代々木の森診療所

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マッシーのひとりごと~サイコドラマの結婚式~

2012-10-10 17:00:00 | 増野先生

サイコドラマの結婚式

 

 先日、サイコドラマの仲間が結婚式を挙げた。それが、本邦初演のサイコドラマを取り入れた結婚式となった。

 

 彼女から、式の構成を頼まれ、少しドラマ仕立てで、私が結婚に意義を唱え、二人の愛を確認するドラマにしてみた。「オンディーヌ」のなかで、オンディーヌの愛を確かめるために裁判官が行った「愛のテスト」を取り入れてみた。

 

 新郎は、カナダの人だが、出自はウクライナで、お父さんはナチによって強制労働に従事させられ,戦後は故郷に戻ることが出来なくなりカナダに移住した人であり、亡くなってからお墓はウクライナにあると聞いた。

 

 そこで、披露宴の第2部をサープラスリアリティの世界にして、亡くなった新郎のお父さんや、病気でカナダから来られないお母さん、新婦の亡くなった祖父や祖母からのメッセージを演じてもらうことにした。

 

 その場でサイコドラマをするわけにはいかないので、あらかじめ二人のサイコドラマをして、亡くなった人だけでなく、来て欲しい人、応援して欲しい故郷の山や海からもメッセージを受けるドラマを実施し、サイコドラマの仲間がそれらの人物や景色を担当して台詞を言うことにした。

 

 ウクライナパークの森やカナダの広い小麦畑、阿蘇山や別府温泉、そのような懐かしい故郷は、当日参加した人に協力してもらい、全員参加のサイコドラマ的な結婚式となった。

 

新婦の好きな、実存分析のフランクル博士、フランスの劇作家ジャン・ジロドゥ、新郎がファンのロバート・デ・ニロも登場して楽しい時間が流れ、最後はウクライナの長生きを祝う歌「ムノーハヤリータ」を皆で歌ってお開きになった。

 

新郎が素敵な演技者で、全面的に協力して、最初にサックスを吹きながら入場したりしたこともあって、本当に楽しく心温まる結婚式になった。それを可能にしてくれた新婦とその家族の方に心からお礼を言いたい。

 

そして、サイコドラマの技法が治療だけでなく、生活を豊かにして、本来の結婚式の意義を参加者全員が考えられ機会を与える技法だということを感じた。同じ場で50年前に結婚式を挙げた私もとてもいい時間を持つことが出来た。

 

 

 

増野肇(ルーテル学院大学名誉教授、元心理劇学会学会長、代々木の森診療所医師)

 

 

 

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