木津川沿いに走る国道163号線は、笠置町に入ると、右手に笠置山を見てやがてトンネルに吸い込まれる。
トンネルを抜けると、笠置町の有市の集落が、左山の手に開けている。
集落側から木津川に流れ込む川沿いの道へ左折して進むと右手前方に、ひときわ高い杉の木が見える。
車をそのまま進めていくとやがてこの杉の前に出る。
この杉の巨根の前に可愛い社の「山神社」が鎮座して、左手には小さな地蔵堂があって地蔵石仏と、如意輪観音石仏が祀られていた。
この杉は京都の自然200選に選定されていて、樹齢千百数十年、幹周り5m、大昔村人が山の神に若木を授かり植えた物が大きくなった物だと伝えられている。
この杉の幹には、一面に蔦が絡まっており、殆ど杉の幹が見えなくなってしまっている。
その昔、荒木又右衛門が、寛永11年(1634)11月、伊賀上野「鍵屋の辻」で、妻の弟、岡山藩士の渡辺数馬が仇討するのを助太刀するため出かけて行く時、途中ここで一休みをして、この「山神社」で必勝祈願をしたと言う。
撮影2006.3.5