ひどく分かりにくい所にあってあちこちで尋ね倦ねて何とか到達、しかし苦労するだけの事はある見事な大楠に出会う事が出来ました。
有田神社と言うもののあの紀州みかんで有名な有田ではなく串本町有田で随分遠く離れているがややこしい。
串本中心街から42号線で約15分程西進、有田の交差点を右折JRの紀伊有田駅に出る。
道路は串本西小学校と隣合わせの紀伊有田駅で突き当たり、途方に暮れるが通り合わせの人に聴いてみる。
小学校の脇にある小川沿いの細道を遡りJRの下を抜け、小さな集落を越えると小川沿いの田んぼの中にそれと解る懐かしい匂いのする鎭守の杜が見えて、それがこの大楠を有する有田神社。
ここまで駅から5分も掛からない、なんとも長閑ないつか見たような景色の中にある。
ズンングリムックリ・・チビデブ・・・イモムシを逆立ちさせたような・・・、とでも表現したらいいのか???
しかしこの巨大な樹肉の塊はしっかり大地に根を下ろし、黙って鎮守の奥でもう1000年以上の長い年月を生きている。
紀伊半島では楠の巨樹は珍しくもないがここまで奇形の樹姿にはお目に掛かったことはない。
樹齢1100年、目通り12.2m、樹高は20mとされているが、平成2年の台風で大枝何本ももぎ取られた様で現在主幹より再生した小枝にて葉を生い茂らせている。
根元にはそれこそ樹皮だけで命をつなげているのかと思うほどの大きな洞があるがそれを物ともせずに元気そうに見える。
和歌山県第二の大きさで、串本町の天然記念物に指定されている。
境内の一角に主幹も大枝も、もぎ取られこんな姿に成ってしまった樹も有った。
なんとも凄まじい生命力だろう・・・そのうち杖でも貸してあげないと????。
撮影2008.12.7