YS Journal アメリカからの雑感

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アドレナリンドライブ

2010-09-20 08:28:17 | 映画
昨晩、珍しく寝付かれなくて、チャンネルサーフィンをしていたら、石田ひかりがメガネの看護婦姿で出ているではないか。何かの勘違いかと思っていたら、マイナーな映画チャンネル、それも英語字幕で「アドレナリンドライブ」を放送していた。("Adrenaline Drive"とそのまま英語の題名にして、アメリカで DVD を売っている事にビックリ。評価が結構高い事に、またビックリ)

昔から、石田ひかり、原田知世系統のファンなので、土曜日の真夜中に延々最後までみてしまった。

話は、極めて単純で、うだつの上がらない男と女が、偶然にやくざの大金を入手してしまい、子分に追いかけられるドタバタ劇だ。二人でオープンカーで旅立ちという、これまた陳腐なハッピーエンドだ。

石田ひかりが、ダサイ看護婦から、入手したおかねで変身してキレイになる位がしか見るところが無く、全く時間の無駄であった。(後は、婦長役の角替和枝(名前は後で調べた)が良い味出していたのが印象の残った位か)

日本では大金を入手して、大判振る舞いを始めても何故か貧乏くさい。諏訪湖にいく発想自体がしみったれてる。せめて東京ならもう少しどうにかなった様に思う。追いかけるやくざもチンピラでは、凄みも何もあったものでは無い。不出来なB級映画以上に哀しいものはこの世に余り存在しない。

全く同じコンセプトで、B級ハリウッド映画の傑作に「トゥルー・ロマンス」がある。タランティーノが脚本の映画がある。(まだ無名のブラピがで出演していたりして日本で結構人気があるのを知って驚いた)出だしの舞台がデトロイトで、サニー千葉(千葉真一)の名前が登場したりするので、初めて見た時から大好きな映画である。

この2つの映画を比べてみると、暴力シーン、悪役の際立ち方、ハッピーエンドのスケール、どれもこれも桁が違う。特に、「トゥルー・ロマンス」でメキシコで優雅に暮らす数年後の子供のいる二人、突拍子の無い最終シーンなのだが、ありそうなところが心憎い。

「アドレナリンドライブ」は、ありがちな風景のしょぼさにがっかりし、余りに現実味のないエピソードのげんなり、想像力の無いハッピーエンドに絶望的になる。これって私のハリウッド被れというより、この映画の脚本、監督をした矢口史靖の想像力不足に尽きると思う。有名な映画監督らしいのだが、どうしたんだろう?

唯一の救いは、挿入歌(主題歌)の「真夏の出来事」が、抜群に良かった事くらいか?

個人的に大笑いしたのは、石田ひかりが演ずるメガネの看護婦の名前が、石田ひかり、原田知世系統を好きな私をいつも馬鹿にしている家内と同姓同名(漢字は違っていたが)だった事である。そんな事でもなければ、こんなレビュー書く気にもならなかったと思う。石田ひかりファンで、観てない無い人がいたら、絶対に手を出してはいけません。(キスシーンさえありません)

頑張れニッポン映画!と思いつつも、何を勘違いしたのか、こんな映画を海外に売りつけた頑張りに脱帽。


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