ひとりよがり。

日々のことや思い出などを書きます。
個人的な覚え書き、日記のようなブログです。

松の流木の思い出。

2022-05-14 22:13:00 | 思い出
その松の流木は
伊豆高原の駅から
海の方へ下った小さな港のそばの
ゴロタの浜に
打ち上げられていた。

どうしてその流木が松だとわかったのかは
根元に松の木肌が残っていたから。

私はその松の流木に
とても夢中になった。
と言っても
ただただ
その大きな流木に寄りかかって
ボーっとするだけだったが。

小説家だったら物語を書くかも
画家だったら絵を描く
詩人だったら詩にするし
写真家だったらカメラを構える
音楽家だったら曲にして演奏するだろうし
舞踏家であれば流木の前でダンスをする
でも
私は何者でもなかったので
ただボーっとしていた。

私は時々酷い頭痛になって
会社を休み
流木に会いに行った。
そして
流木に寄りかかって時を過ごした。

あの時どうして
写真をとらなかったのか
一枚もない。

スケッチは少しはしたかもしれないけれど
私の力ではとても
描けない大きな存在だった。

唯一残っているのは
港へ下りる道の風景。

いつからか流木を
チェーンソーで切ろうとした
跡がいくつも残っていた。

あれから
流木はどうなったか私は知らない。


描きなぐったようなスケッチには
1984年と書いてある。
あの時の流木は
私の大事な思い出です。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (おおばかめぐみ)
2022-05-16 15:47:41
こんにちは。

今だに覚えているってことは、すごいインパクトだったんですね。
ぼくの小学校は、三保というところにあって松の木がたくさんありました。
今は世界遺産に三保の松原がなり、羽衣の松も扱いが変わりましたが、ぼくが小学生の頃は特別扱いもなかったので、登ったことがあります(笑)
太い防風林の松は、守られてる気がして安心感がありました。
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Unknown (yozanema-126)
2022-05-16 16:21:13
おおばかめぐみさん
コメントありがとうございます。
そうなんです。
びっくりするほど立派な松(根元は直径1メートル以上)で
大きな台風の時にどこからか流れ着いたのだと思います。
もしかしたら三保の松だったかもしれませんね。
小さい頃から松の木と親しみがあり、木登りまでしていたなんて
うらやましい限りです。
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