真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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「朝鮮人内地移入斡旋要綱」と「大日本労務報国会要覧」

2020年02月09日 | 国際・政治

 前回「地図にないアリラン峠 強制連行の足跡をたどる旅」林えいだい(明石書店)から抜粋した沈在煥の証言の中に、
炭鉱じゃ働いても郵便貯金をしているといって、決して現金を渡さんやったから、故郷に金を送るどころか、送ってもらったぐらいだ。現金を渡すとお前たちはすぐ脱走するというんだ
という話がありました。それが、沈在煥の働いた炭鉱だけの話ではなく、国家的な対応であったことが、下記の資料1「朝鮮人内地移入斡旋要綱」の「隊ノ編成及指導」の中に”賃金ハ、生活費ニ必要ナル額以外ハ貯蓄スベキコト”とあることでわかります。
 また、通則の三には”斡旋シタル朝鮮人労務者ノ処遇ニ付テハ、出来得ル限リ内地人労務者トノ間ニ差別ナカラシムルモノトス”と、朝鮮人差別に関する記述があります。私はこの記述が、当時差別があったことを示していると思います。そして、”出来得ル限り”という表現が、当時あった差別を一定程度容認するものとして受け止められるように思います。だから、酷い差別も黙認されることになったのだと思います。
 さらに、「斡旋」といいながら、日本の都合で強制的に朝鮮人労務者が集められていたことが、”職業紹介所及府邑面ハ、常ニ管内ノ労働事情ノ推移ニ留意精通シ、供出可能労務ノ所在及供出時期ノ緩急ヲ考慮シ、警察官憲、朝鮮労務協会、国民総力団体其ノ他関係機関ト密接ナル連絡ヲ持シ、労務補導員ト協力ノ上、割当労務者ノ選定ヲ了スルモノトス”などとあることから推察できると思います。

 資料2は、日本軍”慰安婦”強制連行の話で有名な、吉田清治の「謝罪の碑」という文章の中にある「大日本労務報国会要覧」を抜粋したものです。吉田証言に偽りがあるとしても、この要覧に偽りはないと思います。皇室神話に基づく軍国日本の精神をよくあらわしているのではないかと思います。当時の日本は、この精神から外れることを許さなかったことを忘れてはならないと思います。
 元朝鮮人徴用工や日本軍”慰安婦”だった人たちの証言と、こうした資料を合わせ読むと、より深く当時の実態が理解できるような気がします。
 下記資料1および資料2は、「消された朝鮮人強制連行の記録 関釜連絡船と火床の抗夫たち」林えいだい(明石書店)から抜粋しました。
          
資料1ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[資料]
                   昭和17年2月20日 朝鮮総督府 

                    朝鮮人内地移入斡旋要綱
 労務動員実施計画ニ依ル、朝鮮人労務者ノ斡旋ニ依ル内地移入ニ関シテハ、別ニ定ムルモノヲ除クノ外、本要綱ニ基キ之ヲ実施ス。

第一 通則
 一、本要綱ニ依リ、内地ニ移入セラルベキ朝鮮人労務者ハ、総テ之ヲ労務動員産業ニ従事セシムルモノトス。
 二、本要綱ニ依リ、内地ニ移入セシムベキ朝鮮人労務者ノ数ハ、毎年度労務動員ノ実施計画ニ示サルル数ヲ限度トスルモノトス。
 朝鮮人労務者ニシテ、出動期間ヲ満了シ帰郷シタルモノノ補充ニ付テハ、爾後同数ヲ本要綱ニ依ル方法ニ依リ、移入セシメ得ルモノトス
 三、本要綱ニ依リ、斡旋シタル朝鮮人労務者ノ処遇ニ付テハ、出来得ル限リ内地人労務者トノ間ニ差別ナカラシムルモノトス
 四、本要綱ニ依リ、斡旋スル朝鮮人労務者ノ出動期間ハ、原則トシテ二カ年トスルモノトス。

第二 斡旋ノ申込及処理
 一、朝鮮人労務者移入雇傭ニ付、道府県ノ承認ヲ得タル事業主ニシテ、本要綱ニ依リ朝鮮人労務者ノ斡旋ヲ受ケントスル者ハ、下記ノ書類ヲ朝鮮総督府ニ提出スルモノトス。
 (イ)朝鮮人労務者斡旋申請書(別紙第1号様式)正副二通
 (ロ)道府県朝鮮人労務者移入雇傭承認書写


