巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

熊野速玉大社 、梛(なぎ)の樹

2008-03-01 | 和歌山県

熊野速玉大社は熊野信仰、世界遺産で熊野古道で有名な本宮大社、那智大社と並ぶ熊野三山の一つで、もともとは、速玉大社から南へ1~2km行った千穂ヶ峰の東南端の神倉山に祀られていたのが、のちに現在地に遷され、そのため神倉山の古宮に対し、ここを新宮と呼ぶようになったということでこれが、新宮市の地名の由来になっている。



新宮市は三重県と和歌山県の県境となっている熊野川が市内を流れる和歌山県側にある信仰の町です。




鳥居をくぐり、参道を進むと、右手に朱塗りの神宝館があり、左手には樹齢1000年ほどと推測される梛(なぎ)の大樹が枝を広げています


安末期に熊野三山造営奉行を務めた平重盛(清盛の嫡男)の手植えと伝えられています。


梛は熊野権現の御神木で、その葉は、笠などにかざすことで魔除けとなり、帰りの道中を守護してくれるものと信じられていました。



梛はマキ科に属する針葉樹でありながら、広葉樹のような幅の広い葉をもつちょっと変わった樹木で、この梛の葉には緑の葉に黄色のフウが這っているのを見受けられます。


その葉がまた変わっていて、主脈がなく縦に細い平行脈が多数あって、梛の葉は、縦には簡単に裂くことができますが、横にはちぎることができません。


その丈夫さにあやかって男女の縁が切れないようにと女性が葉を鏡の裏に入れる習俗があったそうです。


また、梛は凪に通じるとして、昔から海上安全、家内安全、和楽の信仰があり、熊野詣での印に梛の小枝を手折った事が古書にも記されています。



樹齢約1000年、幹回り6m、樹高20m、老樹にもかかわらず樹勢はきわめて旺盛で、梛としては日本最大、国の天然記念物に指定されています。


撮影2007.5.3


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