ビバのよもやま日記

長い介護生活から解放されて、猫と酒におぼれる毎日を綴る日記です。

沈黙の臓器

2011-09-03 22:19:21 | 自宅介護

昨夜は11時就寝の母ちゃんです。

トイレ介助は1時半、5時、6時、7時・・・

相変わらずの頻尿です。

今朝は朝食なしで病院に行ってきます。

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いつものかかりつけ医に行くふりをして総合病院へ

かかりつけ医の前を通り過ぎるとムッとして黙り込んだ母ちゃんでしたが、病院のエントランスのイケメン職員さんに優しくされると態度が一変

車いすに乗り換えた母ちゃんはニコニコ顔で、職員さんに病院内へと連れて行ってもらいます。

その間にオイラは車を駐車場へ・・・

自動受付機を経て泌尿器科に向かいます。

問診票はオイラが書きました。

受付で、お小水を採ってくることは可能かと聞かれましたが、すぐさま状態を察してくれて看護士さんに採ってもらうことになりました。

恥ずかしがっていた母ちゃんでしたが、看護士さんが優しくしてくれたおかげで、検査に躊躇する態度が消えた模様です。

泌尿器科はとても混んでいて、待ち時間は1時間ほど・・・

先生は週に1度来るという医大の先生です。

問診票とオイラが持参した『頻尿記録』を見て、『典型的な過活動膀胱』であると結論。

2週間分のお試し薬を処方してくれました。

せっかくだからと、腹部の触診をした時の事でした。

先生『立派なおなかだね~。これは便秘かな

オイラ『今朝も昨日もお通じがありました』

先生『・・・ちょっとここ、触ってみて』

オイラ『・・・胃ですか』

先生『胃の下から下腹部にかけて、巨大なモノがあります。すぐにでも婦人科を受診してください』

オイラ『婦人科ってことは・・・筋腫か何かでしょうか』

先生『おそらく・・・卵巣腫瘍の類だと思います』

ガーン

幸い今日は、週に一度しかない婦人科の受診日でした。

すぐに紹介状が書かれ、婦人科受診となりました。

この間のやりとりを見ていた母ちゃんは、自分のおなかをさすりながら『何かあると思ってたんだ』と妙に納得した表情をしていました。

婦人科でも1時間ほど待ち時間がありました。

大きな病院なので多目的トイレが充実していて、オムツ交換には支障がありません。

病院に到着してから3度目のトイレが終わったところ、やっと母ちゃんの順番が回ってきました。

こちらの先生も医大の先生です。

紹介状と問診票を見て、すぐに診察に入ります。

もちろんオイラは待合室で待機・・・

15分ほどで呼ばれて診察室に入ると、6枚ほどのエコー写真が置かれていました。

先生は単刀直入に、『卵巣腫瘍の疑いがあります』と・・・

『胃の下から下腹部までの間にこれくらい(手でスイカ大のジェスチャー)の大きさです』

そしてカルテには『卵巣癌の疑い』の文字・・・

毎週ここに来る医師は医大から派遣されるので、次のお医者さんにしっかり伝わるようにと、まるで研究論文のようなカルテを作成しています。

そして、MRIとCTの同時検査のオーダー。

腫瘍マーカー用の血液検査。

二人の看護士さんが素早く対応。

あれよあれよという間に、検査の日程が組まれていきます。

MRIとCTは9月8日(木)午前10時の予定。

次回泌尿器科受診予定の9月17日(土)に再受診というスケジュールです。

その後、医大での受診に移行して、手術か温存かを決断することになります。

母ちゃんってば意外にも冷静で、先生の話を聞いていましたが、その後の本人への問診で認知症の片鱗が現れました。

先生『お子さんは何人生みましたか』

母『3人です』

オイラ『(小さい声で)ふたりです。兄と私の間に一人妊娠したようですが・・・』

先生『お二人目は死産でしたか、流産でしたか』

母『3人生んだと思うんだけど・・・忘れたぁ~』

オイラ『たぶん、流産かと・・・』

・・・ってなやり取りがありました

婦人科での診察を終えて処置室での血液採取を終えると、午後1時になるところでした。

ごはんを食べて帰ろうかと聞くと、『缶コーヒーが飲みたい』とのたまいます。

自販機コーナーで缶コーヒーを手渡すと、母ちゃんため息交じりに『切腹か~、切るならさっさと切ってほしいよね~』と・・・

認知症がどこかへ飛んで行っちゃったような、ごくごく普通な表情の母ちゃんです。

怖さが不穏を押さえつけてるのかなぁ・・・

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帰宅後・・・

あいかわらず頻尿が続いています。

今夜から新しいお薬を試すことになっています。

巨大な腫瘍が原因なら、お薬も効かないかもねぇ~

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おばあちゃん、おかえりニャ~

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にいにぃ~、サッカーしようニャ~

ニャでしこじゃぱん

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卵巣は沈黙の臓器。

オイラが物心ついたとき、すでに母ちゃんのおなかは『でん』と大きかったから、てっきり巨大な皮下脂肪だと思ってました。

痛みも苦痛も無かったため、本人も気づかぬうちに大きくなったようです。

柔らかかった腫瘍が線維化して硬くなるのと同時に頻尿が発生・・・

本人もオイラも、介護職員も、主治医でさえ気が付かないまま、こんなことになっちゃった

年齢や認知症、持病の状態によっては、手術は難しいって言われちゃった

せめて腫瘍が良性であってほしい

検査結果が出るまで2週間。

落ち着かない日々が続きそうです・・・