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暮らしの菓音vol.4・ライブ



カノンvol.4を終えて早数日。
ふり返ってあらためて撮影して頂いた写真を眺めながら、
たくさんの枚数を整理し、編集しながら、よくぞこんな素晴らしい空間が出来あがったと思う。
山田ゆかさん作のトイレットペーパー芯アートで彩られたドルチェ倉庫でのジャズピアニカライブ。
ドルチェ倉庫での山田さんの個展も初。トミーさん達をドルチェ倉庫にお招きするのも初。
ライブステージの背景には山田ゆかさんの一番の大作が掲げられた。
まるで台風の目のような、自然の息吹がカタチになったような、
小さな風の神が宿って今にもひゅうっと動きそうな勢いのある作品だと思った。

 

パーカッションの土井さんが天井の梁から吊り下げられた芯アートを見て
「雪が降ってくるみたいですね」とおっしゃった。
前半一部終了後に客席の準備をし、床にはカノンスタッフRさんのご提案で
方々からお借りした羊毛草木染絨毯ギャッベを敷いた。
普段ドルチェ倉庫でのクラシックコンサートでは、
演奏者さんはステージ向かって右の壁際から行き来されていたけれど、
今回は客席中央をあけて演奏者さんにも真ん中の入り口から出入りして頂いた。
中央にも細身のギャッベ。全てくるみや藍などの天然素材で染められた自然の色合いが木になじむ。



午前中早々に、前日泊の東京から駆け付けて下さったトミーさんとピアニカズドリームの皆さん。
1週間前に地元神戸を出発されたツアー最終日が26日、ドルチェ倉庫でのライブ。
舞台衣装に着替えられたお姿から「やっぱりミュージシャンって違う」オーラを感じて圧倒。
眩しいほどカッコよく美しい。にこやかな笑顔に余裕を感じる。

「私人前で挨拶とかするの超ニガテだし緊張して声震えるからやってやって~ヨロシク。」
と、開演前の注意事項(ケータイ電源切って下さいとか)と、
トミーさん達のご紹介などの司会は全てオットまかせにした。
でも、「照明係誰やるの?」とドルチェ倉庫オーナーさんに聞かれるまで、
照明のスイッチ切る役を誰やるか考えてなかった。あ~~これだから私って中途半端。。

何はともあれ(有り過ぎ)無事にライブスタート。
全体照明を消しスポットだけにした静謐な空間に演奏者さんのお姿と白い芯アートが映える。



ゆっくりと穏やかで分かりやすく、聞きやすい通るトミーさんのお声で解説が始まり、そして演奏へ。
演奏自体一流なのはもちろんだけど、トミーさんのライブ聴くのこれが4度目の私としては
お客様とその場に合わせたトミーさんのトークの魅力にもひきこまれる。



ライブに足をお運び下さった方々に、ここで私の下手な解説は不要。
トミーさんだからこそ伝えられるモノゴト。トミーさんだからこそ胸に響く言葉の数々。

ピアノとトランペットを主にやってこられたトミーさんのピアニカとの出会い。
16年前の阪神大震災というあまりにも大きな自然災害が、
そこを乗り越えて生き残った人達に与えた影響の大きさ、
そして今年起きた東日本大震災に対して、震災経験者のトミーさん達がやろうとし、
やってきたことの大きさに思いを馳せて胸が熱くなる。あふれる涙をこらえきれない。



私個人的に言うと、まずトップバッター、第一曲目に「かえるのうた」を
小学生が使うのと同じピアニカで三重奏をやってくれたのに歓喜した。

彼らの「かえるのうた」が素晴らしくおもしろく魅力あるのはもちろんだが、
この曲の彼らの三重奏、実は今を遡ること数カ月前に宮城で聴いたのだ。
今年のゴールデンウイークに宮城県気仙沼市の震災被災地へボランティアに赴いた際、
彼らもその場へ行き、チャリティ活動に取り組んでおられた。
一日が終わり、采配してくれたNPO法人の事務局で場をともにさせて頂いた時のこと。
理事長のリクエストにより、みんなで食事していたその場で急きょ演奏してくれたのが
この「かえるのうた」と「アメイジンググレイス」だった。
目をとじて耳を澄ますと、あちこちからぴょこぴょことカエルが飛び出してくる景色が目に見えるよう。
そして私は静岡に戻り、しばらく日が経った頃、その時の話を別の方にしたら
「”かえるのうた”もカノンなんですよ」と言われた。
「杜屋さんそれ知っててイベントの名前”カノン”って名付けたのかと思ってました」
輪唱のことを音楽用語でカノンというとは全然知らなかった。
他の人と音を重ねるおもしろさ。カノンの魅力。



小学生用のピアニカ三重奏もおもしろかったけど、
トミーさんオリジナルのプロ用のピアニカでの演奏と響きは、
誰の頭の中にもある「ピアニカ」という概念をがらりと覆すほど良かったと、
終わった後でドルチェ倉庫オーナーさんもお話ししてた。



リズム感ゼロのくせに太鼓好きな私。
「しなやかなのに体の芯というかラインがしっかりしていて、
 熱く激しいリズムを難なく平然と叩いてるお姿がすっごくカッコ良かったです!」
と終了後に土井さんに直にお伝えした。



「フルートのジャズ演奏って初めて聴いて、一番印象に残りました」とはお客様談。
厚みのある優しさというか、典雅で繊細なだけではなくのびやかで力強いフルートを
演奏された住本エリさんはサックス奏者さんでもある。
当日はフルートとピアニカ、そして曲の挿入に小さな小さなシンバルのような楽器と、
小さな木で出来た楽器を奏でて下さった。
「あの小さい木の楽器の音が素敵で気になったよね!」
と、終了後にドルチェ倉庫オーナー奥様がおっしゃっていたので、打ち上げ時にご本人に質問してみた。
外国の民族楽器で、儀式の際などに使われる木の実で作られた楽器だそう。



トミーさん達に演奏依頼させて頂いた数か月前、いくつかの質問事項をメールでやりとりさせて頂いた。
「ドルチェ倉庫のピアノは使いますか?」
「当日会場に入ってから様子見て、使わせて頂くかどうするか判断したいと思います。
 現場に合わせていかようにも対応できるように準備していきますのでどうぞご心配なく」
結局。左手でキーボードで右手でピアノ!すごい技術だ~~
3曲目(だったかな?)のタンゴっぽい曲のピアノ伴奏も素敵でした。





プロとアマチュアの違いは何か?
一流と二流の違いは何か?
金メダルと銀メダルの違いは何か?
オリンピックでの浅田真央とキムヨナの演技の評価の差はどこからくるのか?
自分が携わる飲食業界に及ばず、
スポーツとか、音楽とか、文化芸術でのそういう場面に出会うと、
何が違うのか、何が評価に差をつけるのか、
自分はどうすれば一流に近づけるのだろうか、などと考えることが少なからずある。

今回の、ドルチェ倉庫でのトミーさん達のライブは掛け値なく素晴らしかった。
一曲一曲、渾身の演奏はもちろんのこと、
お客様の気持ちをひきこむ解説、全体の空気を掌握する能力、
場に合わせて平静に対応出来る柔軟性と、そのための準備と段取り。
すみずみまでおろそかにせずに心が行き渡っていること。



「120%の想定をし、準備をして初めて100%を達成出来る可能性が生まれる」
と、打ち上げの時に話されていたトミーさん。
素晴らしい音楽家には素晴らしい魂が宿るのか、
逆にそういう魂を持った方だからこそ素晴らしい演奏が出来るのか。





笑顔で帰られるお客様と、見送っておられる演奏者さんを見て「音楽家」の彼らを心から尊敬した。

独断偏見だが、世の中の人間が「目の人」と「耳の人」に分かれるとしたら。
と、どうでもいい想像をしたことがある。
目で見て楽しむモノゴト、絵とかイラストとか写真とか造形とか色とかカタチとか。
耳で聴いて楽しむモノゴト、音楽、響き、リズム、演奏すること。
目の人と耳の人どちらか選択するとしたら、間違いなく私は耳ではなく「目の人」だろうな~
だから何なんだということだけど、
「耳の人」の方が実は、人の心というものを直にとらえ動かし、
「見た目」に惑わされずにストレートに伝えることが出来るのでは、と思ったりした。
ま、それも熱いスピリッツを持った彼らだからこそのこと。



