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マウリツィオ・ポリーニ ショパンのバラード&スケルツォ

2013-10-28 08:40:21 | 音楽
マウリツィオ・ポリーニ ショパンのバラードとスケルツォ





ダルベルトのシューベルトを聴き終えて
メロディが浮かぶ音楽としてショパンのノクターンも注文したのだが
バラードの方が先に到着したようなので早速聴いてみる。

ポリーニは私が学生の頃のアイドルというかスターみたいな存在で
ショパンコンクール後のショパンの二枚組から始まって
それほどお小遣いがある訳でもないのにエチュード購入したり
プロコフィエフを購入したり
高校生の私にはむつかしそうな曲に引っ張られ離れたような記憶があります。
そんな訳でポリーニの曲はレコードしか保有していないので彼の演奏を聴くのは久しぶりです。

バラードのの1番が始まると同時に音の綺麗さに驚かされます。

素晴らしい演奏には音色の素晴らしさも必要だと思いますが
ピアノ本来持っている音よりもっと素晴らしい音が出せるようです。
ホロヴィッツはピアノと調律師を演奏旅行に一緒に連れ出すとか?
アシュケナージは日本で使えるスタインウェイは5台程度しかないとか?
グールドのピアノ選びも独特だったり!




さて曲が始まって直ぐにショパンの特徴である
テンポルバートに関しての解釈についてよく言われている
大木の葉を指差して!あの言葉が思い出されました。

先日聴いたツィマーマンのショパンのピアノコンチェルトの解釈とは正反対の演奏だと思います。
必要以上に音楽を鼻歌にしないできっちり弾き切っているようです。

としをとった演奏家がリスナーの耳をごまかすがごとく
ここでこの音がなると思うチョット後にフレーズが始まるという技を
ポリーニは反対にここまでのばすであろうと思うちょっと前に
つぎのフレーズが始まるという感じで進めています。


それでも軽くなる訳でもなくショパンの曲を堂々と弾き切っているのは
ポリーニらしいと言えばポリーニらしいし、
ミケランジェリを追い越せなかったといえばそうなるかもしれません。


そう言えばツィマーマンの4つのバラードと比べればポリーニのは
堂々とスッキリショパンを弾き切っていると表現していいと思います。
ツィマーマンのは調味料の分量を間違えた料理のような気がするかも。

テンポルバートもポリーニとは大きく違います。ポリーニの演奏を何度か聞いているうちに
自分の中にあったバラードのイメージがどんどん修正されて行くような気分にされます。
微妙に散らかっていた部屋が綺麗に片付くようなイメージですね。


それにポリーニが演奏中に声を出して歌っているのが聞こえてきますが
た~らタ~リ!
ルルル~!
音名で歌ってなくてよかった!
グールドと同じような歌い方だと思いますが

やはり演奏するからには自分の解釈に惚れ込むくらいでないと
伝わってくるものもないのではないでしょうか?




『スケルツォ』

ショパンの曲でポロネーズとスケルツォは好きでない曲なのですが
ポリーニのスケルツォを聴いていてなぜ嫌いだったのか
何と無く理解できるようになれた?
スケルツォの激しい演奏のところで皆さん頑張りすぎていたのでしょうか?

キリキリした印象があり
せっかくのバラード部分が全く生かされていなかったのだと思います。


ポリーニの演奏は張り詰めた部分を余裕で表現し切って
バラード部分をたっぷり歌っているので随分聞きやすくなっているように感じます。
おかげでスケルツォが聴けるようになりましたが
サンソン・フランソワ辺りがどのような演奏しているのか興味が湧いてきました。




Kakishima



コメント (2)
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