巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

高山市甲(かぶと)の七本サワラ

2008-04-06 | 岐阜県

 


高山市街から国道361号線で約20分ほど走り、甲(かぶと)の信号を左折、集落の中に入ると、ひときは背の高い姿の良い木立が見える。



樹は道路わきの低い塚の上に在って、傍らには小さな釈迦堂と、安永3年(1774)、大原騒動で斬首された義人市左エ門の墓標がある。



案内板によると、伏見天皇のころ甲村に文作という者がいて、剣道に志し諸国修行をし、永仁元年(1292)2月2日家を出たまま行方不明になっていたが、仏道に入り高野山で髪をそり釈常栄の法号をうけ66ヶ国を遍歴した後、ここに帰り乾元元年(1302)3月2日に大往生を遂げたという。



彼には七男がいて長男が父の遺骸と経書をここに埋め、7人兄弟であったので6本のサワラの苗とサクラ1本を一束にして植え墓標として、ここに植えたのが今の七本サワラだという。


このうち、桜は大正末期に枯れてサワラだけなったといわれているから、実のところは6本サワラです。



6本のサワラの樹が合体しているようですが、樹齢700年、樹高43m、目通り幹周り9.6m、全国第二位にランクされるサワラの巨木です。



集落の屋根越しにもひときは高くそびえるこのサワラの樹は遠めにも秀逸の姿形で、今でも脳裏に残っています。


撮影2007.10.7


MAP