思い返せば4カ月前。(もう4カ月も経つのか~~)
「演奏をして欲しいと思うなら、自分の口で自分の言葉でトミーさんに直接伝えなくちゃダメだ」
と、わきでせっつくオットを横目に睨みながら、
「実は、静岡のうちのご近所のこういう場所でこういうイベントを企画してまして・・・」
数回お会いして顔見知りではあったというものの、正体不明な上に音楽関係者では全くない私が
ノミより小さい心臓の勇気を振り絞って「演奏をして頂きたいのです」と言い、
「でも私、ライブ主催した経験が無いのです。試行錯誤ということになりますが、それでもよろしいでしょうか?」
と、恐る恐る正直にお伝えしたところ、「やりましょう。やってみましょう!」と、
力強くトミーさんはその場で即答して下さった。
無事に終わった今、トミーさんの心中をお察ししてみれば、
やっぱり私に任せるのはバクチだっただろうし、トミーさんにとっても勇気を要する決断だったと思う。
打ち上げ後の翌日、お別れ間際のトミーさんの
「完璧なプロデュースでしたよ~」のお言葉に、「”プロデュース”なんてそんなんじゃないですよ~~」
と照れ笑いしながら私は泣いた。

最後にドルチェ倉庫オーナーさんと演奏者さんでパチリ。
オーナーさんご夫妻様には、私(主催者)がオーナーさんにお願いして会場を貸して頂く、
というお立場なのにも関わらず、スタッフ同然(それ以上)に動いてお手助け下さり、
初のライブ主催という点でも行き届かない多々なることをカバーして下さり、本当に有難うございました。

カノン終わった後、ライブに来て下さった方々からの快活なお声の数々。

・あのライブであのチケット代は安い!
・ルイアームストロングの曲に涙が出た。
・演奏はもちろん、トミーさんのトークにもひき込まれた。
・人柄も素晴らしい方々、どうやって知り合ったの?
・「かえるのうた」を子供達に聞かせたかった。
・とっても良かった!すごかった!良かった以外に言葉が見つからないのがツライ(笑)
・もっと人にすすめれば良かった。
・友達誘って行けば良かった。
・自分の小学生の子供にも聴かせたかった。
・ケーキ食べてコーヒー飲んで幸せな気持ちでライブ始まるのを待てた。

私自身はもう胸が一杯で、トミーさんのライブをドルチェ倉庫で!
という数年前からひそかに温めていた願いが実現し、それだけでも満足だが、
実際「主催者」って、時間に遅れてきたお客様の対応とか小さなお子さんの挙動とか
マナー違反しているお客様のことが気になって、
ライブを聴くことに集中することが出来ない、と今回主催をしてみて初めて気が付いた(苦笑)

ライブ主催することを決意した後、ライブ主催経験をお持ちの方々に色々と相談させて頂いた。
「やっぱり主催するとなると自分は聴けない、というのは覚悟の上。
だから正直、好きなアーティストのライブはチケット買ってお客として行くから誰かやって~!と思うけど
やっぱり自分が好きなアーティストを他の人にも知って欲しいし、楽しんで欲しいと思うしね」
でも、何と言ってもアーティストの方とライブ前も後も直接やりとりさせて頂ける楽しみは自分が主ならでは。
予算のことはもちろん、時間とか運営とか準備とか労働とか手間とか、
並々ならぬものがあるけれど、
これから「個人的に自分が好きなアーティストを自分が招く」という時代になるのではないかと漠然と思う。
大ホール、野外フェスなど大規模なライブだけがライブの魅力では全くない。
お互いに共鳴、共感する何かがあれば実現は不可ではないのでは。
主催することにあたって必要なことは何か?

「愛着」と「覚悟」かな。

「またぜひドルチェ倉庫でライブを!」
トミーさんには再会をお願いしました。
今回来られなかった方、次回ぜひ!

ジャズピアニカ奏者トミーさんのサイトは → こちら。

トミーさんのブログでもご紹介頂きました。→ こちら

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