糸を紡ぐ

木で出来た紡績機があるという。
「…があった」ではなく、「…がある」としたのは、現在も活躍しているからである。
昔はどこのうちにも機織り機があり、機の織れない者は嫁にもいけなかった（この表現はいけないかもしれない）という。
そんなことは現代からするとなかなか想像も出来ないが、少し以前はそんな社会が歴然と存在していた。
現代社会はそんなことは嘘のようで、衣裳は全てが購入品、食べる物さえなかなか自給できないでいる。
エネルギーはほとんどが海外からの輸入で、日々小忙しく動いてはいるが、“貨幣”を得るために齷齪しているだけで、われわれは衣食住を“貨幣”で購入するために働いているだけで、便利で豊かな社会になったようで実は“貨幣”に振り回されていることにそろそろ気づいても良いのではないか。