 二、必要アルトキハ、事業主ノ所属タル関係産業団体ノ職員ヲ朝鮮ニ駐在セシメ、前項ノ手続ノ代行其他労務者ノ斡旋ニ関シ、事業主ヲ代理シ朝鮮総督府、及関係各道トノ連絡ニ当ラシムルコトヲ得ルモノトス 
 前項ノ代行、又ハ代理ヲ為ス場合ニアリテハ、之ヲ証スルニ足ルベキ書面ヲ朝鮮総督府ニ提出スルモノトス。


 三、朝鮮総督府第二次ノ申請書ヲ受理シタルトキハ、道府県ヨリ朝鮮人労務者移入雇傭承認通報アリタルモノニ付テハ、之ガ内容ヲ審査ノ上要員充足ノ緊要度従来ノ縁故及地盤、又ハ、鮮内労務調査等ノ関係ヲ考慮シ選出、道別斡旋人員及斡旋期間ヲ決定シ、別紙第二号様式ニ依リ、関係道ニ通牒スルモノトス。


 四、各道朝鮮総督府ヨリ、前項ノ割当ヲ受ケタルトキハ、従来ノ縁故、地盤関係ヲ考慮シ、五日以内ニ府郡島別選出人員ヲ決定シ、直ニ別紙第三号様式ニ依リ、之ヲ当該職業紹介所、又ハ府郡島ニ通牒スルト共ニ、別紙第四号様式及第五号様式ニ依り、朝鮮総督府及事業主ニ報告(通知)スルコト。

 五、職業紹介所及郡島道ヨリ、前項ノ割当通牒ヲ受ケタルトキハ、五日以内ニ更ニ邑面別選出人員ヲ決定シ、直ニ別紙第六号様式依リ、邑面ニ通牒スルト共ニ、別紙第七号様式ニ依リ道ニ報告スルモノトス。

 六、職業紹介所及府邑面ハ、常ニ管内ノ労働事情ノ推移ニ留意精通シ、供出可能労務ノ所在及供出時期ノ緩急ヲ考慮シ、警察官憲、朝鮮労務協会、国民総力団体其ノ他関係機関ト密接ナル連絡ヲ持シ、労務補導員ト協力ノ上、割当労務者ノ選定ヲ了スルモノトス。

 七、職業紹介所及府郡島邑面ハ、割当労務者ノ取纏ヲ完了シタルトキハ、割当官庁ニ其ノ旨直ニ報告スルモノトス。
 八、道前項ノ報告ヲ受ケタルトキハ、直ニ其ノ旨及引継地ヲ事業主ニ通知スルモノトス。
 九、事業主第四項、及第八項ノ通知ヲ受ケタルトキハ、其ノ指定セラレタル時期、又ハ必要ト認ムル時期ニ本人、又代理者ヲシテ関係道職業紹介所、又ハ府郡島ニ出頭セシメ、指揮ヲ受ケシムルモノトス。
 
   第三 隊ノ編成及指導
 一、勤労組織ノ編成
(イ)本要綱ニ依リ、出動セシムル朝鮮人労務者ノ勤労組織ハ「隊組織」トスルモノトス。五班内外ヲ以テ一隊ヲ組織スルモノトス。
(ロ)一組ハ五名乃至十名トシ、二組乃至四組ヲ以テ一班トシ、五班内外ヲ以テ一隊ヲ組織スルモノトス。
(ハ)隊ハ成ルベク府郡島毎ニ、班ハ邑又ハ面毎ニ編成スルモノトス。
(ニ)各事業場ニ対スル配置ハ、原則トシテ編成当時ノ隊組織ヲ存置スルコトトシ、職場組織ニ付テモ成ベク之ヲ活用スルモノトス。
(ホ)職業紹介所及府郡島ハ予メ関係者ト協議シ、成ルベク当該郡島所在地ニ於テ隊ノ編成ヲ為スモノトス。
(ヘ)隊ノ名称ニハ成ルベク府郡島名ヲ冠シ、何々勤労出動隊トスルモノトス。
(ト)隊ノ編成ヲ了シタルトキハ、別紙第八号様式ニ依リ、出動隊ニハ名簿五通ヲ作制スルモノトス。
(チ)邑面ハ自己ノ選出シタル労務者ノ名簿ヲ別紙第八号様式ニ準ジ作製ノ上、之ヲ保管スルモノトス。

 二、隊幹部及隊員ノ銓衡
(イ)隊員ノ選定ハ、職業紹介所及府郡島ニ於テ、次ノ条件ヲ具備スルモノノ内ヨリ之ヲ行フモノトス。
 1 思想堅実、身元確実、身体強健ナルモノナルコト。
 2 成ル可ク国語ヲ解スルモノナルコト。
(ロ)隊長ハ前号ノ条件ヲ具備スルノ外、更ニ次ノ条件ヲ有スルモノノ内ヨリ、職業紹介所、又ハ府郡島ニ於テ任命スルモノトス。
 1 人望アリ指導力ノアルモノタルコト。
 2 成ルベク国民学校終了程度以上ノ学力ヲ有スルモノタルコト。
 3 成ルベク年齢三十年以上ノモノタルコト。
(ハ)班長ハ隊長ノ具備条件ニ応ジテ之ヲ銓衡シ、職業紹介所又ハ府郡島ニ於テ任命スルモノトス。
(ニ)組長ハ隊員中ヨリ資質良好ナルモノヲ選ビ、職業紹介所又ハ府郡島ニ於テ任命スルモノトス。

 三、隊及事業主ノ指導
(イ)道、府郡島、職業紹介所及朝鮮労務協会ハ、予メ隊員ニ対シ隊組織ニ依ル出動ノ趣旨ヲ徹底セシメ、国家的使命ヲ認識セシメテ、職責重大ナルコトヲ自覚セシムルト共ニ、特ニ下記ノ各項ヲ承知セシメ置クモノトス。
 1 時局産業ニ従事シ、勤労ヲ以テ国家ニ貢献セントスルモノナルコト。
 2 内地渡航後ハ、六ヶ月間訓練ヲ受クベキコト。
 3 内地渡航後ノ勤労方法、生活環境等ニ付予メ予備知識ヲ与ヘ、到着後ニ於テハ速ニ内地ノ生活風習ニ順応スル様、了得セシムルコト。
 4 従業条件ヲ特ニ徹底セシムルコト。殊ニ賃金統制令ノ趣旨ヲ了知セシムルト共ニ、各個人別ノ収入ニ付テ、能力ニ依リ当然差異アルベキモノナルコトヲ了得セシムルコト。
 5 労務調整令ノ趣旨ヲ徹底セシメ、就業場ノ移動ハ濫ニ為サザルコト。
 6 協和会ニ加入シ、其ノ会員章ヲ所持スベキコト。
 7 賃金ハ、生活費ニ必要ナル額以外ハ貯蓄スベキコト。
 8 困苦欠乏ニ耐ヘ、公休日以外ハ濫ニ休業セザルコト。
 9 国民職業指導所職員、警察官、協和会職員ノ指導ニ服ス可キコト。
(ロ)職業紹介所、府郡島及朝鮮労務協会、隊出動前出来得ル限リ之ニ対シ、規律アル団体訓練ヲ施スモノトス。
(ハ)事業主ハ、朝鮮人労務管理上必要ナル事項ヲ考究実施スルモノトシ、特ニ次ノ各項ハ至急実施スルモノトス。
 1 指導組織ノ充実ヲ期スルコト。各隊ニハ指導員ヲ置クコト。指導員ハ、隊長ヲ指導シ、隊員ニハ作業及生活各般ニ亘リ、指導誘掖並ニ連絡ニ当ルコト。指導員ノ任命ニ当タリテハ、適任者ヲ厳選スルコト。
 2 訓練施設ヲ設クルコト。
 3 朝鮮人労務者ノ熟練化ヲ図リ、特ニ優良隊員ニ対シ技術教育ヲ施スコト。
 4 技術優秀ナル者ヲ役付ニ昇進セシムルコト。
 5 期間中ハ、成ルベク特定ノ場所ニ於テ、規律アル生活訓練ヲ行ウコト。
 6 適切ナル慰安娯楽施設ヲ設クルコト。
 7 隊長、班長及組長ノ処置ニ付テハ特ニ考慮スルコト。

 第四 労務補導員
 一、事業主ハ、次ノ割合ヲ以テ、朝鮮ニ於ケル官庁ノ労務者供出斡旋ニ協力セシムル為、適当ナル者ヲ選出スルモノトス。
 朝鮮人労務者斡旋申請人百人ニ付二人トシ、百人ヲ増大毎ニ一人ヲ加フルコト。但シ五百人以上ハ三百人ヲ増大毎ニ一人ヲ加フルコト。
 二、道知事ハ前項ノ協力者ニ対シ、労務者供出ニ関スル事務ヲ嘱託(無給)シ、之ニ労務補導員ノ名称ヲ付スルモノトス。
 此ノ場合内地所轄警察署長ニ対シ、其ノ身元其ノ他ニ付支障ノ有無ヲ調査スルモノトス。
 三、労務補導員ハ、事業主若ハ事業主ノ雇傭スル職員、又ハ関係産業団体ノ職員ニシテ、身元確実ナル者トス。
 四 労務補導員ハ、官庁ノ指導監督ヲ承ケ、鋭意労務者ノ選定ニ協力スベキモノトス。
 五 労務補導員ニ要スル経費一切ハ、事業主ノ負担ナルモノトス。

 第五 引継及引率
一、職業紹介所、府郡島ハ、其ノ編成シタル隊ヲ出発地ニ於テ之ヲ事業主、又ハ代理者ニ引継グモノトス。
 出発地ハ、概ネ府郡所在地トスルモノトス。
 上記引継ノ場合、職業紹介所、又ハ府郡島ハ、別紙第九号様式ノ引継書正副三通ヲ作成シ、正本ハ職業紹介所、又ハ府郡島ニ、副本ハ道及事業主ニ於テ之ヲ保有スルモノトス。
 上記引継書ニハ、隊員名簿ヲ添附スルモノトス。
 職業紹介所、及府郡島ハ、隊編成地所轄警察署長ノ奥書紹介状ヲ受ケタル隊員名簿二通ヲ、事業主ニ交付スルモノトス。
 二、隊ノ引継ヲ了シタルトキハ、職業紹介所、又ハ府郡島ハ引継書副本ヲ添ヘ、其ノ状況ヲ直ニ報告スルモノトス。
 三、道割当ヲ受ケタル労務者ノ引継完了セルトキハ、直ニ其旨朝鮮総督府ニ報告スルモノトス。
 四、隊引継後ノ鮮内輸送及離鮮地ヨリノ引継輸送ニ付テハ、朝鮮労務協会ハ之ニ協力スルモノトス。
 五、事業主ハ、隊ノ引継ヲ受ケ之ヲ引率輸送スルニ当リテハ、下記ノ事項ニ留意スルモノトス。
 1 事業主、又ハ責任アル代理者之ガ引率ニ当ルコト。
 2 引率者ハ、少ナクトモ労務者五十人ニ付一人以上ヲ附スルコト。
 3 引率者ハ、就業地所轄国民職業指導所ノ発行スル引率証明書ヲ携帯スルコト。
 4 引率者ハ、乗船地所轄警察署長ニ対シ隊員名簿ヲ提出シ、所定ノ奥書査証ヲ受クルコト。 

 第六 到着後ノ処置
一、事業主ハ、移入朝鮮人労務者ノ災害、紛擾(フンジョウ)其ノ他重大ナル事件発生シタルトキハ、遅滞ナク朝鮮総督府、及関係道ニ報告ヲ為スモノトス。
 二、事業主ハ、移入朝鮮人労務状況ヲ、毎年6月末、及12月末ヲ以テ朝鮮総督府ニ報告ヲ為スモノトス。
 三、内地移入後隊長、班長、組長ニシテ、不適当ト認ムルニ至リタルトキハ、事業主ニ於テ他ノ適任者ニ之ヲ変更スルコトヲ得ルモノトス。
 四、隊長等ニハ、必要ニ依リ協和会ノ役職員ヲ嘱託スルコトヲ得ルモノトス。

第七 移動ニ対スル措置
 一、出動期間満了後、尚引続キ従業セシムル必要アルトキハ、希望アルモノニ限リ其ノ出動期間ノ延長ヲ認メ得ルモノトス。
   出動期間満了後、同一事業主其ノ経営ニ係ル同種ノ他ノ事業場ニ引継ギ従業セシムル必要アルトキ、又同様ニ取扱ヒ得ルモノトス。
 二、出動期間満了前、事業ノ縮小廃止、又ハ終了ノ場合ハ、同一事業主ノ経営ニ係ル、同種ノ他ノ事業場ニ従事セシムル必要アルトキ希望アルモノニ限リ、継続従業ヲ認ムルコトヲ得ルモノトス。
 三、出動期間満了ノ場合、若ハ出動期間満了前事業ノ縮小廃止終了ノ場合、事業主ノ変更アルモ、同一事業場ニテ引続キ従業セシムル必要アルトキ、希望アルモノニ限リ之ヲ認ムルコトヲ得ルモノトス。
 四、前各項ノ場合、道府県ハ其ノ承認後朝鮮総督府、及関係道ニ其ノ旨通報スルモノトス。
   土木建築事業ニ於テ、出動期間満了後尚引続従業セシムル必要アルトキハ、道府県ハ予メ朝鮮総督府ニ協議スルモノトス。
 五、出動期間の満了後、又ハ事業の縮小廃止終了ニ依リ、出動期間満了前同種ノ事業ニ属スル他ノ事業主ノ事業場ニ従事セシムル必要アルトキ、希望アル者ニ限リ道府県ハ予メ朝鮮総督府ニ協議ノ上、之ヲ認ムルコトヲ得ルモノトス。
 六、帰郷者確定シタルトキハ、所轄道府県ニ於テ、事業主別ニ帰郷スベキ労務者ノ出身地、氏名、朝鮮ニ於ケル下船地、帰郷予定年月日、及斡旋ヲ受ケタル年月日ヲ、遅滞無く朝鮮総督府、及関係道ニ通報スルモノトス。
 七、労務者出動期間(事業縮小廃止終了ノ場合ヲ含ム)ニ依リ帰郷シタルトキハ、事業主、又ハ其ノ代理者ハ、帰郷労務者ノ氏名、帰郷年月日ヲ遅滞ナク関係府郡島ニ報告スルモノトス。

   第八 其他
 一、事業主、又ハ財団法人職業協会ハ、斡旋ニ要スル宣伝費、隊ノ編成費、引率輸送費(職員旅費)及雑費等ノ経費ヲ、朝鮮労務協会ニ前納スルモノトス。
 二、隊事業場ニ到達シタルトキハ、事業主ハ遅滞ナク其旨ヲ朝鮮総督府及関係道ニ報告スルモノトス。
    第九 附則
 本要綱ハ、昭和17年2月20日ヨリ之ヲ実施スルモノトス。
(別紙様式略) 

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                     第十六章 はるかなる海峡
                       7 謝罪の碑
                                                   吉田清治
                      大日本労務報国会要覧
 綱領
一、我等ハ皇国臣民タル光栄ヲ体シ、克ク忠ニ克ク孝ニ醇厚(ジュンコウ)俗ヲナシ以テ皇恩ニ報イ奉ランコトヲ期ス
一、我等ハ皇国産業ノ使命ヲ体シ、力ヲ公益世務ニ竭(ツク)シ以テ愈々国本ヲ固クシ皇猷(コウユウ)ヲ恢弘(カイコウ)センコトヲ期ス
一、我等ハ本会創立ノ趣旨ニ体シ、各々其ノ業務ニ淬励(サイレイ)シ協戮邁往以テ此ノ世局ニ処シ時艱(ジカン)ヲ克服センコトヲ期ス

 創立宣言
 肇国以来悠久二千六百余年。我ガ皇国ハ八紘一宇ノ大理想ノ下、生生発展窮(キワマリ)リ無ク、今ヤ又新ニ世界ノ大転期ニ際会シテ大東亜共栄圏ノ洪謨(コウボ)ヲ立ツ。
 曩(サキ)ニ米英撃滅ノ大詔ヲ奉戴スルヤ、皇軍ノ威武忽チ万国ヲ震撼セリ。然レドモ敵亦侮ルベキニ非ズ。益々国民総力ヲ結集シテ、戦力ノ増強ニ努ムベキ秋ナリ
 各種重要産業ノ基礎的部面ヲ担当スル我等同志愛ニ見ルトコロアリ。新ニ大日本労務報国会ヲ創立シ、渾然偕和シテ報国精神ヲ昂揚シ、勤労能力ヲ最高度ニ発揮シ、国民動員ノ完遂ニ協力シ、以テ国家ノ負託ニ応ヘントス。
 凡ソ勤労ハ皇国民ノ責任ニシテ又栄誉ナリ。
 一人ノ安逸ヲ容サズ。一日ノ懈怠アルベカラズ。素ヨリ業ニ貴賤ノ別ナク、職ニ高下ノ差アルナシ。只管国家ノ要請スルトコロニ応ジ、欣然事ニ当ランノミ。
 我等ハ先ヅ従来ノ因襲ヲ蝉脱(センダツ)シ、私利ヲ離レ、私慾ヲ捨テ生活ヲ刷新シ、日々ノ責務ニ励精シ、以テ職分奉公ノ実ヲ挙ゲンコトヲ誓フ
 神明ノ感応恐ラクハ我等ガ上ニ在ラン。我等ノ前途ハ今ヤ光明ニ満チタリ。重責双肩ニ懸ツテ志気愈々高シ。イザ万障ヲ排シテ一路勤労報国ニ邁進セン。
  右宣言ス
                                                 昭和18年6月2日 


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