戦ありーの、美姫との恋物語がありーの、悪の陰謀ありーの、友情がありーの、前世話ありーの、加えてジャッキーのアクションありーので、すっごい盛りだくさんな内容でした。詰め込みすぎかな~~、とも思うけれど、まあ、なんとかついていけました。「中華風インディ・ジョーンズ」ですな。
 将軍時代のジャッキーは兜のせいか、顔が長く見える。でも、現代のジャックは、襟足が短くて可愛いよ!滝に突入するときの装備が「鬼」みたいだったよん。ヒロインはキム・ヒソンは美しい。朝鮮の衣装も中国の衣装も似合う。ちょっと現代的な顔立ちなような気がするけれど、美人だからOKだわよ。儚げなところがいいわ。ジャックが蒙ではないと知ったときの表情は泣けた。同じ人なんだよ、と言っても無駄なんだよなあ。ジャックの友人はレオン・カーフェイなのでR。ダークサイドに進むも改心するけど・・・な、おマヌケさんね。NG集ではジャッキーから「北京訛りの広東語」とか言われていたなあ。唯我独尊な強引さがたまりませんなあ。玉漱の元婚約者が、えらくイイ男だった。
 「カラーの兵馬俑」は、それはそれは綺麗でした。「これ」を目指したんだなあ、あれらの副葬品は、と、大感動さ!
 アクション、とりわけて合戦は、迫力はあるけれど、まあ、平凡。それよりも、寺院の登り降りとか、単純にあっさりやっちゃう動きの方に感動。あんなに簡単に登れないよ!
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「かもめ食堂」

2006年04月01日 | 映画
 サチエはフィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」を営んでいる。メインメニューはおにぎり。だが、客は全然来ない。最初の客は日本オタクの若い男の子だった。彼に「ガッチャマンの主題歌を教えてくれ」と言われるが、最初のフレーズから先が出てこない。街で見かけた日本人・ミドリに尋ねると、教えてくれた。それがきっかけで、ミドリは「かもめ食堂」を手伝うことになる。さらには、機内預け荷物が見つからず途方に暮れるマサコも加わる。
 
 なにか大きな筋があるわけでもなく、大きな事件があるわけでもなく。でも、人間って、大人って、人生を変えるときには大決断が必要だと思って、なかなか実行に移せないけれど、時には流れに身を任せれば、そして、なんとなくでもいいから「変わりたい」と思いさえすれば、変わっていける、そんなことを語りかけてくれる映画でした。穏やかな時間だけれど、確実に過ぎていく時間。目を吊り上げて、肩肘を張って、、、そんな前進方法でなくても、自分ができることを着実に進めていけば、いつかは良い時がやってくる。見終わって、幸せな気分になりました。

 主演は小林聡美。料理が上手。に見える。三谷さんが羨ましい。独特な雰囲気・存在感ながらも、穏やかに着実に歩を進める大人の女性でした。有名になるとか、儲かるとか、そんなことは目的としていない。街行く人が気軽に入れる食堂にしたい。望みが「ささやか」なのが、いいよね。片桐はいりも、もたいまさこも、「大人」なのがイイ。誰もが重荷を背負っているけれど、それを理由に前進を止めちゃいけないんだなあ。原作は群ようこ。その雰囲気も良く出ていました。ちょこちょこっとした小ネタとか。通りすがりに見えたおじさんに重要な意味があるとか。
 
 ヘルシンキって街が、いいんだよなあ。おだやかで、でも、澄んだ空気に適度な緊張感がありそうで。これがアメリカでもロンドンでもアジアでもダメで、フィンランドのヘルシンキだからこそ、いいんだなあ、って、なんだか思うわ。本当に「空気ギター大会」ってあるのかしら。

 
見終わるとねーーー。
  ・おにぎりが食べたくなる!
   (豚肉の生姜焼きも食べたい!!)
  ・フィンランドに行きたくなる!
とりあえずガッチャマンを歌っちゃおう!
「割れたら二つ」じゃないよ!!!


シネスイッチでは、上映前のCMの
「『ごはんですよ』でパスタソースを作る」で
どよめきの声が・・・。
美味そうな気もするし、不味そうな気もする。
どっちかしら?
コメント (2)
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桜とゲコ&ルジマトフのポスターを自作する 他

2006年04月01日 | その他イロイロ
銀座に映画を見に行ったついでに、
日比谷公園界隈の桜の写真を撮ってきました。




まとめページは  コチラ


ところで。
6月上演の「ラスプーチン」(ルジマトフ主演)。
私はこのチラシの写真が、
大好き!
ポスターで発売されたら、すかさず入手して
毎日拝みたいぐらいなのですが
いままで、そのような例はないので、
たぶん今回も出ないでしょう。
仕方がないので、自作しました。
と、言っても、チラシを貼り合わせただけ。
3×3で、9枚使用。



ふふふ、素敵でしょ?
部屋を出て行くたびに、9人のルジとご対面。
幸せ。
(バカなのは自覚しているので余所に曝さないでね)


ファルフ~~っ!好き、好き~~~っっ!!

ポスターコーナー全域。
松田さんが一番薄いという、世にもまれなる空間。。。


今年のエイプリール・フールは
土曜日のせいか、gooもyahooも、スペシャルサイトがないね。
某所の日付が「2006/03/32(土)」になっているくらい?
RED&BLACKも、なんにもないみたい。
「eyes」が発行されたばかりだからかな?
前号の感想を書き忘れたなあ。

・インタビュアーの質問が的確だった
・卓治にネクタイは新鮮だった

が、主なところでした。
最新号は月曜日以降、会社で見ます。予定。


ここで言うのもアレだけど、
アサコちゃん、お誕生日おめでとう!


いま、TVで指輪3を見ているんですが。
新聞のTV欄の出演者が

 イライジャ・ウッド/オーランド・ブルーム

に、なっている。
なんでーーーーーっっ!
サブ・タイトルは「王の帰還」なんだよ!
王様の名前を出さずにどーーーするんだ!!
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