きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」

2005年05月07日 | 映画
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語スペシャル・エディション

 突然の火事で両親を失った三姉弟妹。後見人となったオラフ伯爵は、彼らの両親が残した遺産を奪おうと、あの手この手で子供達を殺そうとする。幾度もの危機を、発明家のヴァイオレット、両親の蔵書を全て読み尽くした博識のクラウス、なんでも囓るサニー(乳児)は、力を合わせて乗り越えていく・・・。
 ↑だけ見ると、子供達が明るく未来を切り開いて行く話のように思われるかもしれませんが、ちょっとドロドロした雰囲気で、「幸せに暮らしました。おしまい。」に行き着く寸前に次の不幸が降り注ぐという構成で、なかなかに面白かったです。人生は、特に両親を亡くしたこの子達の将来は、全ては薔薇色ではないけれど、みんなで力を合わせて乗り切って(←この言葉が一番合うと思う。「克服」ではないの。対症療法。でも、人生ってそんなもんよね、みたいな暗示)いくんだろうなあ、と思わさせるラストも悪くない。スッキリしないけど。全体的にティム・バートン廉価版みたいなカンジだったわ。
 オラフ伯爵を演じるのはジム・キャリー。「オラフ伯爵の変装」という設定で七変化。いつもは濃すぎてたりすぎてイヤだわ~、と思うことの方が多いのですが、今回はそれが良い方向に作用したと思います。メリル・ストリープも出演。オスカー女優なのに、こういうイロモノもうまいんだよねえぇ。子役達も芸達者。でも誰に似ているか思い出せない。長女はソフィー・マルソー?長男はお笑いの蘊蓄垂れに似ている??
 ゴシック調のファンタジー要素満載の画面はとても好きですし、前半のテンポも良かったのですが、両親が「どうやって」殺されたかはわかったけど「なんで」殺されたのかはわからなかったし、望遠鏡の意味とも解けきれなくて、最後はちょっとムムム。でした。
 エンディング・ロールがとっても凝っているので、最後まで席を立たずに見てくださいね。影絵っぽいの。これが原作の挿絵なのかな?そうならちょっと読んでみたいかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「阿修羅城の瞳」

2005年05月07日 | 映画
阿修羅城の瞳

 師匠は「『魔界転生』みたいなもの?」とかおっしゃっていましたが、違いますです。邦画で言えば「新・里見八犬伝」。さらに言えば、ちょいと昔の特撮、っていうのが一番近いイメージではないでしょうか。アクションも、イマドキのワイヤー系ではなく、バック転多様のJACだし。
 江戸時代、異界に住む鬼が現し世(うつしよ)に甦りつつあった。密かに人間の世界に浸透する彼らを闇の奉行「鬼御門(おにみかど)」が迎え撃っていた。その副長・病葉出門(やわらばいずも)は、ある日少女を斬ったことにより役目を辞し役者となる。それから5年後、出門はひょんなことから「つばき」と名乗る女と知り合う。つばきには5年より前の記憶がなかった。鬼の侵攻は進み、その先兵・美惨は言う。「阿修羅目覚めるとき、通(さか)しまの天空に不落の城が浮かび、現し世は魔界に還る」。鬼の王「阿修羅」が甦れば現し世が滅ぶ、のだ、と。
 市川染五郎は、ウマイと思う。殺陣も良いし、台詞回し(滑舌・口跡)も良い。鬼ごろしの時の殺気と、役者の色男の演じ分けもいいと思う。気障っちい台詞・仕草も合っている。いるんだけど・・・。ワタシ的に、この雰囲気と染五郎ののっぺりした顔がちょっと合わなくて、アップになる度に違和感を感じて仕方がありませんでした。太股チラリとか血まみれとか、本来色気を感じるべきツボで『違うんだよなあ』と思っちゃうの。役に対して、顔の造作が淡泊なんだよねえ。あくまでもワタシの好みなんですけど。これがもうちょっと「濃い」顔・雰囲気だったら萌えまくりなんだけどなあ、と。たぶん市川雷蔵が演ったら通っただろうな。リカちゃんでもイケそうだ。それくらい出門自体は好みなんだよなあ。舞台で見たら気にならなかったと思うんだけど。りえちゃんは転生後の表情はなかなかに迫力。衣装も似合っていたし(殺陣は目をつぶって)。。ただ、前半のラブ・シーン、腕が細すぎて色気がないのが残念。樋口可南子さんの美惨がイイっす~。ステキ~。小日向文世さんの戯作に生きる南北もイイ味です。「おもしろい」が本当に面白いっす。
 映画としては、ちょいとテンポ悪し。もうちょっとサクサクッと盛り上げてくれれば、なお楽しかったと思うな。女形の使い方とかはさすがに新感線。画面自体は好みでしたわ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする