今月号の『軍事研究』には、10月1日、すなわち中国の建国60周年記念日に際して、
10年ぶりに行なわれた軍事パレードの様子に関するレポートが掲載されている。
すでに報じられたマスコミ各社の記事では、女子大生の民兵部隊による行進が紹介されるなど、
相変わらずの能天気振りを発揮してくれていたが、
実はそこに様々な報道規制が加えられていたことについては一切、触れられていなかった。
中国が共産国家であることを思えば、当たり前と言えば当たり前の話ではあるが、
実際に現地まで赴いた軍事評論家・宇垣大成氏によると、
日本だけでなく、米英仏露といった国々の軍事ジャーナリストなどには記者証の配布がなく、
それが配布されたのは、中国が重視した国々の大手メディア関係者が中心だったとのことである(pp. 28-29)。
なお、NHK考査室・竹田純一氏の解説によると、今回のパレードの狙いは次の二点に尽きるという(p. 40)。
(1)対外的に威容を見せ抑止力を高める
(2)対内的に国民のナショナリズムに訴え求心力を高める
その中で、パレードに登場した兵器は、90%以上が初登場とのことだが、
航空評論家・石川潤一氏は「新兵器の展示はほとんどなく、期待外れの感は否めない(p. 60)」としており、
かなり見方が異なっている。
この辺は、書き手がどこに注目してパレードを見ていたかによって変わる部分もあるので、
一概にどちらが正しいとは言い切れないところがある。
ただ、いずれにしても、小平時代の「改革開放路線」で始まった急速な経済成長の結果、
中国軍の近代化も同時に進展し、それが今回のパレードに表れていることは確かなようである。
細かいスペックや編制に関する考察は、『軍事研究』の本文で確認してもらいたい。
ただ、そうしたレポートの後に紹介されている平成22年度「防衛予算」の概算要求が、
8年連続の減額というニュースに何とも言えない気分にさせられてしまった。
しかし、これでは、編集部の策略に踊らされているだけか。
10年ぶりに行なわれた軍事パレードの様子に関するレポートが掲載されている。
すでに報じられたマスコミ各社の記事では、女子大生の民兵部隊による行進が紹介されるなど、
相変わらずの能天気振りを発揮してくれていたが、
実はそこに様々な報道規制が加えられていたことについては一切、触れられていなかった。
中国が共産国家であることを思えば、当たり前と言えば当たり前の話ではあるが、
実際に現地まで赴いた軍事評論家・宇垣大成氏によると、
日本だけでなく、米英仏露といった国々の軍事ジャーナリストなどには記者証の配布がなく、
それが配布されたのは、中国が重視した国々の大手メディア関係者が中心だったとのことである(pp. 28-29)。
なお、NHK考査室・竹田純一氏の解説によると、今回のパレードの狙いは次の二点に尽きるという(p. 40)。
(1)対外的に威容を見せ抑止力を高める
(2)対内的に国民のナショナリズムに訴え求心力を高める
その中で、パレードに登場した兵器は、90%以上が初登場とのことだが、
航空評論家・石川潤一氏は「新兵器の展示はほとんどなく、期待外れの感は否めない(p. 60)」としており、
かなり見方が異なっている。
この辺は、書き手がどこに注目してパレードを見ていたかによって変わる部分もあるので、
一概にどちらが正しいとは言い切れないところがある。
ただ、いずれにしても、小平時代の「改革開放路線」で始まった急速な経済成長の結果、
中国軍の近代化も同時に進展し、それが今回のパレードに表れていることは確かなようである。
細かいスペックや編制に関する考察は、『軍事研究』の本文で確認してもらいたい。
ただ、そうしたレポートの後に紹介されている平成22年度「防衛予算」の概算要求が、
8年連続の減額というニュースに何とも言えない気分にさせられてしまった。
しかし、これでは、編集部の策略に踊らされているだけか。